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韓国軍は、北朝鮮が先月末に続いて再びごみや汚物をぶら下げた多数の風船を韓国側へ飛ばしたと明らかにしました。韓国のシン・ウォンシク国防相は「稚拙で低レベルな行為だ」と北朝鮮を非難し、直ちにやめるよう求めました。

韓国軍の合同参謀本部は、北朝鮮が1日夜8時ごろから、ごみや汚物をぶら下げた多数の風船を韓国側へ飛ばしたと発表しました。

それによりますと、首都ソウルや近郊のキョンギ(京畿)道でおよそ90個の風船が確認され、ぶら下がっていたのはたばこの吸い殻や紙くずなどだったということで、落下物に注意するとともに発見した際は軍や警察に通報するよう、市民に呼びかけています。

北朝鮮は先月末にも、ごみや汚物をぶら下げたおよそ260個の風船を韓国側へ飛ばしていて、ソウルの日本大使館が入るビルの屋上でも見つかっていました。

韓国のシン・ウォンシク(申源※シク)国防相は1日、シンガポールで開かれているアジア安全保障会議での演説で「稚拙で低レベルな行為だ」と北朝鮮を非難し、直ちにやめるよう求めました。

このほか、韓国の通信社、連合ニュースは、北朝鮮が1日まで4日続けて、朝鮮半島西側の黄海GPSの作動を妨害する電波を発信したと伝えています。

韓国政府は「北の最近の挑発を非常に重く見ている」として、挑発が続けば対抗措置も辞さない考えを示しています。

※「シク」は「さんずい」に「是」

北朝鮮がごみや汚物をぶら下げた風船を韓国側に飛ばすなどの挑発行為を続けていることを受けて、韓国大統領府が会議を開き、「北が耐え難い措置に着手する」という方針を確認しました。大統領府高官は、2018年から中止されている軍事境界線近くでの大音量のスピーカーによる北朝鮮に向けた宣伝放送の再開も排除しないとしています。

北朝鮮は、5月27日に軍事偵察衛星の打ち上げに失敗して以降、ごみや汚物をぶら下げた多数の風船を韓国側へ飛ばしたり、朝鮮半島西側の黄海で6月2日まで5日連続でGPSの作動を妨害する電波を発信したりする挑発行為を続けています。

このうち風船は、6月1日夜から2日にかけてもソウルなどで700個余りが確認され、軍や警察などが回収にあたりました。

これを受けて、韓国大統領府は6月2日午後、緊急のNSC国家安全保障会議を開いて対応を協議し、「北が耐え難い措置に着手する」という方針を確認しました。

大統領府高官は、軍事境界線近くに大音量のスピーカーを設置して北朝鮮に向けて行う宣伝放送について「再開も排除しない」としています。

宣伝放送は、韓国のニュースや音楽、それに人権の重要性などを北朝鮮の住民や軍人に向けて大音量で流すもので、2018年の南北首脳会談にあわせて中止されています。

北朝鮮はこのところ、韓国をはじめ国外からの文化の流入に警戒を強めていて、宣伝放送が再開されれば、さらに反発を強める可能性もあります。

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