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東京地裁では、法廷に出るすべての人にマスクの着用を求めるなど感染防止策を取ったうえで、裁判員裁判を再開しましたが、今月2日の殺人事件の初公判で、被告の弁護士2人が「マスクをしたままだと主張が十分に伝わらず、被告の不利益につながりかねない」として着用を拒否しました。

裁判所は審理を一時中断して追加のアクリル板を設置するなどし、裁判は弁護士がマスクを着用しないまま審理され、12日、判決が言い渡されました。

判決後、裁判員と補充裁判員の会見に4人が出席し、このうち裁判員を務めた宮本俊人さん(40)は「ほかの人はマスクをしていたが目などは見えるので、着用の有無の影響は特に感じなかった。弁護士の言う理由も理解はできるが、被告の不利益のことだけではなく、法廷にいる多くの人のことも考えてほしかった」と話しました。

また補充裁判員の40代の女性は「感染への不安はゼロではなく、着用しなかったことは非常識だと思う」と話すなど、疑問を投げかける声が相次ぎました。

一方、別の裁判員の男性からは「被告はマスクをしていたが被告の表情こそ見えたほうがよかった」として心証を得るうえで、マスクで隠れた表情を見たかったという意見がありました。

また、補充裁判員の40代の女性も「被告の話が聞き取りにくい部分もあり、マスクが無ければもう少し聞き取れたかもしれない。被告が話すときにはフェイスシールドや証言台の前にアクリル板を立てるなど対策をしてもいいのではないか」と話しました。

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