https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com

財務省が10日発表した国際収支速報によると、2023年度の経常収支は25兆3390億円の黒字だった。貿易赤字が縮小する一方で企業の投資収益が大幅に増え、年度の累積黒字額は過去最大となった。黒字拡大は本来なら円高要因とされるが、逆に円安が進み、海外での稼ぎが還流しにくい現状を印象付ける格好となった。

経常黒字は2年ぶりに増加し、黒字額は比較可能な1985年度以降で最大だった2007年度(24兆3376億円)を上回った。22年度からは黒字が16兆2604億円増えた。

経常収支のうち貿易収支は3兆5725億円の赤字で、前年度から赤字幅を縮小させた。原油など資源価格の高騰で前年度は赤字が膨らんでいた。23年度は輸出額が前年度比2.1%増の101兆8666億円だったのに対し、輸入額は10.3%減の105兆4391億円だった。

第1次所得収支は35兆5312億円に膨らんだ。

ただ、専門家からは「中長期的に黒字を確保していく姿は円の信認を維持するうえで大事だが、直接投資収益の黒字のうち半分程度が海外への再投資に回っており、経常黒字が過去最大になっても短期的には円高要因になりにくい」(SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミスト)との声が出ている。

<3月黒字額は予想と一致>
併せて発表された24年3月の経常収支は3兆3988億円の黒字だった。貿易収支が黒字となったことを受けて前年同月に比べて黒字が膨らんだ。
ロイターが事前に実施していた予測中央値は3兆4896億円の黒字で、公表された黒字額は予想とほぼ一致した。


日本が海外との貿易や投資でどれだけ稼いだかを示す昨年度1年間の経常収支は、自動車の輸出が伸びたことなどから25兆円余りの黒字で過去最大の黒字額となりました。

財務省が発表した国際収支統計によりますと、昨年度1年間の経常収支は、25兆3390億円の黒字となりました。

前の年度より16兆2604億円増え、比較できる1985年度以降で最も大きい黒字額となりました。

このうち「貿易収支」は、原油などのエネルギー価格の高騰が一服して輸入額が減少した一方、半導体の供給制約が緩和して自動車の輸出が増えたことなどから赤字額が大幅に縮小しました。

日本企業が海外の子会社から受け取った配当や利子などの稼ぎを示す「第一次所得収支」は、35兆5312億円の黒字と、外国の債券の金利上昇や円安の影響で前の年度より2162億円増えて過去最大を更新しました。

あわせて発表されたことし3月の経常収支は、石炭やLNG液化天然ガスの輸入額が減少したことなどから3兆3988億円の黒字でした。

黒字は14か月連続となり、3月としては過去最大となりました。

国債や借入金などをあわせた政府の債務、いわゆる“国の借金”は、ことし3月末の時点で1297兆円余りと過去最大を更新し、財政状況は一段と厳しくなっています。

財務省によりますと、国債と借入金、それに政府短期証券をあわせた政府の債務、いわゆる“国の借金”はことし3月末の時点で1297兆1615億円と8年連続で過去最大を更新しました。

去年3月末と比べた1年間の増加額は26兆6625億円となり、財政状況は一段と厳しくなっています。

昨年度は防衛費や社会保障費が増えたことに加え、ガソリン補助金低所得者世帯への給付金など、物価高対策を盛り込んだ13兆円を超える補正予算を編成した結果、国債の発行が積み重なりました。

内訳は国債が1157兆1009億円、短期的な資金繰りのために発行する政府短期証券が91兆4993億円、借入金が48兆5613億円となっています。

今年度は予算総額が2年連続で110兆円を超える規模となったほか定額減税の実施などもあって、新たな国債を35兆円余り発行する計画となっています。

働く人に景気の実感を聞く先月の景気ウォッチャー調査は、円安が続く中、物価の上昇による消費の押し下げや原材料高による企業の負担を懸念する声が寄せられ、景気の現状を示す指数が2か月連続で前の月を下回りました。

内閣府は、働く人たち2000人余りを対象に毎月、3か月前と比べた景気の実感を聞いて指数として公表しています。

先月の調査では、景気の現状を示す指数が47.4となり、前の月を2.4ポイント下回って、2か月連続で低下しました。

調査の中では、東海地方の飲食店からは「円安を受けた値上げの影響が大きく、購入量が減少している」といった声や中国地方の製造業から「円安や物価高の影響でコストが上がっているが、すべてを販売価格には転嫁できていない」といった声が寄せられています。

こうしたことを踏まえ、内閣府は景気について「緩やかな回復基調が続いているものの、このところ弱さがみられる」という見方に下方修正しました。

また、2か月から3か月先の景気の先行きを示す指数は、前の月より2.7ポイント低い48.5と2か月連続で低下しました。