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自民党の総裁選挙は12日、告示されます。

11日は上川外務大臣が立候補するにあたって記者会見しました。

上川氏「難問から逃げず国民と新たな日本を築きたい」

上川外務大臣は午後、東京都内で記者会見しました。

この中で上川氏は外務大臣として『一意専心』、職務を遂行することに全力を注いできたが、岸田総理大臣が総裁選挙への不出馬を表明したことを受け、熟慮の末、決断した。総理大臣として難問から逃げず国民と新たな日本を築きたい」と述べました。

その上で「政治と縁のない家庭に生まれ育ったからこそ国民目線でその声に耳を傾け応えていきたい。声なき声や届きにくかった女性や子どもたち、あるいは犯罪被害者の声をしっかり受け止めてきた。『日本の新しい景色』をぜひ一緒につくりたい」と強調しました。

そして外務大臣としてウクライナなどを訪れた経験に触れ「あらゆる厳しい現場を訪れ難しい決断もしてきた。私以外にはできない重い決断もあり、わが国の法の支配を守り世界にその大切さを伝えた」と述べました。

政策面では物価高対策や賃上げ、農林水産業の抜本強化や地域産業の活性化、それに国際連携の推進などに取り組む考えを示しました。

さらに交通網や通信網などのネットワークの整備を進めるとした上で、2027年以降となっている品川・名古屋間の「リニア中央新幹線」の早期の開業を目指す考えを示しました。

会見前に岸田首相に立候補を報告

上川氏は午前10時半ごろからおよそ10分間、総理大臣官邸で岸田総理大臣と会談し、自民党総裁選挙に立候補することを報告しました。

会談後、上川氏は記者団に対し「岸田総理大臣からは『頑張ってほしい』と大変大きな励ましの言葉をいただいた」と述べました。

その上で「白いキャンバスに皆さんの希望や思いを描き、新しい景色として一緒につくっていきたいという思いを込めて、このあとの記者会見に臨みたい」と述べました。

石破氏「愛の告白のように全身全霊で気持ち届ける」

石破元幹事長は午後、都内でみずからを支援する議員の国政報告会であいさつし「自民党は自由かったつに議論できる公平、公正で謙虚な政党でなければならないことを、われわれは忘れているのではないか。今さえよければいいのではない。自分たちさえよければいいのではない。一人一人が幸せを実感できる日本をつくるため全身全霊で最後の戦いの総裁選挙を勝ち抜いていく」と決意を述べました。

また石破氏はSNSに投稿する動画の撮影を行い、総裁選挙で掲げている政策に込めた思いなどを語りました。

このあと記者団に対し「どうすれば心に響くかを考え、原稿を読むことは一切しない。愛の告白でも全身全霊でやらないと相手に伝わらない。それと同じつもりでやっており、党員に『自民党を支えよう』と思ってほしいという気持ちが届けばよい」と述べました。

石破氏の陣営は午前、国会内で選挙対策本部の会合を開き、衆参両院の国会議員17人が出席しました。

この中で石破氏は「いよいよ明日から選挙戦だ。ここまで来られたのは同志の皆さんや全国の多くの方々の支援のおかげだ。自分たちのためではなく日本のために選挙を勝ち抜くという信念のもと次の時代のために全力を尽くす」と決意を述べました。

また、選挙対策本部長を務める岩屋元防衛大臣は「政策発表の記者会見であらゆる角度からの質問によどみなく適切に答えている姿を見て『やはり石破氏しかいない』と確信した。日本の未来を守るため石破氏を勝たせよう」と呼びかけました。

そして、会合では党員の支持拡大に向けて地方議員らへの働きかけを強化していくことなどを確認しました。

加藤氏 「国民の所得倍増 あすも思いを伝えたい」

自民党の加藤元官房長官は午後、報道各社のインタビューで「『国民の所得倍増』を実現するために立候補を表明したので、告示日のあすも思いを伝えたい」と述べました。

その上で総裁選挙の公約として掲げる給食費や子どもの医療費、それに出産費用の無償化について1年ほどで方向性を示し3年程度で実施したいという考えを示しました。

また、安定的な皇位継承のあり方をめぐって「わが国の皇位は男系で継承されてきており、これはしっかり守っていくことを基本に、具体的に早期に答えを出していくべきだ」と述べました。

小泉氏「野田氏に推薦人になってもらう話で合意」

小泉進次郎氏は新潟県長岡市のコメ農家を訪れ、稲刈りを体験したあと新米で作られたおにぎりを味わいました。

このあと小泉氏は記者団に対し「コメ不足ということで多くの反響があるが、農家から『もう大丈夫だ』という声を聞き安心材料につながったと思う。将来を見据えた海外展開や農家の手取りが上がるような取り組みも進めたい」と述べました。

