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インドのモディ首相とカナダのトルドー首相にとって、両国の関係悪化は当面政治的なプラスに働く可能性があるとの見方を複数の専門家が示した。

カナダでインドのシーク教独立運動に関わった男性が昨年殺害された事件を巡り、カナダ政府は今月14日に捜査への協力を拒否したインド外交官6人の国外追放を決定。インド側も対抗措置として同国に駐在するカナダ大使代理ら6人に19日までに出国するよう要請し、外交関係がかつてないほど冷え込んだ。

カナダはインド国外で最もシーク教徒が多く、全人口の約2%を占める。近年インドでは分離独立を求めるシーク教徒のデモが相次ぎ、政府は神経をとがらせている。

こうした中で専門家の間では、インド政府による今回の対応を通じてモディ氏が国家安全保障面で毅然とした人物だとのイメージが高まるのではないかとみられている。

元インド外務次官のハーシュ・バルダン・シュリングラ氏は「国民はインド政府が先進国からの脅しや高圧的な措置に立ち向かっているとみなす。一般大衆はモディ首相と政府を強く支持するだろう」と述べた。

モディ氏が率いる与党インド人民党は今年6月の総選挙で過半数議席を失い、同氏の政治基盤は弱体化した。しかし、シンクタンクのオブザーバー・リサーチ・ファウンデーション外交政策責任者、ハーシュ・パント氏は、トルドー氏がインドに批判の矛先を向ければ向けるほどモディ氏にとって有利になると指摘。インドの主権と領土の一体性を守るために立ち上がっている指導者とみなされ、モディ氏の人気維持につながると予想した。

一方、来年10月までに総選挙が行われるカナダで、与党自由党の支持率低迷に苦しんでいるトルドー氏にとっても、インドとのあつれきは党内の「トルドー降ろし」の動きから注目をそらす効果がある。

トルドー氏は今月13日、記者団に対して「党内の動きについてはまた改めて話す機会があるだろう。今は政府と全ての議員がカナダの主権のための行動や、内政干渉への反対、この難局における国民の支援に専念しなければならない」と訴えた。

自由党の少数派政権を維持する上で協力が不可欠となっている左派系野党も、インド外交官の退去措置を支持すると表明した。

ただ、トレント大のクリスティン・ド・クレルシー教授は、トルドー氏への追い風は長続きしそうにないとみている。遠くのインドとの関係という1つの事象に比べ、トルドー氏が対処すべき国内問題はずっと多く、より複雑だと指摘した。

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#加印(シーク教徒指導者殺害事件)

パキスタンのシャリフ首相は16日、中国主導の巨大経済圏構想「一帯一路」について、地域協力を強化するために拡大するよう呼びかけた。

イスラマバードで開催された上海協力機構(SCO)の首相会議で議長として演説した。会議には開催国のパキスタンのほか、中国、ロシア、インドを含む11カ国が出席した。

シャリフ氏は「習近平国家主席の『一帯一路』のような旗艦プロジェクトは、地域全体の統合と協力の強化につながる、道路・鉄道・デジタルインフラの開発に焦点を当てて拡大されるべきだ」と述べた。

一帯一路は中国が10年前に打ち出した、アジアとアフリカ、欧州を陸路と海路で結ぶ1兆ドル規模の世界インフラ・エネルギーネットワーク計画。中国が地政学的・経済的影響力を拡大するための道具との見方や、途上国の債務を膨張させているとの批判もある。

中国・パキスタン経済回廊(CPEC)は一帯一路の一部で、中国は道路や港湾、空港整備のためパキスタンに数十億ドルを投じている。

#SCO=上海協力機構(首相会議)
#一帯一路(パキスタン
#CPEC=中国パキスタン経済回廊

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#南アジア