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特殊詐欺の被害額は去年、361億円余りに上り、2014年以来の増加に転じたことなどを踏まえ、警察庁は、犯行の通信手段を調査するなど、手口を分析し、対策をまとめました。

それによりますと、去年、全国で確認された詐欺や、その疑いのある電話のうち、発信者の番号が判明したものは、合わせて1万9843件でした。

固定電話からの発信は8418件あり、このうち8割にあたる6655件が電話の転送サービスを悪用して、本来の発信元を隠す手口が使われていたということです。

都内の「03」から始まる番号が多く、別の地域からの電話を転送させて、都内からかけているように装っているとみられ、警察庁は、電話機に表示される番号を見た高齢者などを信用させるねらいがあると分析しています。

電話の転送サービスの事業者は、利用者に対する本人確認が求められていますが、確認書類が精巧に偽造され見抜けないこともあるため、警察庁は、ICチップのデータを使って確認する方法などを検討し、対策を強化すべきだとしています。

このほか、詐欺の電話で実際に被害を受けた人にかぎって分析すると、97%が「固定電話」を使っていたことも分かり、履歴を残す機能の設定や、番号表示機能の有料契約などは高齢者の負担にもなっているため、軽減に向けた取り組みを進めるべきだとしています。

警察庁によりますと、発信者の番号が判明した詐欺やその疑いのある電話のうち、固定電話に次いで多かったのが、インターネット回線を使う「IP電話」で、去年、合わせて7281件ありました。

このIP電話についても、「03」から始まる番号を表示させるなどして発信元を隠す手口が多く使われているということです。

また、警視庁によりますと、カンボジアで摘発され、特殊詐欺に関わった疑いで日本人19人が逮捕された事件でも、IP電話を使って詐欺の電話をかけていた疑いのあることが分かったということです。

押収したスマートフォンには、IP電話専用のアプリがインストールされていて、電話の相手に「03」や「06」で始まる番号が表示されるようになっていたということで、警視庁がさらに詳しく調べています。

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#法律(特殊詐欺・カンボジア