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ことし7月の参議院選挙では、選挙区ごとに議員1人当たりの有権者の数に最大で3.002倍の格差があり、弁護士などのグループが「投票価値の平等に反し、憲法に違反する」として選挙の無効を求める訴えを全国で起こしました。

このうち東京と神奈川の選挙区を対象にした判決で、東京高等裁判所の村上正敏裁判長は「去年の国会の決議では格差のさらなる是正に向けた国会の決意が示され、かつてのような大きな格差を生じさせないよう配慮されている」として、憲法に違反しないという判断を示しました。

参議院選挙の1票の格差は、前回・3年前の選挙では最大で3.08倍でしたが、今回の選挙では埼玉選挙区の改選議席を1議席増やす是正が行われ、格差は最大で3.002倍となっていました。

また、この裁判では、弁護士グループが参議院選挙に新たに導入された比例代表の特定枠についても憲法違反だと訴えましたが、判決は「国政のためになる人材の当選の機会を高めることを可能にし、合区の問題にもある程度、対応するとされ、憲法に違反するとはいえない」として、訴えを退けました。

ことしの参議院選挙をめぐって、弁護士などのグループが全国で起こした裁判は、これで高裁での判決が出そろい、憲法に違反しないとする判決が14件、違憲状態だとする判決が2件となりました。
判決のあとに会見した山口邦明弁護士は「国会は平成27年公職選挙法の改正の際に、『次回の選挙に向けて抜本的な見直しを検討して必ず結論を得る』と決意を示していたのに守られていない状態だ。今回の裁判所の判決はその状態を無視した全くそっけないものだ。高裁の判決がきょうで出そろったが、もっと踏み込んだ判断を示してほしかった」と話していました。