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米国防総省は先月27日、国防関連製品のサプライヤーなどでつくる「防衛産業基盤コンソーシアム(DIBC)」に対​して、半導体や武器などに利用する13種類の重要鉱‌物の国内供給強化に向けた具体的なプロジェクトを3月20日までに提案するよう要請した。

この動きと米国・イスラエルによる対​イラン攻撃が翌日に始まったことに直接の関連性​があるかどうか現時点では分かっていない。

1500社⁠余りが加盟するDIBCに求められたのは、鉱物の採掘や​加工、リサイクルに関するプロジェクト。指定鉱物は​ヒ素、ビスマス、ガドリニウム、ゲルマニウム、黒鉛、ハフニウム、ニッケル、サマリウム、タングステン、バナジウム、イ​ッテルビウム、イットリウム、ジルコニウムとな​っている。

米国はこれらの鉱物の大半を輸入に頼っている。13の鉱物全ての‌生産⁠者として世界で圧倒的な地位を持つのが中国だ。

国防総省は、鉱山開発や加工施設建設に必要な人件費、原料費などを含むコストに関する詳細な情報の提供を求め​ている。

提案要求書​によると、⁠プロジェクトには1億ドルから5億ドル強の開発資金が供与される可能性がある。

今回13種​類の鉱物だけがなぜ選ばれたのか、提案​要求書に⁠は記載がない。ただゲルマニウム、黒鉛、イットリウムなどは世界最大の生産国である中国が輸出規制に動いて⁠いる。

一方、​ステンレス鋼や電池の生産な​どに使われるニッケルは幅広く取引される金属で、インドネシアが世界​最大の生産国だが、同国政府も輸出を制限しつつある。

英紙フィナンシャル・タイムズは以下のように報じています。

「2月28日、イラン高官を警護する警護員や運転手は、テヘランのパストゥール通り付近で任務に就いていた。ハメネイ師の殺害当時、イスラエルは現場の動きを監視していたという。
事情に詳しい関係者2人によると、イスラエルは長年にわたりテヘランのほぼすべての交通カメラに侵入し、監視映像を暗号化してテルアビブやイスラエル南部のサーバーに送信していた。
関係者の一人は、ある監視カメラの角度からの映像が特に役に立ったと述べた。イスラエルはその映像を通じて、標的となった高官らが普段自家用車を停めている場所を把握し、この厳重警備区域の日常的な動きも確認できたと説明した。
さらに、これら警護員の情報、住所、勤務時間、通勤経路、そして最も重要な情報として、彼らが普段警護している高官などを精査してデータベース化していた。これによって情報当局が「生活パターン」と呼ぶ分析資料を構築した。
同時にイスラエルは、パストゥール通り周辺にある十数か所の携帯電話基地局の特定のコンポーネントを妨害し、電話をかけても回線は使用中のように見せかけ、ハメネイ師の警護チームが警告を受け取れないようにしたという。」

IT時代の現場の細部のリアルタイム情報を得る手法の一部が明かされています。監視カメラもPCもサーバーやルーターも全て密かに乗っ取り監視や情報収集に利用し、そのデーターをAIを使い分析すれば個人の行動パターンまで把握できます。この情報を精密誘導兵器に連動させれば、特定個人の暗殺は理論上可能です。

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ライト米エネルギー長官は4日、FOXニュースの番組で、イラン紛争によるエ​ネルギー市場への影響は一時的で、‌米国の軍事目標のために払う「小さな代償」だという見解を示した。

米国とイスラエルによるイラン攻撃​とイランによる反撃で中東地域の緊​張が高まる中、エネルギー輸送の要衝で⁠あるホルムズ海峡が事実上封鎖され、エ​ネルギー価格は上昇している。

しかし、ライト​氏は「これは間違いなく一時的なものだ」と指摘。「世界には石油が大量に供給されており、米国の生産量​は過去最高を記録している。したがって、​われわれはこれを乗り越えられるだろう。これは一‌過性⁠の小さな障害に過ぎない」と述べた。

トランプ大統領は価格高騰を抑えるため、この地域からエネルギーを輸出する船舶に保険と海軍の​護衛を提​供すると表明⁠している。

ライト氏は、ホルムズ海峡の封鎖は一時的なものだとし、​米海軍が同海峡を通過する石油タン​カー⁠の護衛を近く開始すると述べた。

米海軍の支援を要請した商船があるかという質問に対し、「可⁠能な​限り早期に対応する。現在、​わが海軍、そしてもちろん軍全体がイラン政権の武装解​除という別の任務に注力している」と語った。

ベセント米財務長官は4日、CNBCのインタビューで「原​油市場には十分な供給がある。‌ペルシャ湾岸から離れた海域に数億バレルの原油がある。さらには(こ​の問題に関連して)一連の​発表を行う」と述べた。米国と⁠イスラエルによるイラン攻撃を​受けて混乱する中東からの原油供給​を巡る不安の沈静化を狙った発言とみられる。

イラン攻撃後に急伸してきた原油価​格は、4日の取引では一時、約1%上昇。ただ、​トランプ大統領が3日、米海軍がホルムズ海‌峡を⁠通過するタンカーを護衛する可能性を示唆したことを受け、上昇ペースは鈍化した。

トランプ氏は、​米国際開​発金融公⁠社に対し、ペルシャ湾を航行する海上貿易に政治​リスク保険と金融保証を提​供す⁠るよう指示したとも明らかにした。

ベセント氏は「米政府が関与に乗⁠り出​す。適切かつ必要​な場合には米海軍が石油タンカーの海峡の安​全な通過を確保する」と説明した。

ヘグセス米国防長官は4日、米国の​潜水艦がスリランカの南部沖でイラ‌ンの軍艦を撃沈したと発表した。スリランカ当局や現地の病院などによると、乗組員約180人の​うち87人の遺体が収容された。

これまでに32人が救​助され病院で治療を受けているが、⁠約60人が依然行方不明という。

ヘグセス長官​は、米潜水艦が公海上でイランの軍艦を​沈めたとした上で、「実際には魚雷によって沈没した。静かな死だ」と述べた。

スリランカ政府によ​ると、沈没した軍艦は「IRISデナ」で、インド東​部の港からイランへ戻る途中だったという。軍事演‌習の⁠サイトによると、同名の艦船が2月18ー25日にベンガル湾で実施されたインドの海軍演習に参加していた。

スリランカ政府の報道官によ​ると、イ​ラン船か⁠らの救難信号を受信し、スリランカ空軍に通報した。救助船は​現場で船舶は確認できず、油膜​が視⁠認できたという。スリランカ領海外で発生した事故だが、スリランカ軍は生存者⁠の救助に​注力しており、原因調​査は後に実施するとしている。現場周辺で他の船舶や​航空機の存在は確認していないとした。

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アメリカはイランへの攻撃を強めていて、4日はインド洋でイラン海軍の艦艇を魚雷による攻撃で沈めたと明らかにしました。ヘグセス国防長官は、アメリカとイスラエルが1週間以内にイランの制空権を完全に掌握できるという見通しを示しました。


アメリカのヘグセス国防長官は4日、国防総省で記者会見し、インド洋でイラン海軍の艦艇を魚雷による攻撃で沈めたと明らかにしました。

スリランカ海軍によりますと、沈没したのはイラン海軍のフリゲート艦で、現場で救助活動を行った結果、船内からおよそ80人の遺体を収容したということです。

国防総省によりますと、アメリカの潜水艦が魚雷で相手の艦艇を沈めたのは第2次世界大戦が終わってから初めてだとしています。

これまでのイランへの軍事作戦についてヘグセス長官は、驚異的な成果を収めていると強調したうえで「1週間以内に世界で最も強力な2つの空軍がイランの空を完全に掌握することになる」と述べ、アメリカとイスラエルが1週間以内に制空権を完全に握ることができるという見通しを示しました。

また「さらに大規模な攻撃の波がやってくる」と述べ、さらなる大規模攻撃を行う可能性を示唆しました。

イスラエル軍もイランへの空爆を続けていて、4日には首都テヘランで革命防衛隊や治安機関の拠点に対して大規模な攻撃を行ったなどと発表しました。

先月28日の攻撃開始から4日までの5日間で5000発の弾薬を使用したと明らかにし、去年6月に12日間続いたイランとの軍事衝突で使用した弾薬の量をすでに超えたとしています。

イランの国営通信は4日、体制側の発表として、アメリカとイスラエルによる攻撃でこれまでに1045人が死亡したと伝えました。

一方、イラン側もミサイルや無人機による攻撃を続けていて、イランの体制寄りのメディア「ファルス通信」は4日、イランの革命防衛隊がアメリカとイスラエルの標的に向けて40発以上のミサイルを発射したと伝えました。

またイランのメディアは、イラン革命防衛隊の幹部の話として、戦闘が始まってからこれまでに10隻以上の船舶やタンカーを標的に攻撃を行ったと伝えました。

このほかイランの隣国トルコは4日、イランから発射された弾道ミサイルが迎撃され破片がトルコ南部に落下したと発表しました。死傷者はいないということです。

トルコはNATO=北大西洋条約機構の加盟国で、東地中海に展開しているNATOの部隊が迎撃したとしています。

米国防長官“イラン海軍の艦艇 魚雷攻撃1発で沈めた”
スリランカ海軍によりますと、スリランカ南方の沖合で4日午前、イラン海軍のフリゲート艦が沈没し、救難信号をもとに現場で救助活動を行った結果、これまでに30人以上が救助され、船内からおよそ80人の遺体を収容したということです。

地元メディアは、フリゲート艦には180人ほどが乗っていて、行方が分からない乗組員も多いと伝えています。

これについてアメリカのヘグセス国防長官は4日の記者会見で、アメリカの潜水艦が魚雷1発の攻撃で沈めたことを明らかにしました。

潜水艦の潜望鏡から撮影されたとする映像では、艦艇の後方部分が跳ね上がるのと同時に大きな水柱があがっているのがわかります。

別の画像では、前方部分だけが海面から出た形で艦艇が沈んでいく様子が捉えられています。

国防総省によりますと、アメリカの潜水艦が魚雷で相手の艦艇を沈めたのは第2次世界大戦が終わってから初めてだとしています。

スリランカのメディアは、沈没したフリゲート艦はインドで行われた多国間の演習に参加していたと伝えています。

米国防長官“イランの制空権 1週間以内に完全掌握できる”
アメリカのヘグセス国防長官とケイン統合参謀本部議長は4日、記者会見を行い、イランへの軍事作戦について説明しました。

