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日産の元代表取締役、グレッグ・ケリー被告(65)は中東のレバノンに逃亡した元会長のカルロス・ゴーン被告(67)と共謀し、平成29年度までの8年間に、元会長の報酬を有価証券報告書にあわせて91億円あまり少なく記載したとして、法人としての日産とともに金融商品取引法違反の罪に問われました。

裁判でケリー元代表取締役側は、「未払いの報酬は存在せず、元会長や幹部たちと共謀した事実もない」と無罪を主張したのに対し、検察は懲役2年を求刑していました。

3日の判決で、東京地方裁判所の下津健司裁判長は、争点となっていた未払いの報酬があったかどうかについて「ゴーン元会長の報酬には支払い済みと未払いのものがあり、報告書にはうその記載がされていた」と認定しました。

そのうえで、起訴された8年度分の報告書の記載のうちケリー元代表取締役には平成29年度分のみ未払いの報酬に関する認識があったと認め、ゴーン元会長らとの共謀が成立するとして懲役6か月、執行猶予3年の有罪を言い渡しました。

一方、そのほかの7年度分については無罪と判断しました。

また、起訴された内容を認めていた法人の日産については、求刑どおり罰金2億円を言い渡しました。

ゴーン元会長の一連の事件のあと、日産自動車は経営の透明性を高めようと改革を進めました。

まず、経営トップへの権限の集中が不正を招いたとして「指名委員会等設置会社」に移行し、社外取締役が中心となって人事や報酬を決めるなど、ガバナンスの強化に取り組みました。

2019年12月には、辞任した西川社長の後任として内田誠社長が就任。

連合を組むルノー三菱自動車工業から役員を招き、COO=最高執行責任者とするなど、ゴーン元会長の時代とは異なる、いわば「集団指導体制」を発足させました。

一方、一連の事件のあと、会社の業績は大幅に落ち込みました。

ゴーン元会長は「拡大路線」のもとで車の販売台数を追い求め、なかでも主力のアメリカ市場では、値引きを軸に販売を伸ばす戦略をとっていました。

連合を組むフランスのルノー三菱自動車工業を合わせて一時期、販売台数は1000万台を超え世界2位となりました。

しかし、数を求めた「安売り」によって日産のブランドイメージは下がり、アメリカ市場では販売が低迷したほか、新車の投入も、他社と比べて遅れが目立つようになりました。

こうした販売不振に加えて、過剰となった生産設備を縮小するための損失も加わり、ゴーン元会長の事件が明るみになった翌年度=2019年度の決算は6700億円を超える最終赤字となりました。

そこで日産は事件を機に、経営戦略を大きく見直し、これまでの「拡大路線」から1台当たりの利益を増やす「量から質」への転換にかじを切ります。

スペインとインドネシアにあった工場の閉鎖のほか、生産する車種は20%、工場の生産能力も20%縮小する方針を打ち出しました。

2020年度は新型コロナウイルスの影響で、4400億円の最終赤字となりましたが、アメリカでの販売も持ち直し、今年度は2050億円の最終黒字を見込むなど、戦略の見直しの効果は徐々に現れ始めています。

最近では、脱炭素社会に向けて、今後5年間でEV=電気自動車などの開発に2兆円を投じる計画を打ち出すなど、電動車への転換にも力を入れています。

日産の元代表取締役、グレッグ・ケリー被告(65)は中東のレバノンに逃亡した元会長のカルロス・ゴーン被告(67)と共謀し、平成29年度までの8年間に、元会長の報酬を有価証券報告書に合わせて91億円余り少なく記載したとして、法人としての日産とともに金融商品取引法違反の罪に問われ、無罪を主張していました。

3日の判決で、東京地方裁判所の下津健司裁判長は「ゴーン元会長は元秘書室長と共謀して、報酬の総額から未払いの報酬を差し引いたうその報告書を提出していた」と指摘しました。

そのうえでケリー元代表取締役の関与について、罪に問われた8年度分のうち未払いの報酬額を書面で確認した平成29年度分に限り、元会長らとの共謀が成立すると判断し「日本の開示規則を無視して犯行に及んだ。有罪と認定できるのが1年度分とはいえ責任は軽視できない」として懲役6か月、執行猶予3年を言い渡し、そのほかの7年度分は無罪としました。

一方、事件については「ゴーン元会長が主犯だ」と指摘。

「本当の報酬が明らかになれば問題視されかねないため、高額な報酬を確保しつつ保身を図ろうとする私利私欲に基づくものだ。世界的にも著名な経営者が行った不正行為は経済界のみならず、社会全般に大きな衝撃を与えた」と非難しました。

また、日産には「組織全体で元会長への監視機能が形骸化し、事態を招いた」と指摘して罰金2億円を言い渡しました。

今回の事件は、4年前に日本で導入された「司法取引」の対象にもなりました。

「司法取引」には、ゴーン元会長の報酬を管理していた日産の元秘書室長ら2人が応じていて、検察が不起訴にした見返りに得た供述や書類などの証拠の信用性を裁判所がどのように判断するか注目されました。

判決では、元秘書室長の供述について「争点を検討する上で最も重要な証拠だ」としました。

その一方で、「有利な取り扱いを受けたいとの思いから検察官の意向に沿うような供述をしてしまう危険性やケリー元代表取締役を引き込んだりする危険性をもはらんでいる」と指摘し、「慎重に検討すべきだ」と述べました。

そして、ゴーン元会長の報酬の支払い方法などが書かれた文書にケリー元代表取締役の関与や認識があったとする元秘書室長の証言について判決は、「証言を裏付ける証拠が存在しない」などとして一部を認めませんでした。

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