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CPO=国際刑事警察機構は、世界各国の警察機関によって組織された国際機関で、インターポールの通称で呼ばれています。

国際犯罪の情報収集や分析、それに国際手配などを通じて、各国の捜査協力を支援するほか、犯罪防止に向けた各国の連携を進める役割を担っています。

フランス東部のリヨンに本部を置き、ことし11月現在で195の国と地域が加盟しています。

13人からなる執行委員会は、加盟国による選挙で選ばれ、トップにあたる総裁の任期は4年、執行委員の任期は3年です。

ICPOは25日、トルコのイスタンブールで開かれた年次総会で執行委員会の選挙を行い、新しい総裁にUAE内務省で首席監察官を務めるアハマド・ライシ氏が選出されました。

また、執行委員の1人に中国の公安省国際協力局の副局長の胡彬※チン氏が選ばれました。

しかし2人をめぐっては、かねてから問題が指摘されていて、このうちライシ氏については、UAEの刑務所で暴力行為などが起きているという訴えがあるにもかかわらず、監察官として信頼に足る調査を行っていないなどと人権団体が批判しています。

また胡氏については、ICPOの要職に就けば、海外で活動する人権活動家などの追跡に、ICPOの国際手配を悪用するおそれがあるなどとして欧米などの議員で作る団体が選出に反対してきました。

胡氏が執行委員に選出されたことについて、アジア各国の情報を集めている人権団体「セーフガード・ディフェンダーズ」のピーター・ダーリン代表は「羊を見守るべき役目にきつねが据えられた」とツイッターに投稿し、危機感を示しました。

また、ライシ氏が総裁に選出されたことについて、国際的な人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」が「ICPOは虐待を行っている国家機関の責任者を総裁に選んだ」と評するなど、今回の人選に対し、人権が軽視されるのではないかと懸念の声があがっています。

※チンは、林におおざと。

ICPO国際刑事警察機構の新たな総裁に選出されたライシ氏は、UAEアラブ首長国連邦内務省の高官です。

ICPOによりますと、ライシ新総裁は1980年にUAE首長国の1つ、アブダビ首長国の警察に就職し、情報通信部門の責任者などを歴任したあと、2015年からは内務省で内部の不正を調査する首席監察官を務めています。

ライシ氏が監督するUAEの治安機関をめぐっては、刑務所内での暴力行為などが人権団体からたびたび指摘されてきました。

2019年には国連の特別報告者が、アブダビの刑務所で刑務官が女性の受刑者3人に暴力をふるったなどと報告し、UAE政府に懸念を示したうえで受刑者の待遇改善を求めています。

ライシ氏がICPOの総裁に立候補したことを受け、ことし5月、国際的な人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」は「ライシ氏は監察官として問題を調査する責任があるが、信頼に足る調査を行っている兆候はない。われわれはUAEの治安機関による人権侵害の申し立てを複数記録している」と指摘し、懸念を示していました。

ICPOの新たな執行委員に選出された胡氏は、現在、中国公安省国際協力局の副局長を務めています。

中国メディアによりますと、胡氏は、イギリスのケンブリッジ大学修士号を取得したほか、長年、海外の警察との国際協力を担い、アメリカにある中国大使館での勤務経験もあるということです。

ICPOの執行委員会のメンバーに中国の代表が選ばれるのは、2016年から18年まで総裁を務めた孟宏偉氏以来です。

孟氏は、2018年に中国に帰国した際に拘束されたあと、収賄の罪で起訴され、任期途中で辞任しています。

国際機関における中国の影響力をめぐっては、国連に15ある専門機関のうち、現在、3つの機関のトップを中国人が務めているほか、重要ポストにも人材を送り込んでいて、中国としては、胡氏の就任によって国際機関でのさらなる影響力拡大につなげたいねらいもあるとみられます。

ライシ氏の総裁選出について、ICPOの実務を取りしきるユルゲン・ストック事務総長は「歓迎する」としたうえで「過去3年間、執行委員を務めてきたライシ氏と仕事をしてきた。ICPOの使命を果たすため、引き続き、緊密に協力していくことを期待する」とコメントしています。

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