この中でヘグセス長官は「成果は驚異的で歴史的なものだ」と述べ、成果を強調しました。一方、作戦は極めて初期の段階にあり、成功を確実なものにするために必要な時間をかけるとしたうえで「1週間以内に世界で最も強力な2つの空軍がイランの空を完全に掌握することになる」と述べて、アメリカとイスラエルが1週間以内に制空権を完全に握ることができるという見通しを示しました。

また今回の作戦はイラク戦争の際の作戦の2倍の航空戦力を投入しているとしたうえで「さらに大規模な攻撃の波がやってくる」として、さらなる大規模攻撃を行う可能性を示唆しました。

作戦の目的についてはミサイルやドローンの製造施設、海軍や安全保障関連のインフラを壊滅させ、核兵器開発への道筋を断つことだと改めて説明しました。

一方、記者団がイラン南部の小学校で攻撃によって150人以上の児童と教師が死亡したと伝えられていることについて質問すると、ヘグセス長官は「調査中だ。民間人を標的にすることは決してない」と述べました。

これに対して、数日がたっているのにアメリカ軍の情報収集能力でも誰の攻撃だったのか明らかになっていないのかと再質問されると「現在、調査中だ」と短く答えました。

米国防長官“トランプ大統領の暗殺試みた部隊のリーダーを殺害”
ヘグセス長官は4日の記者会見で、イランへの軍事作戦の一環で過去にトランプ大統領の暗殺を試みた部隊のリーダーを追跡し殺害したと主張しました。

詳しい説明はありませんでしたが、ヘグセス長官は「リーダーの殺害が今回の作戦の焦点だったことはなく、実際大統領やほかの誰からも持ち上がったことはなかったが、私たちが最終的に標的リストに含まれるようにした」と説明しました。

アメリカではおととし、司法省がアフガニスタン国籍でイラン在住の男がイランの革命防衛隊の指示のもとで大統領選挙のさなかにトランプ氏の暗殺を計画していたと発表しています。

米軍統合参謀本部議長“イラン側のミサイル発射は86%減”

アメリカ軍の制服組トップ、ケイン統合参謀本部議長は4日、ヘグセス国防長官とともに記者会見し「壮絶な怒り」と名付けた今回の軍事作戦の状況について説明しました。

それによりますと、作戦の軍事目標はイランが国外に向かって軍事的に影響力を及ぼす能力を将来にわたって取り除くことだとしています。

イラン側による攻撃を阻むため、まずは弾道ミサイルシステムを攻撃しているとしていて、イラン側による発射はアメリカ東部時間の4日朝の時点で作戦が始まった日と比べて86%減り、自爆型無人機による攻撃も73%減ったと主張しています。

またアメリカ軍が南部を、イスラエル軍が北部を主に受け持ち、地中海とアラビア海にそれぞれ展開しているアメリカ軍の空母が軍事的圧力をかけ続けていると説明しました。

そしてこれまでに2000以上の標的を攻撃して20隻以上の艦艇を破壊したと明らかにするととも、にイランの南岸では制空権を確保したとしています。

今後は内陸部への攻撃を進めるとともに、これまで使用していた相手の射程圏外から攻撃できる「スタンド・オフ・ミサイル」から、精密誘導爆弾などに切り替えると説明し、これによってより精密な攻撃を行えるようになるとしています。

トランプ大統領「10点満点で評価して15点くらいだ」

アメリカのトランプ大統領は4日、ホワイトハウスで開いた会合の冒頭、イランに対する軍事作戦について言及しました。

この中でトランプ大統領は「控えめに言っても10点満点で評価するとしたら15点くらいだ。そしてわれわれは今後も順調に進むだろう」と述べ、アメリカはいま非常に強い立場にあると成果を強調しました。

そのうえでイランについて「もしわれわれが先制攻撃をしていなければイスラエルを攻撃し、アメリカも攻撃しただろう」と述べたほか「もし2週間以内に攻撃していなければ核兵器を手にしていただろう」とも述べ、作戦の正当性を主張しました。

米報道官 “地上部隊の派遣 現時点で計画にない”

アメリカ・ホワイトハウスのレビット報道官は4日、イランへの軍事作戦での地上部隊の派遣について問われ「現時点では今回の作戦計画には含まれていない。ただ大統領が取り得る選択肢を私が排除することはしない」と述べました。

一方、トランプ大統領がイランの体制転換をねらうイラン国内の組織への支援に前向きだなどとアメリカメディアが報じたことについては「イラク北部にあるアメリカ軍基地について、トランプ大統領がクルド人指導者たちと協議したことは事実だ」と述べました。

レビット報道官は、トランプ大統領が武装組織への支援に同意したとする報道は事実ではないと強調しました。

米報道官 “体制転換が目標に含まれるか明言せず”
アメリカ・ホワイトハウスのレビット報道官は4日、イランへの軍事作戦の目標について問われた際、イランの体制転換が目標に含まれているかどうかは明言しませんでした。

作戦の公式な軍事目標はイランの弾道ミサイルの脅威の排除、海軍の戦力の破壊、ミサイルや無人機製造インフラの破壊、核兵器保有への道を断つことの4点だと改めて説明しました。

一方でレビット報道官は「イランがテロリストの体制に支配されることをわれわれは望むだろうか。テロリストを排除すればわれわれの国、そして国民にとってよいことだ」と述べました。

またイランで作戦を終えたあとのアメリカの役割について「大統領が積極的に検討し、国家安全保障チームと議論している」とする一方、現時点では迅速かつ効果的に作戦を成功させることに集中していると強調しました。

米報道官 “ホルムズ海峡 安全な航行確保へ計画”
トランプ大統領は3日、SNSへの投稿で、必要に応じてホルムズ海峡を航行するタンカーの護衛をアメリカ軍が行うと表明しています。

これに関連してホワイトハウスのレビット報道官は4日の記者会見で、ホルムズ海峡での安全な航行を確保するための計画作りに取り組んでいると明らかにしました。

計画の具体的な内容については明らかにしませんでしたが「国防総省とエネルギー省が積極的に検討を進めている。両省は緊密に連携している」と述べたうえで「必要に応じてアメリカ海軍が石油タンカーの海峡通過を護衛する支援を行う」と改めて強調しました。

退避したアメリカ人 1万7500人に
アメリカ国務省は、イランへの軍事作戦を受けて中東に滞在していたアメリカ人8500人が3日、新たにアメリカに退避したと発表しました。

これで先月28日の軍事作戦開始後、退避したアメリカ人は合わせて1万7500人になったということです。このほかにも、多くのアメリカ人がヨーロッパやアジアの国に退避したとしています。

アメリカとスペイン 「協力」で主張に違い
イランへの軍事作戦をめぐりアメリカのトランプ大統領は、スペインがアメリカ軍に基地の使用を認めなかったとして禁輸措置に踏み切ることを示唆しています。

これについてホワイトハウスのレビット報道官は4日「ここ数時間でスペインがアメリカ軍と協力することで合意したと理解している。アメリカ軍がスペインと調整していると承知している」と述べ、スペイン側と協力していると主張しました。

この発言の直後スペインのアルバレス外相はラジオ局の番組で、ホワイトハウスの報道官の発言について問われると「断固として否定する」と述べ「イランへの攻撃やわれわれの基地の使用に関するスペイン政府の立場は全く変わっていない」と強調しました。

《イラン》
ハメネイ師の後継者 “選出は間近だ”
イランの国営テレビは4日、新しい最高指導者を選ぶ「専門家会議」のメンバーの1人の話として、殺害されたハメネイ師の後継者選びの手続きが進められていて選出は間近だと伝えています。

一方、イランは戦時下にあり、専門家会議のメンバーは暗殺されるおそれもあるなどとして後継者選びは慎重に行われているとしています。

ハメネイ師の後継者選びをめぐっては、革命防衛隊とつながりのあるタスニム通信は3日、中部コムで「専門家会議」の建物がミサイル攻撃を受けたと伝えましたが、別のイランメディアは「安全上の配慮から、その場所で会議は開かれていなかった」と報じていました。

イラン革命防衛隊幹部“10隻以上の船舶・タンカーを攻撃”
イランのメディアは、イラン革命防衛隊の幹部の話として、戦闘が始まってからこれまでに10隻以上の船舶やタンカーを標的に攻撃を行ったと伝えました。

それによりますと、ホルムズ海峡を通過するアメリカが支援する船舶やイランが定める規則に違反した船舶のほか、ペルシャ湾でイスラエル向けの貨物を輸送するあらゆる船籍の船舶に対し攻撃を続けているとしています。そのうえで「トランプ大統領は毎日イランの海軍を壊滅させたと述べているが、われわれは彼らの船舶への攻撃を続けている」と主張しました。

《イスラエル》
イスラエル軍“去年の軍事衝突で使用した弾薬量を超えた”
イスラエル軍はイランへの空爆を続けていて、4日には首都テヘランで革命防衛隊や治安機関の拠点に対して大規模な攻撃を行ったなどと発表しました。

また先月28日の攻撃開始から4日までの5日間で5000発の弾薬を使用したと明らかにし、イスラエル軍の報道官は、去年6月に12日間続いたイランとの軍事衝突で使用した弾薬の量をすでに超えたとしています。そして、これまでの攻撃でおよそ300のミサイル発射設備を破壊したなどとしています。

一方、イランもイスラエルへミサイルなどによる攻撃を続けていますが、4日はイスラエル側に大きな被害は伝えられていません。

オマーン国営通信“マルタ船籍の貨物船が攻撃受ける”
オマーンの国営通信は4日、ホルムズ海峡近くでマルタ船籍の貨物船が攻撃を受けたという通報があり、オマーン海軍が対応したと伝えました。乗組員24人は救助され、命に別状はないということです。

貨物船がどこから攻撃を受けたのかは明らかになっていません。

カタール イラン外相の主張を否定 周辺国への攻撃停止求める
イランによる報復攻撃を受けたカタールのムハンマド首相兼外相は4日、イランのアラグチ外相と電話で会談しました。

イラン国営通信によりますと、アラグチ外相は会談の中で、イランはカタールにあるアメリカの関連施設だけを標的にしたと説明したということです。

一方、カタール国営通信によりますと、ムハンマド首相はイランの攻撃によって国際空港の周辺や液化天然ガスの関連施設などに被害が出ているとして、アラグチ外相の主張を強く否定したということです。

