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カンボジアは、9日、フランスから独立したことを祝う記念日を迎え、首都プノンペンでは、厳戒態勢の中、国王やフン・セン首相が参加してセレモニーが行われました。

9日の記念日に向けては、カンボジアの最大野党・救国党の前の党首で、逮捕状が出された4年前から国外で生活を続けるサム・レンシー氏が帰国すると予告していました。

しかし、サム・レンシー氏は、7日、フランスのパリの空港で、カンボジアの隣国タイへ向かう飛行機に乗ろうとしましたが、タイの航空会社に拒否されており、帰国を警戒するフン・セン首相による周辺国への働きかけが影響したと見られていました。

その後、行き先を変更し、9日、マレーシアに到着しましたが記者団に対し、「数日滞在する」と述べ、独立記念日の帰国を断念したことを明らかにしました。

フン・セン政権は、サム・レンシー氏がことし8月に帰国を予告してから8日までに、野党関係者など64人を逮捕するなど締めつけを強めており、欧米諸国などから批判が高まっています。

カンボジアの首都プノンペンの裁判所は10日、最大野党「救国党」の党首、ケム・ソカ氏の自宅軟禁を解除すると発表しました。

その理由として、「健康状態などを考慮した」としていますが、一方で政治活動への参加禁止や海外への渡航禁止などの条件もつけています。

ケム・ソカ氏は2年前に国家反逆の疑いで逮捕され、去年、保釈が認められましたが、自宅軟禁の状態が続いていました。

カンボジアでは強権的なフン・セン首相のもと、解散を命じられた最大野党が不在のまま去年、選挙が行われ、与党がすべての議席を独占する結果となりました。

さらに国外で生活を続ける最大野党の前の党首が帰国すると予告したことを受け、ことし8月以降、野党関係者など60人余りが逮捕されるなど、締めつけが一層強まっています。

こうしたフン・セン首相の政治手法に対し、EUが制裁を検討していることなどから、今回の軟禁解除の発表は国際社会の批判をかわすねらいがあると見られます。

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