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自民党総裁選挙で高市経済安全保障担当大臣が国政レポートを党員らに郵送し党内から「不公平が生じる」という指摘が出ていることを受けて、党執行部は選挙管理委員会に改めて対応を検討するよう指示しました。

自民党総裁選挙で党の選挙管理委員会は資金をかけない総裁選挙を実現するため、今月4日から政策パンフレットなどの郵送を禁止しています。

こうした中、高市経済安全保障担当大臣が党員らに郵送した国政レポートが4日以降に届いていたことが分かり、選挙管理委員会高市氏に注意していました。

党内からは「党員の投票行動に影響が出る可能性があり不公平が生じる」という指摘が出ていて、これを受けて17日、幹事長の職務権限を持つ岸田総理大臣と森山総務会長、渡海政務調査会長ら党執行部のメンバーが協議しました。

そして、執行部として選挙管理委員会の委員長を務める逢沢元国会対策委員長に改めて対応を検討するよう指示しました。

一方、高市氏はこれまでに「国政報告は毎年出しており、先月中にはすべて配送も終わっている。配送先もすべて党員というわけではなく内容も総裁選挙にはひと言も触れていない。選挙管理委員会のルールに抵触は絶対しない」と反論しています。

自民党総裁選挙で高市経済安全保障担当大臣が国政レポートを党員らに郵送し、党執行部が選挙管理委員会に対応の検討を指示したことについて、高市氏の地元事務所はルールには違反していないと主張し、執行部の対応を批判しました。

自民党総裁選挙で高市経済安全保障担当大臣が国政レポートを党員らに郵送し、党内から「不公平が生じる」という指摘が出ていることを受けて、党執行部は17日、選挙管理委員会に改めて対応を検討するよう指示しました。

これを受けて、高市氏の地元事務所の木下剛志秘書が18日、奈良県庁で記者会見し、国政レポートは選挙管理委員会が文書の郵送を禁止した今月4日より前に発送を終えていて、ルールには違反していないと主張しました。

その上で、党執行部の対応について「異常性を感じた。選挙管理委員会に党執行部が圧力をかけることはわれわれの常識では考えられない。権力者としてのきょうじと自制を強く求めたい」と批判しました。

自民党総裁選挙は松山市で地方演説会が行われ、9人の候補者が地方の活性化や産業振興、地域の交通手段確保などをめぐりそれぞれ主張を展開しました。

《東京一極集中の是正・地方の活性化》

この中では東京一極集中の是正や地方の活性化に向けた発言が相次ぎました。

加藤氏「1000億円規模の交付金を設立」

加藤元官房長官は「東京一極集中や地方の過疎化に歯止めをかける。人材を地域で育成して定着させ地域の特性を生かした産業を作るため、1000億円規模の交付金を設立し、活性化につながる取り組みをしっかり応援する」と述べました。

石破氏「新しい日本を地方からつくる」

石破元幹事長は「明るい日本を取り戻すため地域のことは地域で考えるのが地方創生だ。いつの時代も国を変え歴史を変えるのは都の偉い人ではなく地方であり、庶民大衆だ。新しい日本を地方からつくる」と述べました。

茂木氏「”日本列島の再改造” 東京一極集中の是正策を」

茂木幹事長は「地方の山あいで生まれ小学校は分校に通ったが人口減少で廃校になった。こうしたことが起こらないよう地域で産業を起こし、雇用もつくり、若い人が地方から出ていかない『日本列島の再改造』、東京一極集中の是正策を進めたい」と述べました。

《地方への投資や特色ある産業を伸ばす》

地方への投資や特色ある産業を伸ばすことで成長につなげるという主張も相次ぎました。
高市氏「農家などが稼げる状況つくる」

高市経済安全保障担当大臣は「すべての田畑を活用できる条件を整え、農家が稼げる状況をつくる。四国ではブリの養殖が有名だが日本は陸上養殖は世界一のレベルだ。世界初の完全閉鎖型の植物工場も日本企業が開発した。私たちはまだまだ挑戦できる」と述べました。

