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新型コロナウイルスの感染が広がる中、先週の東京株式市場では12年前のリーマンショックの時以来となる記録的な株価下落に見舞われ、2日も取り引き開始から株価の下落が続いていました。
また、外国為替市場でも円高ドル安が進み、金融市場の動揺が続いています。

こうした中、日銀の黒田総裁は2日午前10時前、臨時の談話を発表しました。

黒田総裁は「最近の内外の金融資本市場では新型コロナウイルスの感染拡大による経済の先行きに対する不透明感が強まり、不安定な動きが続いている」としています。
そのうえで「日銀としては、今後の動向を注視しつつ、適切な金融市場調節や資産の買い入れの実施を通じて潤沢な資金供給と金融市場の安定確保に努めていく方針だ」として今後、市場に十分な資金を供給し、金融面からの対応を強化する姿勢を強調しました。

日銀が金融市場の混乱に対して総裁談話を出すのは異例です。

日銀は、市場から、国債や数多くの株式をまとめてつくるETF=上場投資信託の買い入れを積極的に行う方針で、談話の後、早速国債を買い入れる形で金融市場に5000億円を供給すると発表しました。

日本と同じく株価が急落したアメリカでも先月28日、中央銀行にあたるFRB連邦準備制度理事会のパウエル議長が緊急の声明を出して追加の利下げの可能性を示唆しています。

新型コロナウイルスの感染拡大に端を発した世界的な金融市場の混乱に日米の中央銀行がそろって警戒感を示した形です。

日銀は黒田総裁が市場に潤沢に資金を供給するなどとした異例の談話を出したことを受けて2日午前、金融市場から国債を買い入れる形で5000億円の資金を供給すると発表しました。

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で景気の先行きに対する不透明感が広がる中金融市場に大量の資金を供給することで、市場の動揺をおさめるねらいがあります。

日銀は、今後も、市場の状況を見ながら必要に応じて追加の資金供給を積極的に行う方針です。

#金融政策