衆議院政倫審 柴山氏“派閥から記載しないよう指示”と説明https://t.co/0HYQHcQomS #nhk_news
— NHKニュース (@nhk_news) December 18, 2024
衆議院政治倫理審査会で、自民党旧安倍派の有力議員の1人である萩生田元政務調査会長は、去年8月に初めて派閥の役員になったため、派閥のパーティーの運営や会計処理などには関与する立場になかったと説明しました。
参議院政倫審 山谷氏 “秘書が派閥の指示に従い記載せず”
萩生田氏 “運営や会計に関与する立場になかった”
衆議院政治倫理審査会では17日から自民党の関係議員15人に対する審査が公開で行われています。
自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題で、衆議院政治倫理審査会の午後の審査には、旧安倍派と旧二階派の4人が出席しました。
このうち、旧安倍派の「5人衆」と呼ばれる有力議員の1人で、2728万円の不記載があった萩生田元政務調査会長は「国民に多大な疑念を抱かせ、政治不信を招いたことを改めて深くお詫びする」と陳謝しました。
その上で、所属議員がノルマを上回って派閥のパーティー券を販売した場合、超過分の還付=キックバックを受けていたことについて「2003年の初当選時に派閥の当時の事務総長から毎年、派閥のパーティーを開催し、議員には当選回数や役職に応じた販売ノルマがあり、ノルマを超過して販売した分は『政治活動費』として返すと説明を受けた記憶がある」と述べました。
また、問題が明らかになって以降、事務所の担当者に確認したところ、初当選した翌年 2004年の派閥のパーティーの際に、派閥の事務局から、ノルマを超過した分は「政治活動費」として返金され、収支報告書に記載しない取り決めがあるという説明を受けたことを明らかにしました。
一方、不記載の金額が大きくなった理由について、経済情勢や新型コロナなどに伴いノルマが下がり、超過分の還付が増えたことや、党の政務調査会長や経済産業大臣などを歴任したことでパーティー券の購入希望者が増えた事情があるとした上で「還付を受ける金額を多額にする目的で販売したことはない」と述べました。
還付を受けた資金の使いみちは、国会議員や外国の要人などとの会合や、海外出張時の贈答品や随行スタッフの経費などの政治活動に充て、私的な流用や選挙などへの支出はなかったと重ねて説明しました。
そして、去年8月に初めて派閥の役員である常任幹事となったため、おととし4月に、派閥の会長だった安倍元総理大臣が還付をとりやめる方針を決めた会合などに参加していないとした上で「派閥のパーティーの運営や収入の取り扱い、会計処理などに関与する立場にも知りうる立場にも、他の所属議員に伝える立場にもなかったことを明確に申し上げる」と述べました。
午後には、このほか、420万円の不記載があった根本幸典氏、1817万円の不記載があった平沢勝栄氏などが出席しました。
衆議院側の審査会は19日までで、福田幹事長代行ら4人の議員が出席する予定です。
柴山氏「2014年ごろに派閥事務局から要請があった」
18日午前中は、5年間に896万円の不記載があった、旧安倍派の柴山元文部科学大臣が出席しました。
柴山氏は、所属議員がノルマを上回って派閥のパーティー券を販売した場合、超過分の還付=キックバックを受けていたことについて「2013年まではノルマ以上の販売分は派閥からの寄付という形で、自分の事務所と派閥側の双方の収支報告書に記載し、法的に全く問題ない対応をとっていた」と述べました。
その上で「2014年ごろに派閥事務局から秘書に対し『今後、寄付は収支報告書に計上しないので、同様の対応をしてほしい』と要請があった。不審に思い、『本当に法的に問題ないか。従来どおり寄付として双方で計上する運用をお願いできないか』と問い合わせたが、事務局からは『法的に問題ない処理を行っている。ほかの事務所と横並びの対応を取ってほしい』との指示があった」と、収支報告書への記載をやめた経緯を説明しました。
一方、違法性の認識については、かつて派閥からの寄付をめぐり、国会で追及を受けた先輩議員が「党からの『政策活動費』として収支報告書に記載しない対応が正しい」という趣旨の答弁をしたことから、釈然としない思いを持ちながらも、法的に問題ないという整理をしたと明らかにしました。
還付を受けた資金については、パーティー券の販売でノルマに達成しない場合に備え、「預かり金」として事務所で保管していたと説明しました。
関氏「派閥から記載しなくていいという指示」
また、836万円の不記載があった関芳弘氏は、派閥から超過分を還付される仕組みを知ったのは、ノルマを達成するようになってきた2017年か2018年ごろになってからで、派閥から収支報告書に記載しなくていいという指示を受けたと説明しました。
その後、疑問に感じ、2022年春ごろに派閥会長の安倍元総理大臣に対し「法的に問題があるのなら、運用を改めるべきではないか」と相談し、安倍氏は「賛同する。ほかの人からも聞いている。取り扱いを変えようと思っている」と応じたことを明らかにしました。
