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フィリピン当局は、南シナ海のサビナ礁で中国船の監視にあたっていた自国の巡視船が、中国海警局の船から衝突されたと発表し、非難しました。一方、中国当局はフィリピン側が「危険な方法で故意に衝突した」と主張し、両国の間で一段と緊張が高まっています。

フィリピン沿岸警備隊は8月31日、南シナ海の南沙諸島、英語名スプラトリー諸島にあるサビナ礁で、日本からおととし供与された大型巡視船が中国海警局の船に衝突されたと発表しました。

フィリピン沿岸警備隊は衝突時の映像を公開し、巡視船の前方を中国海警局の船が横切りながら接触したあと、数分後に、同じ船が巡視船の後方に回って再び接触したと説明しました。

さらにその後、この海警局の船が巡視船の側面にへさきから突っ込んで船体が損傷したと主張し、中国側を非難しました。

一方で、中国海警局は報道官の談話を発表し「フィリピン側が危険な方法で正当な法執行を行っていた海警局の船に故意に衝突した。責任は完全にフィリピン側にある」と主張しています。

フィリピン当局はサビナ礁で中国側の埋め立ての兆候を確認したとして、ことし4月からこの巡視船を派遣して監視にあたっていますが、この巡視船に衝突があったのは初めてです。

中国側はフィリピン側の埋め立てに関する主張には「科学的に根拠がない」と反論し、巡視船の撤収を求めていますが、フィリピン当局は停泊を続けるとしていて、両国の間で一段と緊張が高まっています。

#中比（南シナ海・サビナ礁・比巡視船中国海警局船衝突）

南シナ海のサビナ礁でフィリピンの巡視船と中国海警局の船が、衝突したことについて、マニラ駐在の日本大使とアメリカ国務省が懸念や非難を表明し、フィリピンを支持する立場を示しました。

南シナ海のサビナ礁では、8月31日、日本から供与されたフィリピンの大型巡視船と中国海警局の船が衝突し、フィリピンの沿岸警備隊は、海警局の船が突っ込んで船体が損傷したと中国側を非難しました。

これに対し、中国海警局は、フィリピン側が「危険な方法で故意に衝突した」と主張するなど、緊張が一段と高まっています。

これについて、フィリピン駐在の日本の遠藤和也大使は「中国海警局の船によるきのうのフィリピンの船舶への衝突を含む、繰り返される衝突を深刻に懸念している」と、SNSに投稿しました。

その上で「日本は、力や威圧によるいかなる一方的な現状変更の試みにも反対する。日本は、フィリピンと共に立ち、海洋における法の支配を支持する」としています。

さらに、アメリカ国務省のミラー報道官も8月31日に声明を発表し「アメリカは同盟国のフィリピンを支持し、フィリピンの合法的な海上活動に対する中国による、危険でエスカレートする行動を非難する」としています。

そして中国側の船がフィリピン側の船に、3度にわたり故意に衝突したとしたうえで「陸地が存在しない海域での中国による領有権の不法な主張や、攻撃的な行動は、すべての国の航行と飛行の自由を脅かしている」として中国に自制を求めました。

#日中（南シナ海・中比）
#外交・安全保障

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