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カタール欧州議会関係者に金品を提供し、意思決定に影響を及ぼしていたとの疑惑発覚を受け、欧州連合(EU)外相らは12日、EUの信頼性が危機に瀕していると警告した。

関係筋によると、ギリシャは12日、週末にベルギーで逮捕・起訴された4人のうちの1人である欧州議会副議長のエバ・カイリ氏の資産を凍結した。

この件に関して、カイリ氏の事務所はロイターのコメントの要請に応じていない。カタールはいかなる不正行為も否定している。

ベルギー検察当局は9日、ブリュッセルで16カ所を捜索し、現金60万ユーロ(63万1800ドル)を押収。11日に声明で、4人の容疑者を「犯罪組織への参加、マネーロンダリング汚職」の罪で起訴したと発表した。

検察当局は4人の氏名は明らかにしなかったが、欧州議会は週末、カイリ副議長の職務を停止したと発表。ギリシャ全ギリシャ社会主義運動(PASOK)はカイリ氏を党から除名すると明らかにした。

関係筋によると、他の3人は欧州議会元議員のピエール・アントニオ・パンツェリ氏、国際労働組合総連合(ITUC)のルカ・ビセンティーニ書記長、カイリ氏のパートナーのフランチェスコ・ジョルジ氏。いずれもイタリア国籍という。

ベルギー検察当局は、湾岸地域のある国が欧州で影響力を得るために金品を提供しているのではないかと数カ月前から疑っていた。関係筋はその国はカタールだとしているが、カタール政府関係者は週末「カタール政府と報道された主張との関連は、根拠がなく、重大な誤報だ」として、疑惑を否定した。

また、ロイターが確認した文書によると、ベルギー当局はイタリア国内にいるパンツェリ氏の妻と娘の逮捕状を取った。同氏はカタールとモロッコから金銭を受け取って欧州議会で影響力を行使しようとした疑いがあり、妻と娘もそれを認識していたという。

ロイターはベルギーのそれぞれの事務所や自宅に電話や電子メールで取材を試みたが、返答は得られていない。

ドイツのベーアボック外相は「欧州の信頼性に関わる」事件とし、「法の力を尽くして完全に解明する必要がある」と述べた。

カタールは現在、サッカー・ワールドカップ(W杯)を開催中。同国が移民労働者の扱いを含む人権問題で非難される中、当局の捜査が行われた。

カイリ氏は先月21日に欧州議会で行った演説で、カタールについて「労働者の権利におけるフロントランナー」と称えていた。

欧州委員会のフォンデアライエン委員長は、今回の事件を「最大の懸念」と表現し、全てのEU機関を対象とする独立倫理機関の設立を求める欧州委の提案を強調した。

欧州議会は13日、代表者の緊急会議を開催し、サッカー・ワールドカップ(W杯)開催国のカタールから金品を受け取ったとして逮捕されたエバ・カイリ副議長を解任することを決めた。

ロベルタ・メツォラ欧州議会議長が明らかにした。13日中に議会本会議で採決を行う。

カイリ氏は14人いる副議長の一人。弁護士によると、不正行為を否定している。この事件では、同氏を含む4人が逮捕・起訴された。

カイリ氏の弁護士はオープンTVで「彼女は無実を訴えている。カタールから断じて何も受け取っていないというのが彼女の立場だ」と述べた。

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