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 親世代なら、より偏差値の高い大学を卒業すれば、就職も有利-と考えがち。だが、近年では、企業側が大学の偏差値で学生を選別することすら減っているという。中野さんは「東大卒や京大卒であれば、知識量や勉強をやりきる力があるという評価はされやすいでしょう。ただ、それはサッカーや野球で全国優勝したという経歴と同種の話です」と説明する。

 中野さんによると、かつて学歴が就職に直結した時代は高度成長期で、情報処理能力が問われる仕事が多かった。学歴の高い人材はそうした能力にたけているため評価されたという。だが近年は、単純作業はコンピューターが行い、社員に求めるのは新しい価値を生む発想力。また、学歴の高さと仕事での活躍に相関関係はないという研究が数多く発表され、大学名を採用で考慮する企業は激減したという。

 「大切なのは、大学で何を学んだかです」と中野さん。その点では、大学名よりも学部が重要だという。現在は情報系や建築・土木系、電子・機械系が人手不足で、専門学部や高等専門学校で即戦力となれる技能を身につけていれば就職に有利だ。一方で、営業・販売などのビジネス系は「どの学部を出ると有利、または不利という差はありません」とも。

 さらに、中野さんは「新卒採用の面接でみられるのは、学歴や学力よりも、体力や忍耐力、集中力、バランス感覚といった“基礎的人間力”です」と強調する。さまざまな人に会い、日々の生活で意識することや、人に負けない何かをやり遂げることが、評価につながりやすそうだ。

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