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南米のベネズエラでは、中国やロシアの支援を受けて独裁を続けるマドゥーロ大統領と、アメリカなどの支援を受けて暫定大統領への就任を宣言した反政府側のグアイド前国会議長が対立する中、経済政策の混乱による急激なインフレなどで国民の多くが厳しい生活を強いられています。

事態の打開に向けて、ことし8月からノルウェー政府の仲介で、政府側と反政府側の対話がメキシコで行われていますが、ベネズエラ政府の代表団は、17日から再開する予定だった会談に出席せず、対話を停止すると発表しました。

その理由について、マドゥーロ大統領の側近で対話の代表団のメンバーでもある実業家が、16日、身柄を拘束されていたアフリカ西部の島国、カボベルデからアメリカ側に引き渡されたことに抗議するためだとしています。

この実業家は、ベネズエラの公金流用に関わったとして、資金洗浄の疑いでアメリカの司法当局から訴追されていましたが、マドゥーロ政権は今回の身柄引き渡しについて「誘拐だ」などと激しく反発していて、アメリカとの間で再び緊張が高まるおそれが出ています。

ハイチの首都ポルトープランスの近郊で16日、現地で支援活動をしていたアメリカのキリスト教の団体に所属する宣教師や家族など17人が何者かによって誘拐されました。

誘拐されたのはアメリカ人16人とカナダ人1人で、アメリオハイオ州に本部がある団体が発表した声明によりますと、女性や5人の子どもたちも含まれていて現地の孤児院を訪問するため訪れていたということです。

アメリカのメディアによりますと、誘拐にはこの地域に拠点がある地元のギャングが関わっているということで、警察が捜査をすすめています。

最貧国の1つとされるハイチでは、ことし7月に大統領が暗殺されたのに続いて8月には西部で発生した大地震で2000人以上が死亡し、政治や経済の混乱が続いています。

治安も極端に悪化していて、特に地震が起きて以降、ギャングによる身代金を目的にした誘拐事件が多発しています。

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