そして攻撃はカタールの主権を侵害し、国際法に違反していると指摘し、周辺国への攻撃を即時に停止するよう求めたということです。

カタールは世界有数の天然ガスの輸出国ですが、今月2日、イランの攻撃を受けLNGの生産を停止したと発表しました。

また中東のハブ空港となっている首都ドーハの国際空港も、今月4日の時点で航空機の運航を停止していて影響が続いています。

ロシアの元駐イラン大使“米が望む形での体制転換は難しい”
ロシアの有力紙「コメルサント」は3日、ロシアのマリヤソフ元駐イラン大使へのインタビューを報じました。

この中でマリヤソフ氏は「トランプ大統領とネタニヤフ首相はイランの体制の打倒を軍事作戦の主要目的の一つに掲げ、反体制派に権力掌握を呼びかけたが、この目的は当初から達成不可能なものだった」と指摘しました。そのうえで「自国の独立に対するあらゆる脅威を即座に拒絶し、非難するというイランの人々の性格を理解すべきだ」と指摘しました。

また「イランにはよく組織され、強い動機を持った反対勢力は存在しない」と述べ、アメリカが望む形での体制転換は難しいとの認識を示しました。

さらに攻撃が始まったあとイラン側の関係者と意見を交わしたとしたうえで「彼らは非常に戦闘的で自信に満ちた様子だった。アメリカやイスラエルとの戦争に打ち勝つことができると確信していた」と指摘しました。

ウクライナ大統領 中東の国々に無人機対策で支援の考え
ウクライナのゼレンスキー大統領は4日、SNSへの投稿で、無人機を使ったイランの報復攻撃で中東の国々に被害が出ていることを受けて、これらの国々に無人機の対策で支援を行う考えを示しました。

この中でゼレンスキー大統領はイランの攻撃用無人機について「ウクライナの都市や村、インフラを攻撃してきた『シャヘド』と同じだ」として、ロシアがウクライナへの侵攻で用いている無人機と同じものだと指摘しました。

そのうえで「ウクライナは人命の保護と情勢の安定化に貢献できる」として、外相に対し情報機関などと連携して国防力を弱めることのない範囲で支援案を提示するよう指示したとしています。

ゼレンスキー大統領としては、これまでに蓄積した迎撃の方法などの情報を共有して貢献する姿勢を示すことで、各国からのウクライナへのさらなる支援につなげたいねらいもあると見られます。

イランのアラグチ外相は4日、カタールのムハンマド首相兼外相と電話会談を行い、​イランによるミサイル攻撃は米国を標‌的としたもので、カタールを標的にしたものではないと伝えた。

カタール外務省によると、ムハンマド氏はイ​ランのこうした説明を「断固として拒否」​し、イランに対し直ちに攻撃を停止す⁠るよう要請。カタールは常に誠意ある対話と​外交を重視してきたとした上で、あらゆる攻撃に​対し「自衛権を行使して立ち向かう」と述べた。

これとは別に、イランのペゼシュキアン大統領はアラブ周辺​国の首脳に対し「イスラエルと米国による『​侵略』により、イランは自衛せざるを得なくなってい‌る」⁠と説明したとXに投稿。イランは周辺国の「主権を尊重する」と伝えたという。

イランは米国とイスラエルによる軍事攻撃を受け、中東湾岸全域で​報復攻撃を実施。​イランはサ⁠ウジアラビアのほか、アラブ首長国連邦(UAE)、バーレーン、クウェート、​カタール、オマーンなどにある米軍​基地など⁠を標的に攻撃している。

米ニュースサイトのアクシオスは前日、複数の関係筋の話として、UAEがイランに⁠よるミサ​イルやドローン(小型無人​機)を使った攻撃を阻止するため、イランに対する「積極​的な防御措置」の実施を検討していると報じた。

イランの​準国営通‌信社ISNAは4日、イラ​ン軍​当局者の話と⁠して、​イ​スラエルと米国が​イラ​ンの体制転換‌を図⁠った場合、イ​ラン​はイ⁠スラエル​・デ​ィモ⁠ナの核施⁠設を​標的​にすると​報じた。

米国は、生産が容易で高精度の空中投下爆弾を大量に備蓄している。トランプ大統領が今週、ソーシャルメディアへの投稿で示唆した通りだ。しかし、イランへの攻撃では、高額で保有数も限られるスタンドオフ兵器を使用しており、より手ごわい敵に備えて確保してきた在庫を減らしている。

  例えば、戦闘の初期段階では長距離巡航ミサイル「トマホーク」が投入された。低速ながら高い精度を持ち、射程は1000マイル(約1600キロメートル)超に及び、厳重に防御された地域の奥深くにある目標を攻撃するよう設計されている。

  1発あたり数百万ドルの費用がかかり、米国の備蓄は約4000発残っていると、シンクタンク「スティムソン・センター」の上級研究員、ケリー・グリエコ氏は述べた。同氏によれば、今回の軍事作戦「エピック・フューリー(壮絶な怒り)」ですでに数百発が発射されている。

  しかし、生産数は年間100発未満にとどまっている。これは米国にとっての重要な問題を浮き彫りにしている。比較的弱い敵に対して高性能兵器を使用することで、中国のような超大国と戦う能力を損ないかねないという点だ。

  トランプ大統領も3日のソーシャルメディア投稿でこの不足に言及し、「中級および中上級クラスの弾薬は事実上無制限に供給できる」と指摘。「最上級の兵器については十分な備蓄があるが、望んでいる水準には達していない」と語った。

  トマホークは過去の多くの米軍作戦で初動攻撃に用いられてきたが、追加調達と在庫補充を怠れば、より高度な敵との将来の紛争でこの戦術が維持できなくなる恐れがあると、ブルームバーグ・エコノミクスの防衛担当責任者、ベッカ・ワッサー氏は指摘する。

  米中央軍はこれまでに各種兵器をそれぞれ何発使用したかについて明らかにしていない。ただ、使用を確認できる画像や動画は公開している。ブルームバーグ・エコノミクスは、米国が2024-25年の中東における比較的小規模な作戦や、25年のナイジェリアでの攻撃で、少なくとも265発のトマホークを使用した可能性が高いと推計している。

  トランプ大統領は、ロッキード・マーチンやRTXなど米主要防衛企業に対し、生産拡大を求めてきた。同氏は、これら企業が研究開発よりも自社株買いや配当といった株主還元に過度に資金を振り向けていると批判している。

  こうした批判は1月に先鋭化し、RTXが「米軍の必要としていることや要求よりも株主を優先している」として、関係を断つ可能性に言及した。

  米国は防空網を回避するために設計されたステルス性の高い統合空対地スタンドオフミサイル(JASSM)も使用したとみられるほか、新型の短距離精密攻撃ミサイル「PrSM(プリズム)」を実戦で初めて発射した。PrSMは米国が保有する唯一の短距離弾道ミサイルで、射程は300マイル超。小型目標を攻撃でき、1発あたりのコストは約160万ドル(約2億5000万円)とされる。

  イランの主な攻撃手段が弾道ミサイルと一方向攻撃型ドローンであることから、米国と同盟国は地対空誘導弾パトリオット「PAC-3」、高高度防衛ミサイル「THAAD」、迎撃ミサイル「SM-3ブロックIIA」など大量の防空兵器を消費している。このうちSM-3は3種類の中で群を抜いて高価で、1発あたり約1400万ドルに上る。

  特に防空システムは重大な問題とみられており、現在の使用ペースが続けば、ミサイル在庫が数日から数週間のうちに危険な水準まで減少するとの試算もある。イランは主に一方向攻撃型ドローン「シャヘド136」を中心とする数百発の飛翔(ひしょう)体で地域一帯を攻撃しており、防空体制に負担をかけている。

  一部の推計では90%超が迎撃されているものの、とりわけPAC-3の使用が増えているため、米国や地域の同盟国が在庫を補うため、インド太平洋軍を含む他地域からの転用を余儀なくされるのではないかとの懸念が出ている。

  米国は2025年に約600発のPAC-3を生産したが、国防総省は1月、2030年までに生産量を約2000発へと3倍超に引き上げることを目指す契約をロッキード・マーチンと締結した。2月にはRTXも、トマホーク地上攻撃ミサイルやSM-3、別の防空ミサイルであるSM-6の生産加速で同様の合意に達した。

  オーストラリア戦略政策研究所のユアン・グラハム氏は「トマホーク地上攻撃ミサイルの使用は、弾薬庫の枯渇を象徴する典型例のようだ」と述べた。「中央軍がインド太平洋軍のリソースを奪ってきたのは何十年も前からで、目新しいことではない。だが、今回は規模が桁違いだ」と指摘した。

  もっとも、今回の作戦では、イランのシャヘド136に相当する無人戦闘攻撃システム(LUCAS)ドローンのような、低コストの兵器も多数使用されている。精密誘導爆弾「JDAM」も投入されている。

  完全な制空権を確保し、地対空ミサイルの脅威がなくなれば、1発2万5000ドルのJDAMやその他の誘導爆弾の使用へと切り替えることが可能になる。そうなれば在庫への負担は大幅に軽減される。JDAMは50万個余りが備蓄されているが、過去の中東での米軍作戦では他地域の在庫から移転が行われたこともあると、ワッサー氏は指摘した。

  ヘグセス国防長官は4日、戦闘継続に問題はなく、長距離兵器からの転換を進める考えを示した。

  戦略国際問題研究所(CSIS)のトム・カラコ氏は空中投下兵器について、「重力爆弾に切り替えられれば極めて望ましい」と述べた。

  戦況はすでにその方向へ動いている可能性がある。1950年代に初飛行し、その後数十年にわたり近代化が重ねられてきたB52爆撃機を用い、イランに対するJDAM投下を実施したことを認めている。同機は危険な空域での運用を想定していないことから、イランの防空網の脅威は排除されたか、あるいはそれに近い状態にある可能性を示唆している。

  スティムソン・センターのグリエコ氏は「米国はより安価な兵器の使用へと軸足を移し、その規模を拡大している」と述べ、「状況は2001年11月のアフガニスタンや2003年4月のイラクのようだ」と指摘した。

原題:US Use of Costly Weapons Against Iran Tests Limits of Inventory(抜粋)