一方、野田聖子氏が立候補を断念する方向となったことについて「野田氏からは人口減少対策と少子化対策の取り組みを最年少の私に託すと言っていただいた。野田氏には推薦人になってもらいたいという話をして合意している」と述べました。

野田氏 立候補を断念 小泉氏の推薦人に

野田氏は午後、国会内で記者会見し「仲間とともに出馬に向けて一生懸命取り組んできたが、残念ながら推薦人20人に届かず立候補を断念することを報告する」と述べました。

その上で「ほかの陣営との合流などを模索する中で、小泉氏本人から何度も電話をもらい『しかるべき立場で陣営を補強してほしい』という趣旨の話があった。仲間と相談して受けることにした」と述べ、小泉氏の推薦人になり支援する考えを示しました。

そして「小泉氏の申し出を受ける大きな要素は『選択的夫婦別姓』について1年以内に決着を付けると明言したからだ。人口減少対策や少子化対策などでも力を合わせたい」と述べました。

河野氏予備自衛官 活用し新たな災害対応部隊を」

河野デジタル大臣は旧ツイッターの「X」にコメントを投稿し、自衛隊の災害対応をめぐって「大規模な災害があると訓練を中止して災害対応にあたることも多く、必要な練度を身につけられない」と指摘しました。

その上でふだんは企業などに勤務する予備自衛官」を活用した新たな災害対応部隊を創設するべきだという考えを示しました。

これについて河野氏は記者団に対し「演習や訓練を中止して災害対応にあたることが繰り返されれば自衛隊の国防の練度は下がって大きな問題になる。対応するひとつのモデルとして提案した」と述べました。

また河野氏は「大学入学共通テスト」について「X」に「一発勝負をやめるべきだ」と投稿し、複数回の受験を可能にして最も高い得点を評価するよう改めるべきだという考えを示しました。

小林氏「解雇規制の緩和で格差固定されてはならない」

小林鷹之氏は、地元の千葉県で党所属の県議会議員およそ40人と面会しました。

小林氏は一人一人と握手を交わし「千葉県の地元の力が頼りだ。全身全霊をかけて全力で勝ち抜く決意で臨みたい」と述べ、支援を求めました。

このあと小林氏は記者団に対し「あすの告示を前に思いを伝えたかった。あすから本番なので、1人でも多くの党員、国民に思いを伝えていくため体力の続く限り仲間とともに駆け回りたい」と述べました。

また小林氏は、国会内で記者団に対し小泉進次郎氏が主張する解雇規制の見直しについて労働市場流動性を高めることは大切だが、働く人の安心を確保することが非常に重要だ。解雇規制をいきなり緩和することで格差が固定されるような社会になってはならない。私は今すぐに緩和していくことには慎重な立場だ」と述べました。

高市氏「勝ちに行くという強い気持ちで駆け抜けたい」

高市経済安全保障担当大臣は、自民党所属の国会議員の事務所や党本部であいさつ回りを行いました。

このあと高市氏は記者団に対し「皆さんから『体に気を付けて頑張ってください』ということばをかけていただいた。立候補は2回目なので勝ちに行くという強い気持ちで駆け抜けたい」と決意を述べました。

また、推薦人が必要となった今の仕組みのもと候補者が最多になるのが確実になっていることについては「いろいろな議論や意見が出ていいのではないか」と述べました。

林氏「国土強じん化にしっかり取り組みたい」

官房長官は午前、都内で建設業界の団体を訪れ「政策の柱に国土強じん化を入れており、しっかり取り組みたい」と述べ、総裁選挙での支援を求めました。

これに対して団体側は「防災や減災、国土強じん化を政策として取り上げてもらい感謝している」と応じました。

このあと林氏は記者団に対し「国土強じん化の重要性を改めて確認できた。総理・総裁になったら建設業界の労働環境の改善も進めたい。いよいよあす決戦の火ぶたが切られるので堂々と論戦を行い勝ち抜きたい」と述べました。

茂木氏 「雇用を創出し若い人材が流出しない地方を」

自民党の茂木幹事長は栃木県足利市にある自身がかつて通い児童数の減少から1996年に廃校となった小学校の分校を訪れました。

そして、当時、一緒に学校に通った幼なじみの知人と校舎の中などを見て回り「トップになって日本を変えてほしい」とか「国民目線の政治をお願いします」などと声をかけられていました。

このあと茂木氏は記者団に対し「人口減少で廃校になるようなことが起こらないよう地方の活力をアップすることが私の政治の原点だ。雇用を創出し若い人材が流出しない地方をつくっていきたい。新たな時代の日本列島の再改造論をしっかり訴え全力で総裁選挙に臨みたい」と述べました。

