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日銀の短観は、国内の企業およそ9500社に3か月ごとに景気の現状などを尋ねる調査で、景気が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を差し引いた指数で景気を判断します。

今回の調査は、首都圏の1都3県に「緊急事態宣言」が出されていたことし2月下旬から3月31日にかけて行われました。

大企業製造業の指数はプラス5ポイントと、前回・去年12月の調査から15ポイント改善しました。

改善は3期連続で、新型コロナウイルスの感染拡大前の、おととし9月以来の水準まで回復しました。

輸出の増加などを背景に、自動車が23ポイント、鉄鋼が20ポイント、電機が19ポイント、それぞれ改善しました。

これに対し、大企業の非製造業は、マイナス1ポイントと、前回調査のマイナス5ポイントから小幅な改善にとどまりました。

このうち不動産や物品賃貸、情報サービスなどが改善した一方、「宿泊・飲食サービス」が15ポイント悪化しマイナス81ポイント、遊園地や劇場などの「対個人サービス」が8ポイント悪化しマイナス51ポイントとなり、業種によって改善のペースに差が出ています。
今回の短観で、景気判断が改善した業種と、悪化した業種を見ていきます。

はじめに大企業の製造業です。

アメリカや中国といった海外経済の持ち直しの動きに伴い輸出が増えたことなどから特に自動車や、半導体に関連する業種で改善が目立つ結果となりました。

このうち自動車は23ポイント改善しました。

これに伴い自動車産業と関係が深い「非鉄金属」が24ポイント、「鉄鋼」が20ポイント「金属製品」が16ポイントといずれも前回に比べ、改善しました。

また、半導体関連では工作機械メーカーなどの「生産用機械」が29ポイント、「化学」が10ポイント、「電気機械」が19ポイント、いずれも改善しました。

一方で、新型コロナの影響で航空機や船などの受注が減っていることから「造船・重機など」は3ポイントの悪化となりました。

続いて、大企業の非製造業です。

緊急事態宣言が再び出され営業時間の短縮要請などで打撃を受けている「宿泊・飲食サービス」は、前回より15ポイントの悪化となりました。

前回の調査では21ポイントの改善だったものの、再び悪化に転じました。

また、映画館や遊園地などの「対個人サービス」も8ポイントの悪化となりました。

一方、「不動産」は分譲マンションなどの需要が回復していることで19ポイントの改善となりました。

日銀は「製造業では、大企業、中小企業ともに幅広い業種から需要の持ち直しに期待する声が聞かれた。一方、非製造業では外出自粛による巣ごもり需要やテレワーク需要が弱まりつつあるといった先行きを懸念する声が聞かれ、慎重な見方をしている企業も多いことがうかがえる」と話しています。

今回の短観では、企業が計画する今年度(21年度)の設備投資の額が前の年度の実績と比べてプラス0.5%の伸びとなることがわかりました。

この時期の調査としてプラスとなるのは比較が可能な1984年以降、初めてになるいうことです。

このうち製造業では海外経済の回復を受けて輸出と生産が増加していることからプラス3%の伸びとなっています。

一方、非製造業はマイナス1%と、新型コロナウイルスの影響でサービス業などで慎重な姿勢となっています。

例年、この時期には中小企業を中心に新年度の計画がまだまとまっていないことや、年後半にかけて設備投資が増える傾向にあることから低い水準となっていますが、今回は製造業の回復などでプラスとなった形です。

#経済統計

日銀が打ち出した貸出促進付利制度について、地方銀行からは、日銀の狙いとは裏腹に高い付利であっても融資を増やすのは難しいとの声が上がっている。

逆に、新制度によって、マイナス金利の深掘りが現実味を帯びてきた、として身構える関係者もいる。市場では、短期政策金利がマイナス0.2%に引き下げられた場合、銀行業界全体で2000億円の利益を失うとの試算が出ている。

<自信示す黒田総裁>

この制度は、マイナス金利のもとで金融機関の貸出を促進することにより金融緩和の効果をより浸透させるものだ――。黒田東彦総裁は30日の講演で、貸出促進付利制度の意義をこう強調した。追加緩和で長短金利を引き下げる場合には各資金供給オペの付利金利を引き上げ、金融機関の貸出がさらに促進されることを狙う。黒田総裁は、こうした対応で「追加緩和の効果が補完される」と語った。

