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— ブルームバーグニュース (@BloombergJapan) December 10, 2023
今年最後の政策決定
インフレサイクルがどのように転換しているのか不安がある中、今週は世界の主要中央銀行が今年最後の金融政策決定を下す。米連邦公開市場委員会(FOMC)は政策金利を約20年ぶり高水準で据え置くと広く予想されている。積極的な利上げサイクルの遅行効果を精査するもようだ。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は記者会見で、インフレでの進展と根強い物価圧力のリスクの両方を認めるだろう。欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は、4月に0.25ポイントの利下げを実施するとの市場の期待を抑えようと試みる見通し。イングランド銀行(英中銀)は3会合連続で金利を据え置き、インフレとの闘いは全く終わっていないと警告する見込みだ。次の大きな問題に直面
米経済と金融市場が来年に直面する最も重要な問題は米金融当局が利下げに踏み切るかどうかではなく、その理由だ。FOMCがインフレの鈍化と足並みをそろえて金利を引き下げるなら、経済にとっても投資家にとっても朗報だ。それはソフトランディングを達成しようとしていることを意味する。しかし景気の劇的な悪化、リセッション入りやそのリスクが理由であれば、話は別だ。その場合は失業率が著しく上昇し、企業利益が打撃を受けることが示唆される。KPMGのチーフエコノミスト、ダイアン・スウォンク氏は「利下げを望むのは景気が鈍化し、インフレが減速したからであって、リセッション入りしたからではない」と述べた。AI関連利益の成長が鍵
S&P500種株価指数の命運は、一部大手ハイテク企業が人工知能(AI)への投資を一段の利益成長につなげられるかどうかに今後ますます左右されそうだ。今年はマイクロソフトやエヌビディアを含む7社が、S&P500種の上昇全体の約4分の3をもたらした。AIが経済全体に広く影響を与え得るという投資家の強い期待が背景にある。バリュエーションは高く、それら企業は、予想PER平均32倍で株価が推移。上昇を続ける株価に込められた業績期待を実現するよう、企業に対する圧力が強まりつつある。AIの包括規制案で合意
欧州連合(EU)は、AIに関する規制案で合意に達した。西側諸国で最も包括的なAI規制になる見通し。欧州委と欧州議会、EU加盟27カ国の代表らは今週、37時間を超える交渉の末、米オープンAIの「ChatGPT」やグーグルの「Bard」などの生成AIツールに対する一連の規制に合意。欧州委のブルトン委員(域内市場担当)によれば、交渉者らはセーフガードと適用除外を条件に顔のライブスキャンを一部認めることで合意した。政治的・宗教的信条や性的指向、人種など慎重に扱うべき特徴によって人々を分類する生体スキャンは禁止される。取引増見込みデスク強化
ゴールドマン・サックス・グループやシティグループなどの銀行は、カーボントレーディングやファイナンスのデスクを強化している。ドバイで開催された国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)でカーボンオフセット市場が新たな息吹を得る中、ディールメーキングの到来を想定しており、獲得を目指し態勢を整えている。こうした銀行は二酸化炭素(CO2)隔離プロジェクト開発への資金提供やクレジット取引などに目を向けているほか、財政力に乏しい新興国市場のプロジェクトを支援することにも力を入れている。
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