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トンガなどとの友好親善に取り組む2つの超党派議員連盟は19日、幹部が総理大臣官邸で松野官房長官と面会して、緊急の要請を行いました。

議員連盟の幹部は、今回の噴火で交通や通信インフラの障害に加え、火山灰などによる住民生活への影響が長期化する懸念があると指摘しました。

そのうえで、現地の被害状況を速やかに把握し、関係国と連携して人道支援や災害復旧など、最大限の支援を行うよう申し入れました。

これに対し、松野官房長官は、「トンガからも支援要請が来ており、しっかり応えたい」と話しました。

面会のあと、自民党の古屋政務調査会長代行は、「日本からアクションを起こすことが極めて重要で、人道支援はプッシュ型で速やかに行うべきだ」と述べました。

南太平洋・トンガの海底火山で日本時間の今月15日に発生した大規模な噴火で、気象庁は午後7時すぎに「多少の潮位の変化があるかもしれないものの被害の心配はない」と発表しました。

しかし、その後、国内各地の観測点で大きな潮位の変化が捉えられたほか、鹿児島県の奄美大島では津波警報の基準を超える高さの波が観測されるなどして、気象庁は日付が変わった16日未明に北海道から沖縄の広い範囲に津波警報や注意報を発表しました。

こうした経緯について、気象庁の長谷川長官は19日の記者会見で「気圧などの観測データから、地震に伴う津波ではないことが分かったものの、防災上の観点から津波警報の仕組みを使って呼びかけることにした。私たちがこれまで経験してこなかったような潮位の変化が表れ、その現象が何か分からないままどのように警戒を呼びかければよいか考えるのに時間を要したが、その時点の現場の判断としては最善だったと思う」と述べました。

一方で、情報の発表に時間がかかり住民や自治体の対応が遅れるなどしたことについて「情報を提供して皆さんの暮らしや命を守る立場からすれば残念に受け止めている」と述べました。

そのうえで、観測データなどを検証するほか専門家の知見も得ながら、潮位の変化がどのようなメカニズムで発生したのか、分析を進める方針を示しました。

また、今後も同様の現象が起きた場合、当面は津波警報の仕組みを使って情報を発信すると説明しました。

そのうえで、長谷川長官は「こうしたことが起こりえると学んだので、今度はできるだけ早い段階で警戒を呼びかけられるようにしたい」と述べ、津波と判断できない潮位の変化が観測された際の情報提供の在り方を検討する考えを示しました。

原子力規制委員会の石渡明委員は19日の定例会合で、トンガの海底火山で大規模な噴火が発生し、国内で1メートルを超える潮位の変化が観測されたことに触れ、「火山活動に伴って起きる津波は事例が非常に少なく貴重なケースだ。原発の規制に取り入れるべきものがあるか、調査や研究を早急に始めてほしい」と、事務局の原子力規制庁に伝えました。

その後の会見で、更田豊志委員長は「今回のケースは原子力施設への対策がすぐに必要ではないものの、めったにない事例なので、各機関の調査や分析に高い関心を寄せていきたい」と述べ、原発の安全規制に取り入れるべき科学的な知識や見解などがあるか規制委員会として確認していく考えを示しました。

規制委員会によりますと、原発の審査ではこれまで、火山活動に伴う津波として1883年にインドネシアのクラカタウ火山で発生したケースなど、4つの事例に基づいて電力会社などに安全対策を求めています。

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