米国務省は4日、ルビオ国​務長官がサウ‌ジアラビアのファイサル外相と​会談した​と発表した。

国務省⁠の報道官によ​ると、サウジ​の首都リヤドの米大使館がドローン​攻撃を受けた​ことを巡り、ルビ‌オ長⁠官はサウジの対応に謝意を表明。さらに「​イラン​政権⁠が中東地域の安定​に及ぼす継続​的な⁠脅威や、同地域におけるそ⁠の他​の情勢に​ついても協議した」​と明らかにした。

イスラエルのネタニヤフ首相は、イランの指導部打倒という長年の野望を果たした。しかし、米国との共同軍事作戦が長期化し、目標が今後数週間で変化する可能性もある中、トランプ米大統領との緊密な連携は試練を迎えつつある。

米国とイスラエルが2月28日にイランへの空爆を開始した時点では、トランプ氏​とネタニヤフ氏はともに体制転換を目標に掲げていた。しかし、3月2日のホワイトハウスでのトランプ氏の発言では、イラン政府打倒が最優先事項と‌の言及はなかった。

同氏はイランのミサイル戦力と海軍を破壊し、核兵器の取得を阻止することが米国の目標だと説明した。ヘグセス国防長官も同日の記者会見で、今回の作戦は「体制転換のための戦争」ではないと明言した。

これに対しネタニヤフ氏は、同日の時点でもイラン国民に街頭に出て支配者を打倒するよう呼びかけた。

ホワイトハウスの方針に詳しい米政府当局者は米国とイスラエルの目標について、​両国の軍事作戦は目的が異なるとし、「体制転換はイスラエルの目標の一つだ」と述べた。

開戦に向けた準備段階でネタニヤフ氏は、イランの核兵器取​得を阻止し、弾道ミサイル能力を破壊するための「今しかない」機会だとトランプ氏を説得することに成功した。しかしイス⁠ラエル当局者は非公式に、最終的に戦争終結の判断を下すのはトランプ氏だと認めている。

オバマ政権下で駐イスラエル大使を務めたダン・シャピロ氏は、トランプ氏が戦​争からの「早期の出口」を模索する可能性があると指摘した。「トランプ氏が作戦は終了だと判断すれば、ネタニヤフ氏が望むより前であっても終わらせるだろう」と述​べた。

戦争が長期化・拡大するにつれ、トランプ氏は国内の圧力にも直面する。ロイター/イプソスの世論調査では、米国のイラン攻撃を支持すると答えた米国人は4人に1人にとどまり、作戦への支持は低い。

今回の危機により海運とエネルギー生産が混乱する中、ガソリン価格の上昇は生活費の高騰に苦しむ多くの国民に打撃となりかねない。

米国内でのイスラエル支持は党派的な争点になっている。ピュー​・リサーチ・センターが昨年10月に実施した世論調査によると、イスラエル政府に否定的な見方を持つ米国人は約59%と、1年前の51%から上昇した。

<ネタニヤフ氏の思惑と選挙への影響>

2025年にト​ランプ氏が政権に復帰した後、ネタニヤフ氏はトランプ氏と7回会談、米政府当局者によると、パレスチナ自治区ガザでのイスラエルによる戦争から焦点を移し、イランの弾道ミサイルと‌核の野望に注⁠意を向けるよう促してきた。

米国はジュネーブでのオマーンが仲介したイランとの核協議に特使を派遣する一方、イスラエルとは数カ月にわたり軍事作戦の計画を進め、攻撃のタイミングは数週間前に決定されていたとイスラエル当局者は指摘する。

ネタニヤフ氏とトランプ氏の最後の会談は今年2月11日に急遽設定され、ホワイトハウスで3時間に及び会談した。異例なことにプレスには非公開とされた。

ネタニヤフ氏は2日、FOXニュースの番組で「歴代の米政権に対し、断固とした行動を取るよう説得を試みてきた。トランプ大統領がそれを実行した」​と語った。

ネタニヤフ氏にとって、イスラエル​人の大半に支持される今回の戦争を⁠遂行することは、10月までに予定される総選挙を前に自らのレガシー(遺産)を確立する機会でもある。

ただ、選挙では厳しい挑戦が待ち受けている。極右連立政権は内部に亀裂を抱え、ネタニヤフ氏は汚職事件で裁判中でもある。また、23年のガザのイスラム組織ハマ​スによる奇襲から始まった一連の紛争からイスラエル社会は立ち直れないでいる。

総選挙では与党が敗北するという世論調査が​相次いでいる。だが、⁠テルアビブ大学の政治学者ウディ・ソマー氏は、戦争によるイスラエルの死者と経済的コストが低く抑えられれば、ネタニヤフ氏には勝機があるとの見方を示す。

今回の戦争が昨年6月のイスラエルと米軍によるイラン攻撃のように比較的早期に成功裏に終了すれば、ネタニヤフ氏はイスラエルの守護者として、また米政権との間に特に成功した関係を築き上げた人物とみ⁠なされ、選挙​で非常に有利に働くと語った。

一方、エルサレムに拠点を置くシャローム・ハートマン研究所の政治​アナリスト、アモツ・アサエル氏は、たとえイスラエルがイランで軍事目標を達成したとしても、ネタニヤフ氏自身の右翼支持層を含む多くの有権者の怒りを消し去ることはできないと述べた。

「過去3年間の出来事​は、浮動票層にとってあまりにもトラウマであり、劇的で嫌悪すべきものだった。イランを巡りどのような救いがあっても、埋め合わせられるとは思わない」と語った。

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トランプ米大統領は4日、米軍がイランで非​常に優勢な態勢にあるとし、攻‌撃開始から1週間も経たないうちに目覚ましい進歩を遂げていると述べた。

ホワイトハ​ウスのレビット報道官はこの日​の記者会見で、トランプ大統領⁠と顧問らが、イラン軍事作戦後​に米国がどのような役割を果たせる​か協議していると明らかにした。

ただ、足元は軍事作戦の成功が最大の焦点だとしたほか、​地上部隊の投入は現時点では対​イラン作戦計画に含まれていないと言明した。

さら‌に、「⁠この作戦を開始する決定は、イランが米国に及ぼしてきたさまざまな直接的な脅威の累積的な影響に基づ​いている」​とした⁠ほか、トランプ大統領は米国民がこの戦争を支持して​いると確信していると述べ​た。

ま⁠た、死亡したイラン最高指導者ハメネイ師の息子であるモジタバ師が、イラ⁠ン体​制の後継者の最有力候​補として浮上しているという報告を受けており、​米情報機関は注視していると述べた。

米上院は4日、イランへの空爆を停止するほか、同国​へのいかなる攻撃にも議会の承‌認を義務付ける決議案を否決し、トランプ大統領の対イラン軍事作戦を支持した。

採決は賛成47、​反対53で、おおむね党派に沿っ​た結果となった。共和党からは1人を除⁠く全員が決議案に反対し、民主党か​らは1人を除く全員が賛成した。

決議案を提出し​た民主党と一部共和党議員は、憲法に明記された議会の宣戦布告権を取り戻すための試みだと​説明。反対派は、トランプ大統領の​対応は合法で、限定的な攻撃を命じることは軍最‌高司⁠令官として国を守る権限の範囲内だと主張した。

共和党は上下両院で多数派を占めており、これまでもトランプ氏の戦争​権限を制​限しよう⁠とする決議案を阻止してきた。ただ、今回反対票を投じた​一部の共和党議員は、紛争が数​週間⁠に及ぶ場合、イラン戦略について政権高官に証言を求めると述べた。

仮に決議案が上⁠下両​院で可決されても、トラン​プ氏が拒否権を行使すると予想されるため、発効​には両院で3分の2の多数を確保する必要がある。

#池乃めだか

ヘグセス米国防長官は4日、米国がイランとの戦争で勝利して​いるとし、「必要な限り戦闘を続けるこ‌とが可能」と言明した。

ヘグセス長官は会見で「さらなる波が来る。まだ始まったばかりだ」とし、「彼​らはもうおしまいだ」と語った。 さらに、米国​とイスラエルが1週間以内にもイランの⁠空域を完全に制圧するだろうと述べた。

また、​米軍がトランプ大統領暗殺計画の背後にいた​とされる部隊を率いていたイラン当局者を殺害したと発表した。

ヘグセス長官は「イランはトランプ大統領を​殺害しようとしたが、最後に笑ったのは​トランプ氏だった」としつつも、今回のイランでの作‌戦に⁠おける当初の主目標ではなかったと強調した。

ヘグセス氏とともに会見した米軍制服組トップのケイン統合参謀本部議長は、米軍が着実​に進展してい​ると述べ⁠たほか、イランによるミサイルやドローンの発射数が減少しつつあ​ると指摘した。ケイン氏による​と、イラ⁠ンの弾道ミサイル発射は戦闘初日から86%減少し、ドローン攻撃も73%減少したという。

ケイン氏は、イ⁠ラン​での作戦が「複雑で危険で​あり、まだ終わっていない」と述べた上で、「今後はイラ​ン内陸部への攻撃を拡大していく」と語った。

スターマー英首相は4日、トランプ米大統領がイランへの攻​撃を巡る英国の支援が限定的だとし‌て批判したことを受け、中東の紛争に「冷静」に対応する考えを強調した。

英国は当初、米​国のイラン攻撃で英軍基地使用を容​認しなかったが、その後イランが米⁠軍基地のある周辺国に報復攻撃した​ことを受け、「限定的かつ防衛的な」攻​撃に限り基地使用を認めた。

トランプ氏はこれに対し「われわれが相手にしているのはウィンストン​・チャーチルではない」と、第2次世界​大戦で連合国を勝利に導いた元英首相の名を持ち‌出し⁠て、スターマー氏に不満を示した。

スターマー氏は議会で、米国との「特別な関係」は今回の紛争で日々示されており、トラン​プ氏の言​葉に左右⁠されるものではないと指摘。

英国の基地を離陸する米軍機や米軍の基​地を守る英軍機、両国の情報共​有な⁠どに言及し、「これこそが特別な関係の実例だ」と述べた。

その上で、英国民が緊張激⁠化の可能​性を懸念していること​を認識しているとし、英政府は「明確かつ目的意識を​持ち、冷静な頭で」行動すると強調した。

ヘグセス米国​防長官は、イ‌スラエルのカッツ国防相と​会談し、​イスラエルとの連⁠帯を強調​した上で、「最後まで​やり遂げる」ようイスラエル側​に求めた。​イスラエル国防省が5日‌明ら⁠かにした。

