ベネズエラでクーデターか 一部の軍部が離反の可能性 #nhk_news https://t.co/rXpJj8Kw7U
— NHKニュース (@nhk_news) 2019年4月30日
政治的な混乱が続く南米ベネズエラで、暫定大統領就任を宣言してアメリカの支援を受けるグアイド国会議長が、首都カラカスの空軍基地に入り、軍に決起するよう呼びかけました。この空軍基地は、これまでマドゥーロ大統領側が完全に掌握していたとされ、グアイド氏の背後には、複数の軍人が並んでいることからクーデターの可能性もあります。
南米ベネズエラでは、独裁を続けロシアや中国の支持を受けるマドゥーロ大統領と、暫定大統領への就任を宣言しアメリカの支援を受けるグアイド国会議長が対立し、国際社会を巻き込んで混乱が広がっています。
グアイド氏は30日、ベネズエラの首都カラカスの大統領府に近い空軍基地からツイッターで「勇気ある軍人と愛国者が私のもとに駆けつけてくれた。ベネズエラの大統領として、すべての軍人に決起するよう呼びかける」と演説しました。
演説中、グアイド氏の背後には、複数の軍人や自宅軟禁中だった有力な野党指導者のレオポルド・ロペス氏も並んでいることから、軍部の一部が離反したクーデターの可能性もあります。
これに対し、マドゥーロ政権側は「ベネズエラの平和を維持する」とコメントしていて、地元メディアによりますと、カラカス市内では、マドゥーロ大統領を支持する軍部がグアイド氏の呼びかけに応じた市民や一部の軍人に向けて発砲する状況も見られるということで、混乱が広がっています。
アメリカのポンペイオ国務長官は30日、ツイッターに「アメリカ政府は、自由と民主主義を求めるベネズエラの人々を全面的に支持する。民主主義は負けはしない」と投稿し、グアイド国会議長の行動を支持すると強調しました。
また、ホワイトハウスのボルトン大統領補佐官も、ツイッターで「アメリカ政府はベネズエラ国民とともにある」と投稿し、グアイド国会議長を支持する考えを示しました。
ベネズエラ 軍の一部が離反の動きも 大統領が依然国内掌握 #nhk_news https://t.co/DP3GUMaT9g
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ベネズエラでは、独裁を続けロシアなどの支援を受けるマドゥーロ大統領と、暫定大統領への就任を宣言しアメリカの支援を受けるグアイド国会議長が対立し、国際社会を巻き込んで混乱が広がっています。
グアイド氏は30日早朝、首都カラカスの大統領府に近い空軍基地からツイッターを通じ、「ベネズエラの大統領としてすべての軍人に決起するよう呼びかける」と演説しました。
グアイド氏の背後には複数の軍人や、自宅軟禁中だった有力な野党指導者のレオポルド・ロペス氏も並んでいて、カラカス市内では市民が街に出て、マドゥーロ大統領の退陣を求め投石する姿などが見られました。
しかし、グアイド氏の呼びかけに応じ軍が政権側から離反する動きは見られず、軍の幹部も相次いで政権側への支持を打ち出しています。
さらに、地元メディアなどによりますと、決起を主導したと見られる軍の関係者25人が現地のブラジル大使館に保護を求めているほか、野党指導者もチリの大使館に保護を求めていると伝えています。
こうしたことから、依然として、マドゥーロ大統領側が国内を掌握しているとみられます。
マドゥーロ政権を支持するロシア外務省は、30日、ベネズエラ情勢に関するコメントを発表し、「急進的な反体制派が、再び、武力を用いた対立に向かっている。暴力を否定し、無秩序や流血の事態を回避しなくてはならない」として双方に自制を呼びかけました。
そのうえで「ベネズエラの憲法にのっとって行動すべきで、外部からの破壊的な干渉があってはならない。国内の意見の不一致を乗り越え政治的な決定を下すのはベネズエラの人々だ」として、アメリカやコロンビアなどの周辺国に対して介入しないようけん制しました。
ロシアは先月、およそ100人の兵士をベネズエラに派遣し、その一部は、国境地帯の偵察などベネズエラ軍の任務を支援しているとみられています。