貸出促進付利制度では、これまでに日銀が打ち出してきた各種の資金供給オペをプラス0.2%の付利、プラス0.1%の付利、付利ゼロの3段階に分ける。全てのカテゴリーで資金供給の残高増加額の2倍額が日銀当座預金のマクロ加算残高に追加されるため、付利ゼロのオペにもインセンティブは付く。

資金供給オペごとの制度趣旨を残しつつも、金融機関へのインセンティブ付けをその時々の政策の主眼にひも付けることを可能にし、ばらばらに扱われてきた資金供給オペを一元的に管理する仕組みができたことになる。

日銀は今後、新たに資金供給オペを打ち出す場合には、付利をどうするかも同時に検討する見通しだ。

<苦しむ中小企業、プロパー融資は積極化できず>

地銀では、貸出促進付利制度について「インセンティブをいただけるのはありがたい」(地銀幹部)との声が出ている。しかし、最上位のインセンティブとしてプラス0.2%の付利が与えられることになったコロナオペのプロパー融資分については、インセンティブが手厚くなったからと言って、増やすことは難しいとの声が目立っている。

日銀の黒田総裁は、コロナオペのプロパー部分を最上位にしたことについて「金融機関が中小企業等に対して、自らリスクを負って行っている感染症対応融資をいっそう積極的に後押ししようという狙いだ」と解説した。

信用保証付きの無利子無担保融資が3月末で申請期限切れとなるほか、日本政策金融公庫などによる無利子無担保融資の申請期限も今年前半までとなっていることを踏まえ、金融機関が先行き自前の融資を積極化するとの読みも、高いインセンティブの背景にあるようだ。

しかし、資金繰りが厳しい事業者にとって「使い勝手」がいいのは無利子無担保融資だ。ある地銀幹部は「コロナの感染第4波への警戒感が高まる中で、飲食店や宿泊業の業況は引き続き非常に厳しい。融資がまさに赤字補填(ほてん)の役目をしているので、将来の利払い負担が生じる融資を銀行としても勧めるわけにはいかない」と話す。

一方で、「財務基盤が毀損(きそん)した中小企業には、政策金融公庫を通じて資本性資金を入れて財務基盤を強固にしてからでないとプロパー融資は難しい」(別の地銀幹部)との声も出ている。自前融資は貸し倒れリスクを銀行が負うことになるためだ。

<打撃大きいマイナス金利深掘り>

日銀は政策点検に当たり、経済が悪化しても市場でマイナス金利の深掘り観測が高まらない現状の打破を目指した。長短金利の引き下げを重要な追加緩和のツールの1つとし、貸出促進付利制度の導入で必要と判断すれば機動的にマイナス金利の深掘りに踏み切る姿勢を鮮明にした。声明では、マイナス金利深掘り時に同制度を使った金融機関へのインセンティブがどうなるかを示し、「本気度」をアピールした。

SMBC日興証券佐藤雅彦アナリストは、短期政策金利をマイナス0.2%に深掘りした場合に大手行・地銀含めた銀行全体が失う利益は約2000億円に上ると試算。

これに対して、今回の新制度の下、コロナオペの付利が0.1%ポイント上乗せされても、2月末の残高56兆円に対して銀行が追加で受け取る付利は560億円に過ぎず、失う利益の約4分の1しか戻ってこないことになる。

それでも、佐藤氏は「マイナス金利の深掘り時に銀行が十分な『自衛』をしたければ、社債などの適格担保を多く調達して、コロナオペ残高を増強しておく必要がある」と指摘する。

国内景気がコロナの不確実性を残しながらも戻り基調にあることや、外国為替市場でドル/円が110円台という円安水準で推移していることもあり、市場では近い将来のマイナス金利の深掘りは考えにくいとの見方が多い。

しかし、低金利環境にあえぐ地銀からは、新制度の導入でマイナス金利深掘りの現実味が増したことに悲痛な声が上がる。ある地銀の幹部は「マイナス金利の深掘りは怖い。それだけはやめてほしい」と厳しい表情を浮かべる。

#日銀