齋藤経産相は立候補を断念

自民党総裁選挙への立候補を目指していた齋藤経済産業大臣は、立候補を断念することを明らかにしました。

齋藤経済産業大臣は岸田総理大臣の後任を選ぶ総裁選挙への立候補に意欲を示し、立候補に必要な推薦人の確保に向けて働きかけを続けていました。

齋藤氏は11日夜、経済産業省で記者団に対し「総裁選の戦いから撤兵する」と述べ、立候補を断念することを明らかにしました。

その上で「わが陣営は志高く、捨て身の覚悟で集結した仲間ばかりだったので、大変誇りに思っている。結果は大変残念だったが、大きなものを得ることができたのではないか」と述べました。

齋藤氏に近い議員によりますと、ぎりぎりまで模索を続けたものの、推薦人20人の確保にメドが立たなかったということです。

総裁選挙 全国8か所で演説会・討論会など

自民党は今回の総裁選挙で党が主催する演説会などの日程を決め、演説会や討論会などを全国8か所で行うことになりました。

具体的には今月14日に名古屋市、15日に福島市、16日に金沢市、17日に那覇市、18日に松山市大阪市、19日に東京、20日松江市でそれぞれ開催します。

このほか22日から3日間、憲法改正や政治改革、経済財政などをテーマに事前に国民から寄せられた質問に答える政策討論会を行い、オンラインでも配信するとしています。

投票権持つ党員ら 全国で105万人あまり

自民党の総裁選挙管理委員会は11日、今回の総裁選挙の選挙人名簿を確定し、投票権を持つ党員らは全国で105万5839人となりました。

東京都が9万3304人と最も多く、次いで神奈川県の6万4967人、愛知県の5万3748人などとなっています。

党員らによる投票は12日の告示以降、投票所での直接の投票やはがきなどで行われ、開票前日の今月26日に締め切られます。

そして、各都道府県連が集計した投票数を党本部でまとめ、いわゆるドント方式で候補者に配分されます。

自民党総裁選挙への立候補を目指していた野田聖子氏は、推薦人の確保が難しいとして立候補を断念することを明らかにした上で、小泉進次郎氏の推薦人になり支援する考えを示しました。

野田聖子氏は11日午後、国会内で記者会見しました。

この中で野田氏は「仲間とともに出馬に向けて一生懸命取り組んできたが、残念ながら推薦人20人に届かず立候補を断念することを報告する」と述べました。

その上で「ほかの陣営との合流などを模索する中で、小泉進次郎氏本人から何度も電話をもらい『しかるべき立場で陣営を補強してほしい』という趣旨の話があった。仲間と相談して受けることにした」と述べ、小泉進次郎氏の推薦人になり支援する考えを示しました。

そして「小泉氏の申し出を受ける大きな要素は、『選択的夫婦別姓』について1年以内に決着を付けると明言したからだ。人口減少対策や少子化対策などでも力を合わせたい」と述べました。

自民党総裁選挙への立候補を目指していた齋藤経済産業大臣は、立候補を断念することを明らかにしました。

齋藤経済産業大臣は岸田総理大臣の後任を選ぶ総裁選挙への立候補に意欲を示し、立候補に必要な推薦人の確保に向けて働きかけを続けていました。

齋藤氏は11日夜、経済産業省で記者団に対し「総裁選の戦いから撤兵する」と述べ、立候補を断念することを明らかにしました。

そのうえで「わが陣営は志高く、捨て身の覚悟で集結した仲間ばかりだったので、大変誇りに思っている。結果は大変残念だったが、大きなものを得ることができたのではないか」と述べました。

齋藤氏に近い議員によりますと、ぎりぎりまで模索を続けたものの、推薦人20人の確保にめどが立たなかったということです。

自民党総裁選挙の選挙管理委員会は、立候補を予定する高市経済安全保障担当大臣が、みずからの国政レポートを党員らに郵送していたとして高市氏に注意しました。

選挙管理委員会は、資金をかけない総裁選挙を実現するため、今月4日から政策パンフレットなどの郵送を禁止していて、国政レポートはそれ以降に届いていたということです。

選挙管理委員会の逢沢委員長は「禁止決定を踏まえ、発送を取りやめた陣営がある中、総裁選挙の直前のタイミングに『国政レポート』が非常に多くの党員に届き、党に苦情が寄せられた」と述べました。

一方、高市氏は記者団に対し「国政報告は毎年出しており、先月中にはすべて配送も終わっている。配送先もすべて党員というわけではなく内容も総裁選挙にはひと言も触れていない。選挙管理委員会のルールに抵触は絶対しない」と反論しました。

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