午前中はこのほか、280万円の不記載があった鈴木英敬氏も出席しました。
田畑氏「企業献金を党員登録の党費に充てたことはない」
自民党旧安倍派に所属していた富山1区選出の田畑裕明氏は、収支報告書に68万円の不記載があり、18日の衆議院政治倫理審査会に出席しました。
この中で田畑氏は、派閥から還付され不記載となっていた資金は、現金で事務所に保管し、使っていなかったなどと説明しました。
さらに、支援企業の従業員らを無断で党員に登録していたなどとされる問題について「企業からの献金を、党員登録に必要な党費に充てたのではないか」と問われました。
これに対し、田畑氏は「地元でも説明しているが、企業献金を党費に充てたことはない。外部の専門家に調査してもらい、担当の職員にもヒアリングし、そのような資金の移動はまったく行っていない」と反論しました。
また、田畑氏の政治団体が政治資金パーティーを企画した際、案内状に「入金のみ」とする欄を設け、こうした呼びかけが政治資金規正法の趣旨に反するという指摘が出ていることについて「対価として、後日、国政報告の資料や活動レポートを届けている。『入金のみ』と返事をくれた人でも当日、会場に来た人もいた」と述べ、問題はないという認識を示しました。
==衆院政倫審 18日に審査の7人==
柴山氏 おととしまでの5年間に896万円の不記載
旧安倍派に所属していました。
会社員を経て、弁護士として活動し、2004年の衆議院の補欠選挙で初当選し、これまでに文部科学大臣や党の幹事長代理などを務めました。
派閥の政治資金パーティーをめぐる問題では、おととし 2022年までの5年間に896万円の収支報告書への不記載があったと党に報告し、ことし4月に「戒告」の処分を受けました。
柴山氏は、先の衆議院選挙では比例代表との重複立候補は認められませんでしたが党の公認を得て、小選挙区で当選しました。
審査会への出席については先月、「選挙で洗礼を受けた形で国会に来ており、野党に言われたからといって出席するのは筋が違う」と述べ、慎重な姿勢を示していましたが、今回、出席することになりました。
鈴木氏 おととしまでの5年間に280万円の不記載
旧安倍派に所属していました。
経済産業省の職員を経て三重県知事を10年余り務めたあと、2021年の衆議院選挙で初当選し、これまでに内閣府政務官などを務めました。
派閥の政治資金パーティーをめぐる問題では、おととしまでの5年間に280万円の収支報告書への不記載があったと党に報告しています。
鈴木氏は党の処分は受けておらず、先の衆議院選挙では党の公認を得ました。
比例代表との重複立候補は認められませんでしたが、小選挙区で当選しました。
関氏 おととしまでの5年間に836万円の不記載
関芳弘氏は、衆議院兵庫3区選出の当選6回で59歳。
旧安倍派に所属していました。
銀行員を経て、2005年の衆議院選挙で初当選し、これまでに経済産業副大臣や環境副大臣などを務めました。
派閥の政治資金パーティーをめぐる問題では、おととしまでの5年間に836万円の収支報告書への不記載があったと党に報告し「戒告」の処分を受けました。
関氏は、先の衆議院選挙では比例代表との重複立候補は認められませんでしたが、党の公認を得て、小選挙区で当選しました。
田畑氏 おととしまでの5年間に68万円の不記載
旧安倍派に所属していました。
富山県議会議員などを経て2012年の衆議院選挙で初当選し、これまでに総務副大臣や厚生労働政務官などを務めました。
派閥の政治資金パーティーをめぐる問題では、おととしまでの5年間に68万円の不記載があったと党に報告しました。
田畑氏は党の処分は受けておらず、先の衆議院選挙では党の公認を得ました。
比例代表との重複立候補は認められませんでしたが、小選挙区で当選しました。
一方、田畑氏をめぐっては、支援企業の従業員を無断で党員に登録していたなどと指摘されていて、みずからの関与は否定していますが、地元の党組織との関係が悪化しています。
根本氏 おととしまでの5年間に420万円の不記載
旧安倍派に所属していました。
愛知県豊橋市の市議会議員などを経て、2012年の衆議院選挙で初当選し、これまでに国土交通政務官などを務めました。
派閥の政治資金パーティーをめぐる問題では、おととしまでの5年間に420万円の収支報告書への不記載があったと党に報告しています。
根本氏は、党の処分は受けておらず、先の衆議院選挙では党の公認を得ました。
比例代表との重複立候補は認められませんでしたが、小選挙区で当選しました。
萩生田氏 おととしまでの5年間に2728万円の不記載
旧安倍派では「5人衆」と呼ばれた有力議員の1人で、派閥の意思決定にあたる常任幹事会のメンバーでした。
安倍元総理大臣に近かったことでも知られています。
これまでに党の政務調査会長や経済産業大臣などを歴任しました。
派閥の政治資金パーティーをめぐる問題では、おととしまでの5年間に2728万円の収支報告書への不記載があったと党に報告し、党が発表した関係議員ら85人の中で3番目に多い額となりました。