小林氏「各地に世界と勝負できる産業のかたまりを」

小林鷹之氏は「日本各地に世界と勝負できる産業のかたまりをつくる。愛媛でいえば造船で、国がしっかりと投資し、世界一の造船立国・日本を愛媛からつくっていきたい。養殖のタイやミカンなど稼げる農林水産業も強化していく」と述べました。

林氏「お金を落としてもらう仕組みをつくる」

官房長官は「四国の『お遍路さん』はすばらしい観光資源だ。人口減少という現実がある中、伝統をしっかりアピールして人に来てもらい、お金を落としてもらう仕組みを農林水産業や観光を組み合わせてつくっていきたい」と述べました。

小泉氏「循環型の経済・社会を確立する取り組み進める」

小泉進次郎氏は「農業、漁業、林業で地方の活性化のためにできる限り循環型の経済と社会を確立していく取り組みを思い切って進めたい。地方あっての日本経済の活力を取り戻しダイナミズムを取り戻す」と述べました。

《地域の交通手段確保を》

海外や都市部とのネットワーク強化や地域の交通手段確保なども論点となりました。

上川氏「四国の空港の国際化や新幹線整備を」

上川外務大臣「愛媛のみかんや今治市のタオルを直接海外に輸出する拠点として、松山空港はじめ四国の空港の国際化を進める。四国だけ新幹線がないのはどう考えてももったいない。新幹線の整備を前向きに検討する」と述べました。

河野氏「規制改革で企業技術を最大限発揮できる国に」

河野デジタル大臣は「高齢化が進む日本で自動運転が実用化されて病院や買い物に車がひとりでに走って連れて行ってくれる社会を実現しなければならない。規制改革をして企業が持つ技術を最大限発揮できる国にしなければならない」と述べました。

9人は19日、東京で街頭演説を行います。

「国会議員票」1票増えて368票に

自民党総裁選挙は、高橋祐介氏の繰り上げ当選が決まったことから「国会議員票」が1票増え、368票となります。

これに伴い「党員票」も同数の368票となり、あわせて736票で争われることになる見通しです。

新しい総理大臣の指名選挙を行う臨時国会について自民党が来月1日に召集したいという意向を伝えたのに対し、立憲民主党は新政権の方針などをただす必要があるとして、衆参両院で代表質問に加え予算委員会で質疑を行うよう求めました。

岸田総理大臣に代わる新しい総理大臣の指名選挙を行う臨時国会について政府・与党は、9月27日に投開票が行われる自民党総裁選挙で新総裁が選出されたあと、来月1日に召集する方向で調整しています。

自民党の浜田国会対策委員長は18日、立憲民主党の安住国会対策委員長と国会内で会談し、1日に国会を召集したいという政府・与党の意向を伝え、9月24日に衆議院議院運営委員会の理事会を開き、正式に伝達したいと提案しました。

これに対し安住氏は新政権の方針などをただす必要があるとして、衆参両院で本会議での代表質問に加え予算委員会で質疑を行うよう求めました。

また安住氏は、政治資金収支報告書に不記載のあった議員の政治倫理審査会への出席を改めて求めるとともに、旧統一教会自民党との関係について新たな報道が出ていることを受けた再調査や国会への報告を求め、浜田氏は持ち帰って検討する考えを示しました。

このあと自民党の石井参議院国会対策委員長立憲民主党の斎藤参議院国会対策委員長が会談し、斎藤氏は予算委員会の開催に加え、コメの品薄を受けた農林水産委員会と、先の台風被害などを受けた災害対策特別委員会の閉会中審査を求め、引き続き協議することになりました。

自民 御法川国対委員長代理「野党側の要望 持ち帰って検討」

自民党の御法川国会対策委員長代理は記者団に「野党側から予算委員会を開いてほしいなどという要望があった。お互い代表選挙や総裁選挙の途中であり、持ち帰って検討することとなった」と述べました。