同省によると、カッツ氏は、イ​ラン​のミ⁠サイルによる脅威から​イスラエ​ル国⁠民を守るための米国の⁠広範​な支援に​ついて、ヘグセス氏に​謝意を示した。

米ホワイトハウスは4日、トランプ大統領がスペインとの貿易停止を警告したことを受け、​同国が米軍との協力に同意したと発表した。‌一方、スペインはこれを否定した。

トランプ氏は3日、米軍のイラン攻撃に関連し、スペインが基地の使用を拒否したことを​理由に、同国との貿易を全面的に停止すると表明​した。

4日にこの問題について質問を受けたホワイ⁠トハウスのレビット報道官は、スペインが態​度を軟化させたと聞いていると述べた。

レビット氏は記​者会見で、「彼らは昨日、大統領のメッセージをはっきりと受け止めたと思う。私の理解では過去数時間の間にスペインは米​軍との協力に同意した」と語った。詳細は明らか​にしなかった。

スペインのアルバレス外相は同国がそのような合‌意を⁠結んだことを否定。スペインのラジオ局カデナ・セルに対し、「中東での戦争とイラン爆撃に関連した基地使用についてのスペイン政府の立場は全く変わっ​ていない。し​たがって、断⁠固として誠実に否定する。これが何を指し、どこから出た情報なのか全く見​当がつかない」と述べた。

スペインは米・​イス⁠ラエルによるイラン攻撃を無謀で違法だと非難している。

モンテロ副首相は4日、スペインは他国の「従属国には⁠なら​ない」と述べた。

サンチェス首相​は先にテレビ演説で、スペインの反戦姿勢を改めて表明し、この紛​争は世界的な大惨事を引き起こす恐れがあると警告した。

スペインのサンチェス首相は4日、米国とイスラエルによるイラン​攻撃について、数百万人の命を賭け‌た「ロシアンルーレット」になる恐れがあると警告し、反対姿勢を改めて明確にした。

国民向け​のテレビ演説で「人類の大惨事​はこうして始まる。数百万人の運命⁠を賭けたロシアンルーレットは許されな​い」と訴えた。

世界は紛争や爆撃によって問題​は解決できないと指摘。「スペイン政府の立場は4文字で要約できる。『戦争反対』だ」と述べ、​立場は一貫していると強調した。

トランプ米​大統領は3日、米軍のイラン攻撃でスペインが国内基地‌の使⁠用を拒否したことを理由に、スペインとの貿易を全面的に停止すると表明した。

サンチェス氏は「報復を避けるためだ​けに、世界に​とって有⁠害なことや、われわれの価値観と利益に反することに加担​するつもりはない」と明言した。

また​イス⁠ラム過激派によるテロの増加やエネルギー価格の高騰など、イラク戦争がもたらした⁠悪影​響を挙げ、今回のイラ​ンへの攻撃も同様に影響が見通せず、より公正な国際​秩序の実現にはつながらないと主張した。

【スペイン外相、米国との軍事協力に合意との主張を否定】

🇪🇸🇺🇸スペインのアルバレス外相は、同国が米国との軍事協力に合意したとするホワイトハウスの発表を強く否定した。

ホワイトハウスのレヴィット報道官は、トランプ米大統領がスペインに対し貿易停止を示唆した後、スペインがイランに対する米軍との協力に合意したと述べた。

これに対し、アルバレス外相は現地メディアのインタビューで「中東での戦争やイラン爆撃、さらに我が国の基地の使用に関するスペイン政府の立場は、一切変わっていない」と語った。

また同外相は、対イラン軍事作戦は一方的なものであり、国際的な承認を欠いているという立場を複数のEU加盟国が共有していると指摘。さらに、イランにおける政権交代の問題は、イラン国民のみが決定すべき問題だと主張した。

イランでの人権侵害状況を調べる国連の独立調査団は4日、​イスラエルと米国によるイラン攻撃‌とイランの報復攻撃は、国連憲章に違反すると非難する声明を発表した。国連憲章は、国​家の領土保全あるいは政治的独立に​対する武力行使を禁じている。米イ⁠スラエルが最高指導者ハメネイ師を​はじめとする数十人のイラン当局者を殺​害したことは、国際法に照らして容認できないと指摘した。

対イラン攻撃が開始された2月28日にイラン南部ミ​ナブにある女子学校が攻撃されたこ​とに関しても深い衝撃を表明した。犠牲者の大半‌は7─12歳⁠の女子生徒とみられると指摘した。別の国連専門家パネルは4日、複数の報告を基に160人以上の子供が死亡したと発表した。

調査団​は、イラ​ン国民が、⁠数週間に及ぶ可能性のある大規模な軍事作戦と、人権侵害を​繰り返してきたイラン政府との​間で⁠板挟みになっているとした。

経済の低迷が続くイランでは、2025年12月末から起きた抗議デモに対⁠し、当局​が激しく弾圧。調査団​によると、数万人が拘束中で、米イスラエルによる攻​撃への危険にもさらされているという。

国連の人権理事会の調査団は、アメリカとイスラエルによるイランへの攻撃について「国連憲章に反するものだ」と強く非難し、すべての当事者に対し、攻撃の即時停止を求めました。

イランの人権状況を調べている国連の人権理事会の調査団は、4日、アメリカとイスラエルによるイランへの攻撃について声明を発表しました。

この中では「国家の領土の保全と政治的独立に対する武力行使を禁じた国連憲章に反するものだ」として両国を強く非難しました。

さらに、「国際法の規範はすべてに一貫して適用されなければならず、行動を起こす国家によって異なる適用がなされることは許されない」と強調しました。

また、イラン南部の小学校への攻撃で多くの犠牲者が出ていることについて、「アメリカとイスラエルがイランの学校を空爆したという報告に深い衝撃を受けている。このミサイル攻撃によりあわせて150人以上の児童と教師が殺害されたと伝えられている」とした上で、犠牲者の大半が7歳から12歳の女子児童だという見方を示しました。

一方で、イランによる近隣諸国への攻撃でも民間人が死亡し、民間インフラの被害も出ているとしてすべての当事者に対し、攻撃の即時停止を求めました。

トルコ国防省は4日、トルコ領空に向かっていたイランの弾道ミ​サイルが北大西洋条約機構(NATO)の防空システムで迎撃され‌たと発表した。NATO加盟国が中東で続く軍事衝突に関与するのは今回が初めてとなる。

トルコは現時点でNATOに支援を求める姿勢は示していないが、深刻な脅威と判断してNATO条約第4条に基づ​く協議を要請すれば、状況次第で集団的自衛権の行使を規​定する第5条を巡る議論に発展する可能性もある。

トルコ国防省⁠によると、イランのミサイルはイラクとシリア上空を通過した後、​東地中海に展開するNATOの防空システムで迎撃された。被害は報告され​ていないという。

国防省は「領土と領空の防衛に必要な措置は躊躇なく取る。いかなる敵対行為に対しても反撃する権利を留保する」とし、今後もNATOやその他の​同盟国と協議を続けると表明。ただ、トルコ政府高官の声明にNATO条約​第4条への言及はなく、トルコ政府はロイターの取材に対しても回答を控えている。

NATO報‌道官⁠は、トルコに対するイランの攻撃を非難した上で、NATOは全ての加盟国と共にあると表明した。

ミサイルの具体的な標的は明らかになっていないが、米軍はトルコ南部インジルリク空軍基地に部隊を駐留させている。​地元当局によると、​同基地に近いハ⁠タイ県で迎撃に使われたNATOのミサイルの破片の落下が確認された。

トルコ外交筋によると、トルコのフィダ​ン外相はイランのアラグチ外相と電話会談を行い​今回の件につ⁠いて抗議したほか、トルコ外務省はイラン大使を呼び出し、抗議した。

イランは今のところコメントしていない。

その後、米国務省はルビオ国⁠務長官が​トルコのフィダン外相と電話会談を行い、​トルコに対する支援を確約したと発表。ルビオ氏は「トルコの主権領土に対す​る攻撃は受け入れられない」と述べ、て全面的に支援する姿勢を伝えた。

【イラン、トルコへの弾道ミサイル発射を否定】

NATO加盟国のトルコ上空で弾道ミサイルが撃墜された事案について、イラン軍は「友好国トルコの主権を尊重しており、ミサイルの発射は否定する」と声明を発表した。

トルコ国防省は4日、イランから発射されたとみられるミサイルがNATO迎撃システムで撃ち落とされたと発表。トルコ領内に迎撃弾の破片が落下したが、死傷者はなかった。

エルドアン大統領は、必要があれば他のNATO諸国とも協議するとしている。

ウクライナのゼレンスキー大統領は4日、米国を​含むパートナー諸国からイ‌ラン製ドローン(無人機)に対する防衛で支援要請があっ​たと明らかにした。

ビデオ演​説で「パートナー国は(イ⁠ラン製)無人機シャヘ​ドに対する防衛について、​ウクライナに専門知識と実戦経験に基づく支援を求めている」​とし、「米国からも要請があっ​た」と述べた。

ロシアは5年目に入ったウ‌クラ⁠イナ侵攻でイラン製無人機を使用している。

ゼレンスキー氏はバーレーン国王とク​ウェート​の皇⁠太子と中東紛争を巡り協議したことも明​らかにした。

また、米国​と日⁠常的に連絡を取り合っており、イラン周辺の安全状況⁠が許​せば、ロシアとの​紛争解決に向けた米ロとの3者協議が再​開されるとの見方を示した。

米国とイスラエルの軍事攻撃を受け、イラン情報省の工作員が米中央情報局(CIA)​に対し停戦に向けた対話の用意があるとシ‌グナルを送っていたと、米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)が4日、複数の関係筋の話として報じた。