問題が明らかになったことを受けて、去年12月、「5人衆」の議員などが閣僚や党幹部の役職を退くことになり、萩生田氏も政務調査会長を辞任しました。
そしてことし4月、党から1年間の「党の役職停止」の処分を受け、先の衆議院選挙では自民党から公認を得られませんでした。
このため無所属で臨み、小選挙区で当選しました。
平沢氏 おととしまでの5年間に1817万円の不記載
旧二階派では事務総長を務めました。
警察庁の職員を経て、1996年の衆議院選挙で初当選し、これまでに復興大臣や党の広報本部長などを歴任しました。
大学生の頃、当時、小学生だった安倍元総理大臣の家庭教師をしていたことでも知られています。
ことし9月の自民党総裁選挙では、石破総理大臣を支援しました。
派閥の政治資金パーティーをめぐる問題では、おととしまでの5年間に1817万円の収支報告書への不記載があったと党に報告しています。
ことし4月、党から1年間の「党の役職停止」の処分を受け、先の衆議院選挙では自民党から公認を得られませんでした。
このため無所属で臨み、小選挙区で当選しました。
参議院政倫審 山谷氏 “秘書が派閥の指示に従い記載せず”https://t.co/8RhHhhWGKF #nhk_news
— NHKニュース (@nhk_news) December 18, 2024
参議院政治倫理審査会は、収支報告書に不記載があった4人の議員が出席して公開で開かれました。およそ2400万円の不記載があった山谷えり子氏は、秘書が派閥の指示に従って記載しておらず、みずからは認識していなかったと説明しました。
衆議院政倫審 萩生田氏 “運営や会計に関与する立場にない”
18日に開かれた参議院政治倫理審査会には、収支報告書に不記載があった旧安倍派の4人の議員が出席し、公開で弁明と質疑が行われました。
このうち、関係議員ら85人の中で4番目に多い2403万円の不記載があった元拉致問題担当大臣の山谷えり子氏は「私自身は去年12月の報道によって派閥の政治資金の取り扱いに疑義が生じていることを知った。派閥の事務局から『記載しなくていい』と事務所に伝達があり、秘書が指示に従っていたということだった」と説明しました。
その上で「記載していなかったことは私自身全く認識していなかった。気付かず、正せなかったことは不明の至りで、申し訳ない」と陳謝しました。
また、204万円の不記載があった松川るい氏は「漫然とこうした慣習が続いてきたことは組織的に派閥に相当な緩みがあったのではないか」と述べました。
18日はこのほか、214万円の不記載があった太田房江氏。
282万円の不記載があった元法務大臣の森まさこ氏も弁明を行いました。
参議院では不記載があった27人が政治倫理審査会への出席を申し出ていて、残る23人については、1人が公開で、22人が議員のみの傍聴を認める形でそれぞれ審査に臨む意向を示し、開催日程などの調整が続いています。
==参院政倫審 18日に審査の4人==
太田氏 おととし おととしまでの5年間に214万円の不記載
旧安倍派に所属していました。
旧通産省に入省し、2000年に全国で初めての女性知事として大阪府知事に当選しました。
知事を2期8年務めたあと、2013年の参議院選挙で比例代表に立候補して初当選し、2019年の選挙では大阪選挙区で当選しました。
派閥の政治資金パーティーをめぐる問題では、おととし 2022年までの5年間に214万円の不記載があったと党に報告しています。
党の処分は受けていません。
松川氏 おととしまでの5年間に204万円の不記載
旧安倍派に所属していました。
外務省の官僚を経て、2016年の参議院選挙で初当選し、これまでに防衛政務官などを務めました。
派閥の政治資金パーティーをめぐる問題では、おととし 2022年までの5年間に204万円の不記載があったと党に報告しています。
党の処分は受けていません。
森氏 おととしまでの5年間に282万円の不記載
旧安倍派に所属していました。
弁護士で、2007年の参議院選挙で初当選し、これまでに法務大臣や少子化担当大臣、女性活躍を担当する総理大臣補佐官などを歴任しました。
派閥の政治資金パーティーをめぐる問題では、おととし 2022年までの5年間に282万円の不記載があったと党に報告しています。
党の処分は受けていません。
山谷氏 おととしまでの5年間に2403万円の不記載
旧安倍派では、顧問を務めていました。
情報紙の編集長などを経て、衆議院議員を1期務めたあと、2004年の参議院選挙の比例代表で初当選し、拉致問題担当大臣や党の参議院政策審議会長などを歴任しました。
派閥の政治資金パーティーをめぐる問題では、おととし 2022年までの5年間に2403万円の不記載があったと党に報告し、党が発表した関係議員ら85人の中で4番目に多い額となりました。
ことし4月に、党から1年間の「党の役職停止」の処分を受けました。
収支報告書に不記載があり、参議院政治倫理審査会に出席する意向を示している27人のうち、15人が来年夏で参議院議員の任期が満了となります。
このうち、少なくとも2人は次の選挙に立候補しないことを表明しています。
#政界再編・二大政党制