立民 安住国対委員長予算委員会党首討論を」

立憲民主党の安住国会対策委員長は記者団に対し「新たな総理大臣とわれわれの新代表が決まるので国民の前で与野党がしっかり議論すべきだ。衆議院が解散されるなどとも言われているが、短期間で質疑もせず解散するのではなく、国民に何を審判してもらうのか議論する場を設けるべきで、自民党のためにも予算委員会党首討論をやったほうがいい」と述べました。

その上で「解散するなら受けて立つが、『総裁選挙の議論を国民が聞いているから十分だ』と言うなら、それはおごりだ。旧統一教会や『裏金』の問題をどうするのか、方針を示した上で信を問わないと政治の正道を踏み外してしまう」と述べました。

公明党の山口代表の後任を選ぶ代表選挙が告示され、石井啓一幹事長のほかに立候補の届け出がなく、石井氏の初めての当選が無投票で決まりました。今月28日の党大会で正式に代表就任が承認され、公明党は15年ぶりに代表が交代することになります。

公明党は、今月28日の党大会で山口代表の8期目の任期が満了するのに伴い、退任の意向を示した山口氏の後任を選ぶ代表選挙を18日告示し、党本部で立候補の受け付けを行いました。

その結果、石井幹事長のほかに立候補の届け出がなく、無投票で石井氏の初めての当選が決まりました。

石井氏は衆議院比例代表北関東ブロック選出の当選10回で、66歳。

国土交通大臣や党の政務調査会長などを歴任し2020年から幹事長を務めています。

石井氏の代表就任は党大会で承認され任期は2年となります。

これによって公明党は15年ぶりに代表が交代することになります。

石井氏は記者会見で「連立政権の一翼を担いさまざまな政策を実現する先頭に立ち、粉骨砕身働く決意だ。中堅・若手や女性の登用を積極的に図りたい」と抱負を述べました。

また、衆議院選挙の時期について「投開票日は一番早ければ10月27日、11月10日もありうると想定している。準備をしなければ間に合わないので一応そこに焦点を当てている」と述べました。

石井啓一氏とは

公明党石井啓一幹事長は、衆議院比例代表北関東ブロック選出の当選10回で、66歳。

東京大学を卒業したあと、旧建設省の職員を経て1993年の衆議院選挙で初当選しました。

幅広い分野の政策に精通し、党の政務調査会長税制調査会長を歴任しました。

2015年から4年近く国土交通大臣を務め、頻発した災害の復旧・復興や、外国人観光客の誘致、それに森友学園の問題などの対応にあたりました。

そして、4年前に党の幹事長に起用され、山口代表の党運営を支えてきました。

自民党との選挙協力をめぐる協議にあたった際「東京における信頼関係は地に落ちた」と発言し、自民党から反発が出ましたが、両党はその後、選挙協力を復活させることで合意しています。

次の衆議院選挙は比例代表ではなく小選挙区から立候補することになっています。

毎朝4時台に起床し、朝食のみそ汁に焼いた餅を入れて食べるのを習慣にしています。

自身のSNSで地元の話題などを発信する際、だじゃれを織り交ぜるなどユニークな一面もあります。

山口代表 “力量は十分にある”

公明党の山口代表は記者団に対し「石井幹事長から『代表選挙に立候補します』という報告があった。石井氏は国土交通大臣や党の政務調査会長、それに幹事長を経験しており、力量は十分にあると思うので、大いに力を発揮し次の時代にふさわしい取り組みをしていただきたい」と述べました。

自民党に所属していた衆議院議員が辞職したことに伴い、3年前の衆議院選挙の比例代表の名簿から、高橋祐介氏の繰り上げ当選が決まりました。

3年前の衆議院選挙の比例代表北海道ブロックで当選した堀井学氏は、公職選挙法に違反して選挙区内の人に香典を渡していたなどの疑いで東京地検特捜部の捜査を受け、8月に議員を辞職しました。

これを受けて、18日に総務省で選挙会が開かれ、自民党の名簿から、高橋祐介氏の繰り上げ当選が決まりました。

高橋氏は44歳。

マーケティング会社の社員や衆議院議員の秘書を経て、3年前の衆議院選挙に立候補しましたが落選していました。

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