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 秋葉原にある日本最大規模のパソコンパーツショップ「ツクモeX.」の店員は驚きを隠さない。

「大学などの研究機関や、動画編集を業務とする企業が使うようなパーツです。一般の家電量販店ではまず取り扱っておらず、ウチのような専門店じゃないと手に入らない。ましてや藤井(聡太、18)さんのように将棋ソフトのために購入した人は見たことがない」

 将棋界で快進撃を続ける藤井二冠は棋譜の分析のためのパソコンを自作することで知られているが、9月10日付の中日新聞に掲載されたインタビューで、〈最新のはCPUに「ライゼンスレッドリッパー3990X」を使っています〉と明かした。

 CPUはコンピュータの頭脳にあたるパーツだが、藤井二冠が名前を挙げたのは今年2月に発売された最新モデルで、お値段なんと約50万円。通常の家庭用パソコンのCPUであれば価格は2万~3万円程度である。

 この高級品が「将棋の分析に最適」と評するのは、今年の世界コンピュータ将棋選手権で優勝した将棋AI「水匠」の開発者である杉村達也氏だ。

「CPUの性能で読みの速さが変わります。家庭用パソコンのCPUが1秒間に約200万手読むのに対し、藤井二冠が使っているCPUでは30倍の6000万手読めます。短時間でより多くの局面を検討できるので、効率よく研究できます」
 6月の棋聖戦第二局では、藤井二冠の妙手「3一銀」が、将棋ソフトが4億手読んだ段階では悪手なのに、6億手読むと最善手になることが話題となった。

「普通のCPUなら10分以上かかるが、藤井二冠と同じものなら10秒で導き出せます」(同前)

 将棋ライター・松本博文氏はこういう。

「高性能コンピュータが膨大な分析結果をはじき出しても、咀嚼して自分の力にできるかは別問題。超ハイスペックのCPUを使いこなせる藤井二冠の棋力こそ規格外です」

 天才棋士だからこそ活かせる“手駒”なのだ。

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