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ドイツやフランスなど、ユーロ圏19か国の金融政策を担うヨーロッパ中央銀行は9日、理事会を開いて当面の金融政策を協議しました。

その結果、今の大規模な金融緩和策のうち、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて去年3月に導入した大規模な資産の買い入れについてこれまでよりペースを緩めることを決めました。

景気が回復傾向にあり、金融市場も落ち着いて推移しているためです。

総額1兆8500億ユーロ、日本円でおよそ240兆円としている買い入れ規模や、少なくとも来年3月までとしている期限は維持しました。

大規模な金融緩和策は今後も続きますが、今回の決定は、金融政策の正常化に向けた第1歩となります。

アメリカの中央銀行にあたるFRB連邦準備制度理事会が年内にも、金融政策の転換にあたる量的緩和の規模の縮小を決める見通しになるなど、世界の中央銀行の間では、感染拡大に対応する異例の金融緩和からの脱却を図る動きが出ていてヨーロッパ中央銀行の動きも注目されていました。

理事会のあとの記者会見でヨーロッパ中央銀行のラガルド総裁は「ユーロ圏では成人の70%以上がワクチンを接種し、経済活動は個人も企業も幅広く回復している。ウイルスの影響はこれまでのようには深刻ではない」と述べ、変異ウイルスのデルタ株の拡大に警戒が必要だとしつつ、ユーロ圏の景気は着実に回復していると強調しました。

ただ今回、資産買い入れのペースを緩めると決めたことについては「あくまでペースの調整であって量的緩和の縮小ではない。理事会ではこれからどうするかという議論はしていない」と述べ、アメリカのFRBが議論を進めているような金融政策の転換にあたるものではないと述べました。

また、ユーロ圏の物価上昇率が、ヨーロッパ中央銀行が望ましいとする2%を大きく超えて3%になっていることについては「この秋さらに上昇しても来年には下落する」と述べ、物価の大幅な上昇は景気の回復に伴う一時的なものだという考えを繰り返しました。

#ECB#金融政策