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堀江 僕は基本的に学校教育って、いまの時代には全く不適合だと思っているんですね。

堀江 でもね、別に学校行かなくても、学力という意味で言ったら自習でいいわけじゃないですか。自習をして、それこそメンター的な人に会えるようにしておけば、それでいい。

東大の先端科学技術研究センターには、変な奴らを集めたクラスみたいなのがあって。メンターとかにたまに会えて、「こういうことやったらいいよ」って言われるだけで「あとは学校なんか行かないよ」みたいな人たちがいるそうです。

俺はそういう人って、結構な人数いると思うんですよ。そういう人をのびのびと伸ばすだけでも全然違う。いまなんて学校に行ったら「給食の時にマスクして黙って食いなさい」みたいな感じですから。耐えられないと思うんですよね。

和田 おっしゃる通りですよ。名前は発達障害だけど、いまの考え方だとそれを「ダイバーシティ」だって言ってるわけだから。

人間の脳には「2つの脳」のパターンがあるとされています。1つが「共感脳」っていって、他人とうまくコミュニケーションをとったり、合わせたり、人の気持ちがわかるの。もう1つが「システム化脳」っていって、何かあったときに「システムがどんな風な仕組みになっているのか」ばかり興味を持ってしまう脳。

「共感脳」が全然ダメで、「システム化脳」がすごい人たちが自閉症になるらしいのね。でも、そういう人たちの方が天才として活躍する。両方の脳を持っている人もごく稀にいるんだけども、多くの人は「共感脳」で、言ってみれば日本的、文系的な人たちです。でも、「共感脳」ばかりが世の中を牛耳っているのはマズいんじゃないのって思うんです。

堀江 「共感脳」の人たちが(システム化脳の人のことを)わからないだけだと思うんですよ。だって、見た目は一緒じゃないですか。見た目が一緒だから、そんな考えになるってことが、まったく想定されていない。

和田 おっしゃる通りで、「共感脳」の人たちというのは、世の中の暗黙のルールみたいなものにわりと素直に順応できちゃう。「システム化脳」のとんがった考え方っていうか、「世の中にはこんな風な仕組みがあるはずだ」とか、「この考え方はおかしい」とかって思っている人のことを、わからないんだと思うんだけど。

和田 だけど例えば全国に82の国公立の医学部があってね、医学部の中で「入試面接」をやらない学校がなくなっちゃったんですよ。そうすると医者でも、「共感脳」の人たちがすごい多くなるんですね。彼らはこれが正しいと決めたら「血圧下げろ」だの、「塩分摂るな」だの、何でもかんでも決めてかかってくる。

堀江 じゃあ、「システム化脳」の人たちどこに行ってるんですか?

和田 僕がYouTubeで見た限りでは、東大の理3の面接で落とされた子は、慶應に受かったって言っていましたね。

早稲田の同じクラスには、慶應に「面接で落とされた」って奴が2〜3人いた。
その時初めて、慶應に面接があることを知った。

堀江 脳の問題の何が難しいかって言うと、見た目でわからないんですよ。例えば「境界性知能」の人っていうのが、結構いるんですよね。ちょっと前ぐらいにTwitterとかで話題になっていたと思うんですけど。

要はIQ60以下とかの人たちの“ちょっと上”ぐらい。IQ85~60ぐらいの人たちが「境界性知能」って言われていて、障害者手帳ももらえないし、知的障害とも認定されないので、普通に社会で生活しているんです。知的障害は1%ぐらいしかいないらしいんですけど、境界性知能は10%以上いるらしくて。

和田 なるほど。まあよく言いますよね。ほら、少年犯罪をやった人たちには比較的そういう人たちが多いらしくて。ハサミが使えないとかさ、実は知的な問題が見過ごされているっていう解説を書いたことがあるんだけど。

堀江 もちろん犯罪に走る人たちもそういう人たちが実はめちゃくちゃ多いですし、僕は実際に刑務所にいたので、(境界性知能の人たちが)いっぱいいましたよ。

でも、それわからないじゃないですか。一見すると普通に喋れるし。その「境界性知能」はともかくとして、僕が最近ここ2~3年で一番衝撃だったのは、文字が読めない人が相当いるということです。だからここをどうするか問題っていうのは結構あって。

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