テニス 元世界王者フェデラー 現役最後の試合でナダルと組む #nhk_news https://t.co/T4Bz9AMTyo
— NHKニュース (@nhk_news) 2022年9月24日
テニスの男子シングルスで四大大会20回の優勝を誇る元世界ランキング1位のフェデラー選手は、今月15日、自身のSNSでひざのけがを主な理由に現役の引退を表明しました。
フェデラー選手は23日、イギリスのロンドンで開幕した大会で、長年の最大のライバルとして数々の名勝負を演じてきたナダル選手とダブルスでペアを組み、現役最後の試合に臨みました。
対戦相手となったのはアメリカのジャック・ソック選手とフランシス・ティアフォー選手のペアで、第1セットは互いにサービスゲームをキープし合う展開から、フェデラー選手とナダル選手が息の合ったプレーを見せ、第10ゲームでブレークに成功して、6-4で取りました。
第2セットはタイブレークの末に6-7で奪われましたが、迎えた10ポイント先取のマッチタイブレークで、強烈なショットを決めるなどして3ポイントを先取すると、会場から大きな歓声が上がりました。
ところが、徐々に相手の力強いショットに押され、9-11で落として敗れました。
試合が終わると、会場からフェデラー選手に大きな拍手が送られ、涙を浮かべて抱き合ったメンバーがフェデラー選手の労をねぎらいました。
試合のあと、コート上では引退セレモニーが行われ、フェデラー選手は「すばらしい一日だった。幸せな気分で、悲しくはない。こうして試合を終えられたことが、本当にうれしくてこれ以上の幸せはない」と現役最後の試合を振り返りました。
そして「テニスをして、友達と過ごすのがただ幸せで、選手としてテニスを続けてきたこの24年は、完璧な旅だった。もしできるなら、もう一度、同じ旅をしたい。多くのファンに支えられ、また、家族の理解とサポートなしにはこんなにも長くテニスを続けることはできなかった。皆のおかげですばらしい夜を過ごすことができた。本当にありがとう」と涙を浮かべながら、感謝のことばを述べました。
最後は、満員の観客から大きな歓声と拍手に送られ、会場をあとにしました。
スイスのロジャー・フェデラー選手は41歳。
テニス男子の元世界王者で、四大大会20回の優勝を誇ります。
片手打ちのバッグハンドやサーブからの速攻を武器に、どんな局面でも抜群の強さを見せるオールラウンダーとして数々の記録を打ち立て、スペインのラファエル・ナダル選手やセルビアのノバク・ジョコビッチ選手、それに、イギリスのアンディ・マレー選手とともに男子テニス界の「ビッグフォー」に数えられ、長年、スター選手として活躍しました。
フェデラー選手は2003年、21歳の時にウィンブルドン選手権で初めて四大大会を制し、その後、4年半にわたって歴代最長となる237週連続で世界ランキング1位を守ると、2009年には、四大大会をすべてを制する「生涯グランドスラム」を達成します。
その後は、2016年に左ひざのけがのため、シーズンのおよそ半分を欠場しましたが、およそ1年後、2017年のウィンブルドン選手権で男子最多となる8回目の優勝を果たし、「芝の王者」と呼ばれました。
さらに、2018年には36歳で全豪オープン大会2連覇を達成するとともに四大大会20回目の優勝を果たしました。
また、オリンピックでは2008年の北京大会の男子ダブルスで金メダル、2012年のロンドン大会の男子シングルスで銀メダルを獲得しています。
おととし、右ひざの手術をして去年3月に復帰しましたが、その年の全仏オープンは4回戦で棄権、続く、ウィンブルドン選手権は準々決勝で敗れ、その後、ツアー大会から遠ざかっていました。
フェデラー選手とラファエル・ナダル選手は、長年にわたり、最大のライバルとして数々の名勝負を演じてきました。
2人は、2004年の大会で初めて対戦し、当時17歳のナダル選手が勝利を収めると、その後、15年以上、ライバル関係が続きます。
2010年までの6年間に行われた、24回の四大大会のうち、フェデラー選手の優勝は12回、ナダル選手は9回で、決勝での直接対決は7回に上りました。
このうち、2008年のウィンブルドン選手権の決勝は5時間に迫る接戦の末、ナダル選手に大会6連覇を阻まれますが、それ以来となるウィンブルドン選手権での対決となった2019年の準決勝では、フェデラー選手が2人の最後の対決を制しました。
フェデラー選手は4年前、36歳で四大大会の男子シングルスの優勝回数を20に伸ばし、ナダル選手は36歳になったことしの全仏オープンで、優勝回数を22まで伸ばしています。
ナダル選手はフェデラー選手が今月15日に引退を表明したあと、自身のSNSで「友でありライバルよ、この日が来ないことを願っていた。個人的にも、世界のスポーツにとっても悲しい日だ。この数年間、コート上でもコート外でもたくさんのすばらしい瞬間を共有できたことは、喜びであると同時に光栄なことで特権でもあった」とつづりました。
フェデラー選手は23日、ロンドンで開幕した大会を現役最後の舞台に、24年のキャリアを終えました。
この大会は、6人のトッププレーヤーでつくる、欧州選抜と世界選抜のチームによる対抗戦、レーバーカップです。
ことしの欧州選抜には、フェデラー選手のほか、スペインのラファエル・ナダル選手やノバク・ジョコビッチ選手、それにアンディ・マレー選手の「ビッグフォー」が一堂に会したほか、ギリシャのステファノス・チチパス選手、ノルウェーのキャスパー・ルード選手が出場しています。
一方、世界選抜には、ことしの四大大会の全米オープンで初めてベスト4入りしたアメリカのフランシス・ティアフォー選手や、世界ランキング12位のテイラー・フリッツ選手などが出場しました。
大会は3日間で、シングルスとダブルスの試合が行われ、先にポイントを多く獲得したチームが勝利します。
これまでの4回の大会では、いずれも欧州選抜が勝利を収めました。
フェデラー選手は大会前の記者会見で、現役最後にこの大会を選んだ理由について「ウィンブルドン選手権など多くの勝利をあげてきたロンドンは、私にとって特別な場所だ。最後は個人が争うトーナメント戦ではなく、チーム戦がぴったりだと思った。皆と特別な時間を過ごすことを楽しみにしている」と話していました。
テニス=ワクチン未接種で四大大会欠場のジョコビッチ、「悔いなし」 https://t.co/0uzredvvrJ
— ロイター (@ReutersJapan) 2022年9月24日
男子テニスで元世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ(35、セルビア)は、新型コロナウイルスのワクチンを未接種であることから今年の四大大会のうち2つを欠場したことについて「悔いはない」と語った。
四大大会21勝を誇るジョコビッチは昨年の全豪、全仏、ウィンブルドン選手権で優勝したが、ワクチン未接種だったため、今年の全豪と全米には出場できなかった。
ジョコビッチは22日に記者団に対し、「悔いはない。もちろん、プレーできなくて悲しいという気持ちはあるが、それは自分の決断によるものだ。どんな結果が待ち受けているのかは分かっていたので、受け入れた。それだけだ」とコメント。
また、強制送還となったことで、オーストラリアに関しては3年間の入国禁止となっていることについては「知らせを待っている。現時点では自分でどうにかできることではない。近いうちに何か前向きな知らせが聞ければいいと願っている」と話した。
#スポーツ