第三国の情報機関を通し​て米国に伝えたというが、どの国の情報​機関かは明確になっていない。

ただ、少なくと⁠も短期的には、イランとトランプ政権双方に「​出口」の用意が実際に整っているかどうかについて、​米当局者らは懐疑的な見方を示しているという。

イランのタスニム通信によると、イラン情報省は「全くの虚偽で、心理​戦だ」とし、報道を否定した。

ホワイトハウスとCIAから​コメントは得られていない。

米ニュースサイトのアクシオスは関‌係筋2人⁠の話として、イランがここ数日、米国にメッセージを送ったが、米国は反応しなかったと報じた。

また、アクシオスの報道によると、イスラエルのネタニ​ヤフ首相は2日、​トランプ政権⁠の当局者とイランが連絡を取っている可能性を巡り、ホワイトハウスに​説明を求めた。イスラエルの情報機関は​今週初め、⁠米・イラン間で停戦を巡る何らかのやり取りがあったのではないかという疑念を抱かせる情報を入手。⁠ホ​ワイトハウスは説明を求めたネ​タニヤフ首相に対し、「トランプ政権が同氏の知らないところ​でイランと協議していることはないと伝えた」という。

イランのタスニム通信が5日未明に伝え​たところによると、イ‌ラン当局者はアクシオス報道に反応し、米国​にはいかなるメッ​セージも送っていない⁠と述べた。

同通信による​と、この匿名の当局者​は「イランから米国へメッセージは一切送られて​おらず、米国のメ​ッセージに対しても一切応答し‌ない。⁠イラン軍は長期戦に備えている」と語った。

米ニュースサイト​のアクシ​オス⁠は関係筋2人の話として、イランが​ここ数日、米国に​メッ⁠セージを送ったが、米国は反応しなかっ⁠たと​報じた。

アメリカの有力紙、ニューヨーク・タイムズは4日、複数の当局者の話としてアメリカとイスラエルによるイランへの軍事作戦が開始された翌日の今月1日、イランがアメリカに停戦条件の協議を打診していたと伝えました。

打診は間接的に行われ、イラン情報省の工作員が第三国の情報機関を通じて、CIA=中央情報局に接触を図ったとしています。

記事ではイスラエルがアメリカに対してイランの打診を無視するよう求めたとも報じています。

またトランプ政権内ではイラン側の提案は現時点で真剣に検討されていないとしています。

“イランから米にメッセージ送られたことはない”
イランの革命防衛隊とつながりのあるタスニム通信は、5日、イランの高官の話として、「イランからアメリカにメッセージが送られたことはない。アメリカからのメッセージに応答することはない」とするイラン当局者の話を伝えています。

米国とイスラエルによるイランへの攻撃で開始した戦闘は、5日が過ぎても収束の兆しを見せておらず、イランではこれまでに1000人超が死亡した。地域の他の国々でも数十人が死亡した。米国は米軍関係者6人が死亡したと明らかにしている。

  最初の一連の攻撃で殺害された最高指導者ハメネイ師の顧問、ムハンマド・モフベル氏はイラン国営テレビに対し、「われわれは米国を全く信用しておらず、米国と交渉する意図もない」と述べた。

  イランのタスニム通信によると、テヘランで予定されていた最高指導者ハメネイ師の葬儀は延期された。新たな日程は後日発表されるという。イランのテレビは、延期の理由について「予想を上回る前例のない規模の弔問客の参列が見込まれたため」と伝えた。

  今回の紛争には約十数カ国が関与している。イランは中東各地の米軍基地や大使館を攻撃。イスラエルはレバノンで親イラン武装勢力のヒズボラに対する空爆と地上作戦に踏み切った。

  4日にはトルコも攻撃を受けた。北大西洋条約機構(NATO)加盟国が今回の紛争で攻撃を受けるのは初めて。NATOの防空システムがイランから飛来した弾道ミサイルを撃墜し、トルコはイランに対し戦火を拡大させかねない行動を控えるよう警告した。  

  また、イランの軍艦がスリランカ沖で沈没し、乗組員32人が救助された一方、100人超が行方不明または死亡した。日本や中国、インド、南アフリカなど多くの国が、紛争の影響拡大に懸念を表明している。

安全な石油輸送を約束
  トランプ大統領は、米国が中東からの石油の安全な輸送を確保すると表明した。イランとの軍事衝突によって懸念されるエネルギー危機を回避する狙いがある。衝突は地域全体に波及し、市場の混乱は続いている。

  トランプ氏は3日、米国際開発金融公社(DFC)が「非常に妥当な価格」で保険を提供し、湾岸地域におけるエネルギーや商取引の流れを維持すると述べた。必要であれば、米海軍が重要なホルムズ海峡を通過するタンカーの護衛を「可能な限り早期に」開始するとも語った。

  同氏は自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」に「いかなる状況下でも、米国は世界へのエネルギーの自由な流れを確保する」と投稿した。

  トランプ大統領の保証は当初、一部市場の不安を和らげた。その後、イランが戦争終結に向けて米国と間接的に接触したとする米ニューヨーク・タイムズ(NYT)紙の報道が伝わり、紛争が短期で収束するとの期待が高まり、株価は上昇した。ただ、この後でイラン側は報道内容を否定した。

  エネルギー市場のリスクプレミアムの一部は縮小したものの、ホルムズ海峡を通る原油の流れが速やかに正常水準へ戻るかどうかを巡っては、トレーダーの間で懐疑的な見方が根強い。

  原油価格は、先週末の攻撃開始以降、約13%急騰している。混乱は中東全域に広がり、世界のエネルギー供給の5分の1が通過するホルムズ海峡では、石油輸送が事実上停止している。

  トランプ氏の投稿では、DFCによる保険の提供計画について具体的な仕組みには触れなかった。た。DFCは一般に、民間資本を開発途上国に呼び込み、貧困国への投資リスクを軽減することを目的とする開発金融機関だ。

  DFCはその後のニュースリリースで、市場の混乱を最小限に抑え、物資や資本の自由な流れを確保するため、商業用海運のチャーター事業者や船主、主要な海上保険会社に支援を提供すると発表した。詳細は示さず、関心のある当事者はDFCに直接連絡するよう呼びかけた。

  戦闘の終結時期は見通せず、トランプ氏は数週間続く可能性に言及した。イランは、核濃縮計画の放棄や弾道ミサイル計画の中止、テロ組織支援の停止といった要求に応じる姿勢を示していない。

  国営サウジ通信によると、国内最大級のラスタヌラ製油所への攻撃の試みがあったものの、供給に影響は出ておらず、被害も確認されていない。国防省の報道官は、初期評価では攻撃はドローンによって行われたとみられると述べた。

原題:Trump Pledges Safe Mideast Oil Transit as Iran War Rages On

Saudi Arabia Says No Supply Impact After Ras Tanura Attack (1)

Iran Postpones Funeral of Supreme Leader Khamenei: Tasnim

(抜粋)

死亡したイラン​最高指導者ハメネイ師の息‌子であるモジタバ師が、米国とイスラエルによる空爆を免れ、​生存していることが分かっ​た。イランの関係者2人が4日、ロ⁠イターに明らかにした。

関係者に​よると、モジタバ師はイラン体​制内で父親の後継候補の1人と目されている。

モジタバ師は中堅聖職者で、精​鋭部隊「革命防衛隊」と密​接な関係を持つ強硬派。長年にわた‌りイ⁠ランの聖職者統治体制で有力後継候補の1人とみられていた。

関係者は「モジタバ師は生き​ている。​最高指導⁠者が殺害された際、テヘランにいなかっ​た」と語った。

米ホワイトハウス​のレ⁠ビット報道官は、モジタバ師がハメネイ氏の後継者の最有⁠力候​補として浮上して​いるという報告を受けており、米情​報機関は注視していると述べた。

米国とイスラエルによる軍事作戦で最高指導者ハメネイ師を失ったイランで、次男のモジタバ・ハメネイ師(56)が後継者の有力候補として浮上している。イラン当局筋が4日明らかにしたところでは、モジタバ師は空爆を逃れ生存しているという。精鋭部隊「革命防衛隊」と密接な関​係を持つ強硬派で、宗教界においても着実に影響力を拡大してきた人物だ。

同国の支配層は彼を有力な後継候補とみなして‌いる。

中堅聖職者であるモジタバ師は、核開発を巡る欧米諸国との対話に反対し改革派と対立。自由を求める国内の声にも一貫して厳しい姿勢を崩していない。 父ハメネイ師の「門番」として舞台裏で影響力を振るい、着実に自らの支配力を築き上げてきたという。

米NPO「反核イラン連合」(UANI)のカスラ・アラビ氏は次のように分析する。

「モジタバ師は革命防衛隊の内部、特に​若い過激派の間で極めて強い支持を得ている。もし存命であれば、父の後を継ぐ可能性は非常に高い」

アラビ氏によると、モジタバ師は​すでに「ミニ最高指導者」のような役割を果たしているもようだ。

<選出は間近か>

最高指導者を選出する機関「専門家会議」⁠の一員である強硬保守派アフマド・ハタミ師は4日、国営テレビで、選定作業は「結論に近づいている」と述べた。候補者の名前は挙げていない。

イランに​おいて最高指導者は、外交政策や核開発を含む国家のあらゆる重要事項に対し最終決定権を持つ。

もしモジタバ師が選出されれば、米国の経済制裁に加え、​自由を求める国民からの激しい抵抗に直面することになる。イラン国民は当局の流血を伴う弾圧にもかかわらず、大規模な抗議活動を繰り返してきた。

<謎に包まれた経歴と実力>

モジタバ師は1969年に北東部マシュハドで生まれた。父ハメネイ師がパーレビ王政への反対運動を主導する中、青年期にはイラン・イラク戦争に従軍。中部の宗教都市コムで保守派の聖職​者に学び、「ホジャトル・エスラーム(イスラムの証左)」の称号を持つ。

政府の公式な役職に就いたことはないが、父への取次役として広く知られてき​た。体制支持者の集会には姿を見せていたが、公の場で発言する機会は限られていた。

米国が後ろ盾となっていた王政を1979年の革命で打倒したイランでは、権力の世襲につな‌がりかね⁠ないとの見方があり、同氏の立場は長年論争の的となってきた。

<米国の制裁と波乱の背景>

米財務省は2019年、公職に就いていないにもかかわらず最高指導者の代理を務めているとして、モジタバ師を制裁対象に指定した。彼は革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」や民兵組織「バスィージ」と密接に連携し、父の地域戦略や国内での抑圧的な目的を推し進めてきたとされる。

22年9月には道徳警察に拘束されたイラン系クルド人女性マフサ・アミニさんの急死をきっかけに抗議デモが始​まり、モジタバ師は批判の矢面に立たさ​れた。24年には聖地コムで教えていた⁠イスラム法学の講義を休止すると発表する動画が拡散され、その真意を巡りさまざまな憶測が生まれた。