グアイド国会議長を支援するアメリカのポンペイオ国務長官は30日、CNNテレビに出演し、「マドゥーロ大統領が30日朝、滑走路に飛行機を待機させ、キューバに向かおうとしていたが、ロシアがとどまるように伝えた」と述べました。
この情報の根拠を聞かれたポンペイオ長官は「アメリカは現地の人たちや軍、反政府側のリーダーと話した」と述べたものの、詳しい説明を避けました。
さらに、ポンペイオ長官は、ロシアとキューバがマドゥーロ政権を支えていると主張し、支援をやめるよう改めて要求したうえで、マドゥーロ大統領に対しては「飛行機のエンジンを動かせ」と述べて、直ちに出国し、グアイド国会議長に権力を譲り渡すよう求めました。
米補佐官 ベネズエラのグアイド氏支持「クーデターではない」 #nhk_news https://t.co/fPTWnphLNj
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政治的な混乱が続く南米ベネズエラで、暫定大統領への就任を宣言しアメリカの支援を受けるグアイド国会議長が30日、軍や国民に決起するよう呼びかけました。
このあと、首都カラカスでは、市民がマドゥーロ大統領を支持する軍の関係者に投石するなど一時混乱が広がりました。
こうした事態を受けて、ホワイトハウスで安全保障政策を担当するボルトン大統領補佐官は記者団に対し、「アメリカはグアイド氏を暫定大統領だと考えており、明らかにクーデターではない。グアイド氏側による勇敢な行動だ」と述べ、今回の行動を支持する考えを強調しました。
また、記者団からアメリカ軍による介入の可能性について質問されたボルトン補佐官は「あらゆる選択肢を検討しているが、トランプ大統領はマドゥーロ氏からグアイド氏への平和的な権力の移行を望んでいる」と述べ、改めてマドゥーロ大統領に対し、権力を譲り渡すよう呼びかけました。
アメリカでは、首都ワシントンにあるベネズエラ大使館の前にマドゥーロ大統領とグアイド国会議長の双方を支持する人たち合わせて約100人が集まりました。
このうち、マドゥーロ大統領の支持者は「アメリカはベネズエラに干渉するな」、「帝国主義に負けるな」などと声を上げていたのに対し、グアイド国会議長を支持する人たちは、「ベネズエラの子どもたちは飢えている」、「大統領は退陣しろ」と主張していました。
この集まりに参加したマドゥーロ大統領を支持する女性は「ベネズエラは、選挙を経て大統領を選んだ。アメリカはその結果を無視してアメリカに都合のよい別の人を大統領にしようとしている。このアメリカの姿勢に抗議したい」と話していました。
一方、グアイド国会議長を支持するベネズエラ系アメリカ人の男性は「問題は、誰が大統領の座にいるかということではなく、誰が最も国民を苦しめているかということだ。マドゥーロ大統領は違法な選挙を行って権力に居座っているということを日本を含めた国際社会に知ってほしい」と話していました。
ベネズエラ情勢をめぐってアメリカ議会の与党 共和党のテッド・クルーズ上院議員は30日、ワシントン市内で演説し「きょうはベネズエラにとって重要な日だ。マドゥーロ氏は長年の報いを受ける」と述べ、軍や国民に決起するよう呼びかけたグアイド国会議長に一部が同調する動きを見せたことを歓迎する考えを示しました。
そして、「自由のために立ち上がった人々よ。あなたたちの声は世界中に届いている。アメリカ国民はあなたたちの友人だ」と述べ、グアイド国会議長側を支持する考えを強調しました。
そのうえで、キューバとロシア、それに中国やイランなどがマドゥーロ政権を支持しているとして強く非難し、けん制しました。
また、野党 民主党のペロシ下院議長もツイッターに「ベネズエラの人々は、政権から報復を受ける恐怖を抱くことなく平和的な抗議行動を認められるべきだ。マドゥーロ氏はベネズエラ国民の意思を受け入れることが必要だ」と書き込み、デモに参加する市民に危害を加えないようマドゥーロ政権に自制を求めました。