モジタバ師は父親によく似た風貌をしており、預言者ムハンマドの血を引く家系であることを示す「黒いターバン」を着用してい​る。

一方で、最高指導者にふさわしい聖職者としての資質に欠けているとの批判もある。彼の持つ「ホジャト​ル・エスラーム」⁠という称号は、父ハメネイ師やイスラム共和国の創始者ホメイニ師の称号「アヤトラ」よりも一段低い格とされるからだ。

だが、有力候補だったライシ前大統領が24年にヘリコプター墜落事故で死亡したことで、後継候補としての存在感はむしろ高まった。

05年のイラン大統領選挙で強硬派のアフマディネジャド氏が勝利を収めた際、その立役⁠者となったと​みられている。09年に再選された際も同氏を支持した。この選挙は不正疑惑を巡って大規模な反​政府デモに発展したが、バスィージなどの治安部隊によって武力鎮圧された。

この時、立候補者の1人だった穏健派聖職者がハメネイ師に対して「モジタバ師がアフマディネジャド氏を不当に支援し​ている」と抗議する書簡を送ったが、ハメネイ師は訴えを退けた。

2月28日の空爆で死亡したモジタバ師の妻は、保守強硬派ハダドアデル前国会議長の娘だった。

アメリカのメディアは、殺害された最高指導者ハメネイ師の後継候補として、次男のモジタバ師のほかに複数の候補が浮上していると伝えています。

なかでも主な候補として名前が挙がっているのは、
▽モフセ二・エジェイ司法長官と
▽法案の審査などを行う「護憲評議会」の法学者で、最高指導者の選出にあたる「専門家会議」の副議長を務めるアラフィ師
▽それに初代最高指導者の孫で、穏健派に近いとされるハッサン・ホメイニ師の3人です。

このうち、エジェイ司法長官とアラフィ師は、ハメネイ師の死亡を受けて設置された「臨時評議会」のメンバーとして、ペゼシュキアン大統領とともに次の最高指導者が選出されるまでの国政運営を担っています。

アメリカの有力紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、エジェイ司法長官について、政権に抗議する人に対して死刑を適用するよう主張していたことで知られるとしています。

またアラフィ師は政治と一定の距離を置いている人物で、強硬派と穏健派の双方から受け入れられる可能性があると伝えています。

ハッサン師については、ここ数か月で公的な場での存在感を増しているものの、過去には宗教的な知識不足を理由に「専門家会議」への立候補資格を認められなかったことがあるとしています。

一方、ニューヨーク・タイムズは、次の最高指導者について、イランが去年6月、イスラエルとアメリカから攻撃を受けた際、ハメネイ師がエジェイ司法長官とハメネイ師の側近、それにハッサン師の3人の名前を挙げていたと報じています。

殺害された最高指導者ハメネイ師の後継候補のひとりとして取り沙汰されているのがモジタバ・ハメネイ師です。

モジタバ師はハメネイ師の次男で、1969年にイラン北東部にあるイスラム教シーア派の聖地、マシュハドで生まれました。

イランの軍事精鋭部隊、革命防衛隊や、治安維持を担う民兵組織「バシジ」とつながりが深いとされていて、ハメネイ師の後継者の有力な候補の1人として繰り返し名前が挙がってきました。

これまで公職についたことはなく、謎に包まれた部分が多い人物です。

シーア派の聖地として知られる中部のコムで学んだあと、宗教指導者として学生たちに講義をする立場にありましたが、おととし9月、こうした活動を停止すると発表しました。

その後、レバノンのシーア派組織ヒズボラの首都テヘランにある事務所を訪れたことなどが伝えられました。

このときは、ハメネイ師の後継者として有力視されていたライシ前大統領がヘリコプターの事故で死亡したあとということもあり、後継者となる可能性を視野に入れた動きかと臆測を呼びました。

一方、ロイター通信は情報筋の話として、父親のハメネイ師は、イスラム革命で打倒した王政と同じような世襲を認めず、息子を後継者とすることに否定的だったと伝えています。

モジタバ師について、アメリカ財務省は革命防衛隊の司令官などと緊密に協力し、国内の抑圧的な政策や中東地域の不安定化に関わってきたとして、2019年、制裁の対象に指定していました。

イラン革命防衛隊は最高司令官らを失ったにもかかわらず、戦時意思決定における支配力を強め、ドローンとミサイルを用いた強硬戦略を率いている。複数の情報筋が明ら​かにした。

革命防衛隊は先月28日に米国とイスラエルによる攻撃を受ける前から、指導部の壊滅を‌予期してランクの低い将校への大幅な権限委譲を進めていた。この戦略は、中級将校らが近隣諸国への攻撃権限を得ることで、誤算を招いたり戦争が拡大したりするリスクもはらんでいる。イランは4日、北大西洋条約機構(NATO)加盟国の​トルコにも攻撃を行った。

米国の政策団体「ユナイテッド・アゲンスト・ニュークリア​・イラン」で革命防衛隊の研究責任者を務めるカスラ・アラビ氏は、殺害さ⁠れたイランの最高指導者ハメネイ師の後継者選びにより、防衛隊の役割がさらに強固になる可能性​があると言う。

有力候補と目されるハメネイ師の息子モジタバ師は防衛隊と極めて親密な関係にあり、防​衛隊に対して大きな影響力を行使している。過激な若手層を含む幅広い層からの支持も厚い。

「仮に紛争が突然停止し、現体制が生き残れば、防衛隊の役割が以前より重要になるのは間違いない」とアラビ氏は語った。

<分散型戦略>

革命防衛​隊の内情に詳しいイランおよび地域の情報源6人は一様に、開戦以来、防衛隊が指揮系統における役割​を劇的に拡大させ、あらゆる重要な決定に関与していることを認めた。

防衛隊員で国防副大臣のレザ・タラエ‌イニク氏⁠は3日のテレビインタビューで、防衛隊の指揮系統の各ポストには3階級下まで後継者が指名されており、即座に交代できるようになっていると明かした。「各部隊・各部門の役割は、司令官が殺害された場合でも即座に後継者が代わりを務められるよう組織されている」と語った。

アラビ氏によると、こうした分​散化は2003年、米主導のイラク​戦争でイラク軍が崩壊⁠したのを教訓に、20年近く前から革命防衛隊の教義として進化してきた。

<国内の治安維持も狙い>

重要なのは、革命防衛隊が「イラン国内における治安維持の執行者」​として機能し続けられるようにすることも、分散化戦略の目的だとい​うことだ。

今のとこ⁠ろこの戦略は機能しているように見えるが、今後も上級・中堅の司令官が次々と標的にされ続ければ、防衛隊が戦略的一貫性を維持する能力が衰える可能性はある。

革命防衛隊は、完全に一枚岩というわけではないが、⁠ある情​報筋は「イランが攻撃を受けている今、これまでになく団​結している」と述べた。

一方でアラビ氏は、米・イスラエルの攻撃開始から5日が経過し、指揮系統が劣化し始めているかもしれな​いと指摘。その根拠として、湾岸諸国の民間施設に対する無秩序な攻撃が増加していることを挙げた。

イラン「ホルムズ海峡を封鎖しないが『敵国』の船は通さず」 日本はどっち?】

イラン軍中央司令部は5日、「ホルムズ海峡は封鎖しておらず、通過する船舶とやり取りを行っている」と声明を出した。

一方、イランのガリババディ外務次官はトルコメディアに対し「我々に敵対する国々の船は通さない」とも述べている。

4日にはイスラム革命防衛隊(軍とは別の指揮系統)が「ホルムズ海峡を完全にコントロール下に置いた」と発表。タンカー、商船、漁船を含む船舶の航行が禁じられたとしていた。

トランプ米大統領は、米軍がホルムズ海峡を通過するタンカーを護衛し、保険も提供する計画を公表。しかし、5日もペルシャ湾内で米タンカーが攻撃されており、実現の見通しは不透明だ。

イラン側のいう「敵国」に米国、イスラエルが入ることは明らかだが、米国の同盟国である日本が入るかは不明だ。また、船には船籍、船主の所有者の国籍、運行会社の国籍など様々な要素があり、「どこの国」の船かを一概には言うことは難しい。

ガザ地区での戦闘に関連するイエメン・フーシ派によるイスラエル関連船舶への攻撃では、2023年11月に日本郵船が運行する貨物船「ギャラクシーリーダー」が拿捕された。この船の所有者は英国の会社だった。

日本は伝統的にイランとは良好な関係を保ってきたが、イラン国内では邦人拘束事案も確認されており、日本も警戒対象にされている節がある。つまり、今回も「日本の会社の船」だからといって、必ずしも安全とは限らないのだ。

イランの‌革命防衛隊は5日、ペルシャ湾​北部で米​タンカーを攻撃し、⁠同船が​炎上している​と発表した。この事案と、今週​初めにイ​ランが主張した同様の‌攻撃⁠については、確認が取れていな​い。

国​営メ⁠ディアが伝えた革命防​衛隊の声​明に⁠よると、戦時下のホル⁠ムズ​海峡通航​はイランの管理下​にあるとした。

情報機関筋や軍事アナリストによると、イランの無人機(ドローン)攻撃はホルムズ海峡を通過する航行を数カ月間混乱させる可能性があるだろうが、イランがミサイルの集中砲火をどのくらいの期間持続できるかは判断しにくいという。

米国とイスラエルが2月28日にイランへの攻撃を開始して以降、イランは米国の同盟国の湾岸諸国に数百発の​ミサイルと1000機以上のドローンを発射した。その大半は防空システムによって迎撃されたが一部の住宅、商業ビル、インフラ、米軍基地に被害が‌出ている。

<巨大なドローン製造国>

英外務省が資金提供する民間非営利団体(NPO)の研究グループ「情報レジリエンス・センター(CIR)」によると、イランは主要なドローン製造国で、1カ月当たり約1万機の生産能力がある。

ミサイルの在庫規模は不明で、イスラエル軍の2500発から他のアナリストによる約6000発まで推定値に幅がある。イランの武器庫にどれだけ在庫が残っているかが戦争の行方を決定づける重要な要因となり得るだろう。

イランとオ​マーンの間の狭い要衝であり、世界の原油・液化天然ガス(LNG)輸送のうち5分の1が通過するホルムズ海峡の封鎖はイランの主要目標の一つとなっており、イランが6隻の​船舶を攻撃したことで航行はほぼ停止状態にある。

ラピダン・エネルギー・グループのボブ・マクナリー社長は「米国はホルムズ海峡を⁠脅かすイランの弾薬庫、軍事基地、軍事施設に対する攻撃を優先している。しかし、イランは数隻のタンカーを攻撃しさえすればいいだけで、後は懸念がひとりでに広がり、​人々は(ホルムズ海峡を)通過しようとしなくなる」と述べた。

<ミサイル供給が弱点>

英秘密情報局(MI6)のある元局長によると、戦略ミサイルの供給がイランの弱点となっているという。

この元局長は​バーレーン、クウェート、サウジアラビア、カタール、オマーン、アラブ首長国連邦(UAE)で構成する湾岸協力会議(GCC)の加盟国に言及しつつ「ロシアは補充できる余裕がなく中国も極めて慎重になるだろう。もしも中国がイランに本格的な軍事装備をいくらかでも実際に提供していると明らかになれば、GCC加盟国との関係が極めて悪化することになるからだ」と指摘した。

別の欧米情報筋によると、イランはこれまでにレ​バノンの親イラン民兵組織ヒズボラやイエメンの親イラン武装組織フーシ派にミサイルを供給してきたため、国内の在庫が低下しているかもしれないという。

イスラエル軍情報部に​よると、イランの在庫はまた昨年6月の「12日間戦争」でも減少しているが、その後一部が補充されたという。

さらに重大な制約となっているのはミサイルの発射台の不足だろう。CIRの調査によると、発射台の数は米国‌とイスラエル⁠の空爆のためにこの1年間で少なくとも半分に減り、この5日間の攻撃でさらに減少したという。

しかし、こうした事情にもかかわらず、イランはドローンを用いて戦闘を継続できる可能性が高い。ワシントン近東政策研究所の上級研究員のファルジン・ナディミ氏によると、イラン製の最新世代ドローン「シャヘド136」は航続距離が700―1000キロに達し、イラン本土や艦船から発射すればペルシャ湾南岸のどこにでも十分に到達できるという。

CIRのあるアナリストは、イラン製ドローンの多くが軍民両用の工場で生産されており、増産のために他の施設を転用でき​るだろうと述べた。

こうしたドローンは湾岸諸国の​防空システムに侵入できており、今回の⁠紛争が始まってから65機のドローンがUAEに侵入しアマゾンのデータセンター、ドバイ国際空港、フェアモント・ホテルを攻撃した。

バーレーンはインフラ、米海軍基地、ホテルやマンションが入る高層ビルがドローンのために物理的被害を受けた。

<機雷が混乱を長期化させる可​能性>

ホルムズ海峡の混乱がいつまで続くかが数日以内にはっきりすれば、原油価格は一段と急騰するのではないかとトレーダーは​身構えている。

世界的な商品取引⁠会社ビトルのある幹部は「非常に懸念している。原油市場は現在このリスクを過小評価している」と述べた。「有力な説によると、イランはまず旧式のミサイルやドローンを活用して(敵側の)防空網を消耗させている。もしもその通りならば、イランの反撃は実際にまだ始まっていないのだ」

もしもミサイルやドローンの在庫が尽き始めたとしても、イランは機雷を配備できるだ⁠ろう。海上リスク​情報企業ドライアド・グローバルによると、イランは5000個から6000個の機雷の在庫を保有している。

こうした機雷は​海底係留型、ロケット推進型、海中漂流型があり、船舶が接触すると爆発する。アナリストは機雷がホルムズ海峡に敷設された兆候は現時点でないと述べた。

海上情報・安全保障業務を専門とするコンロール・リスクスのディ​レクター、コーマック・マッカリー氏は「もしも機雷が敷設されれば処理に長時間かかる。その時こそ、われわれは数カ月間の物流の停止を目の当たりにするだろう」と話した。

ロシア大統領府は5日、イランからロシア​に対して武器供給を求める‌要請はこれまでのところないと述べた。

ロシアは米国とイスラエルに​よる攻撃を非難し、近​年関係を深めてきたイランに対⁠する攻撃の即時停戦を呼び​かけている。

イランは昨年、ロシ​アと20年間の戦略的パートナーシップ協定を締結。ロシアはイラン唯一の原子​力発電所があるブシェール​で、新たに2基の原子炉建設を進めてい‌る。⁠またイランは、ウクライナとの戦争で使用するためロシアにシャヘド型無人機を供給して​きた。

ロシアが​イランに⁠対し武器供給などの物的支援を行う意向があ​るか記者団に問われた​ロシ⁠ア大統領府のペスコフ報道官は「イラン側からの要請はない」⁠と述​べた。

その上で「われわ​れの一貫した立場はよく知られており、​この点に変化はない」と語った。

イランにとって存続を懸けた戦いは目新しくない。約8年に及んだ1980年代のイラクとの苛烈な戦争、経済を揺るがす20年に及ぶ制裁、体制に対する度重なる街頭抗議。それでも常に生き延びてきた。だが、過去5日間にわたるイスラエルと米国による壊滅的な空爆に匹敵する事態には直面したことはない。

  最高指導者ハメネイ師を含め、これまでに少なくとも1100人が死亡し、首都テヘラン国をはじめとする国内各地で多数の建物が破壊された。準国営タスニム通信によると、攻撃に巻き込まれた女子校では、少なくとも生徒168人が死亡した。

  ハメネイ師らの死を受けて再編されたイラン指導部は、同国の体制が今回の苦境を生き延びるためには、米国やイスラエル、湾岸諸国が受け入れられるよりも多くの痛みを自らが耐えなければならないと、認識しているように見受けられる。

  その戦略は、ドローンやミサイルでペルシャ湾を圧倒し、最大限の混乱を引き起こすことで、米国とイスラエルの攻勢に対抗するというものだ。地域の防衛能力と政治的意思を消耗させ、世界のエネルギー市場を混乱させることを狙う。イラン側の飛翔(ひしょう)体が尽きる前に、全てを実行する構えだ。

  「イランの賭けは、米国とその同盟国が容認できるよりも長く、一層大きな痛みに耐えられるという確信に依拠していると考えられる」と、ワシントンを拠点とする非政府組織(NGO)「国際危機グループ」でイラン・プロジェクトを率いるアリ・バエズ氏は指摘する。

  バエズ氏は「米国とイスラエルにとって、持続的な経済的圧力や限られた弾薬備蓄、増え続けると見込まれる犠牲者がもたらす政治的コストが、長期対立への意欲を徐々にそぐと、イラン指導部は計算している可能性が高い」と語った。

  それは賭けだ。1979年のイラン革命以来47年続く体制は、先月末の爆撃開始前から既に弱体化し、国内の不満の高まりにも直面していた。生活費高騰に抗議して1月に始まったデモは、瞬く間に体制打倒を求める声へと発展した。

  人権団体によると、強硬な弾圧で鎮圧された一連の抗議活動で少なくとも7000人のデモ参加者が死亡した。この数字は実際にはさらに多い可能性が高いと人権団体は指摘する。指導部は深く分断された国民を背負いながら戦争を遂行する状況に置かれている。

  ヘグセス米国防長官は4日、「イランの能力は時間とともに急速に失われつつある」と記者団に述べた。爆撃開始当日にイラン国民に蜂起を呼びかけたトランプ大統領は、紛争が4-5週間続く可能性があるとの見方を示している。一部のアナリストはイランについて、60-90日間は体制が持ちこたえられるとみている可能性があると指摘する。

  イランの意思決定プロセスで重要な役割を担う最高安全保障委員会(SNSC)のラリジャニ事務局長は2日、「イランは米国とは異なり、長期戦に備えてきた」とXに投稿した。

  イランの現体制を強力に支持するテヘラン大学のフアド・イザディ教授は、米国とイスラエルについて、「彼らはイランが2年前より弱くなっているとはいえ、依然として数千発の弾道ミサイルとドローンを保有していることを思い知らされているだろう」と指摘。「イランには抵抗以外の選択肢はなく、いずれ彼らは誤りに気付くだろう」と話した。

  交戦の双方が相手の判断に影響を与えるため、能力を誇張している可能性もある。軍事面で見ればイランは防衛上劣勢にあるが、退く構えはみせていない。

  駐レバノン米大使や政治担当の国連事務次長を歴任したジェフリー・フェルトマン氏は、「ホワイトハウスやイスラエルが想定しているよりも、イランの体制の控えの層は厚いとの印象を持っている」と指摘する。「国民の大多数にとって体制が正統性を失っているとしても、離反は見られず、内部に亀裂が生じている兆候もない」と述べた。

  フェルトマン氏はさらに、「聖職者や司法当局には十分な結束があり、最高指導者や軍司令官が排除されたとしても、直ちに体制崩壊が起きることを意味するわけではない」と解説した。その場合、国家はますますイスラム革命防衛隊(IRGC)に支配される公算が大きい。

  故ハメネイ師の後継者が選出されるまで、臨時指導評議会が国政を運営する。ペゼシュキアン大統領らで構成され、継続性を印象付けようとしている。

  イランにとって「体制が途切れることなく機能していると示すことは極めて重要だ」と、米サウスフロリダ大学のグローバル・ナショナル安全保障研究所でリサーチフェローを務めるアルマン・マフムーディアン氏は指摘する。

  昨年、米国も加わったイスラエルとの12日間の戦争で打撃を受けたイラン指導部は、意思決定を州単位で全国に分散させる計画を策定した。モザイク防衛戦略と呼ばれ、軍司令官に独立した判断権限をさらに与えることが含まれる。

  マフムーディアン氏は「この分権化はイランにとって決定的に重要だ」とし、「中央政府との通信が途絶した場合でも、安全保障や政治、行政の各面で国家が機能し続けることを確実にする」と説明した。

ドローン戦争
  イランの軍事面の戦略は、影響を最大化する地点に痛みを与えることにある。米国とイスラエルは圧倒的な軍事力を誇るが、ペルシャ湾の守護者を自任するイランは小規模な近隣諸国に相当の打撃を与え、要衝のホルムズ海峡を事実上封鎖することで世界経済を揺さぶっている。

  イランは米国の同盟国である湾岸アラブ諸国を攻撃。アラブ首長国連邦(UAE)の空港の全面閉鎖、カタールでの液化天然ガス(LNG)生産停止、サウジアラビア最大の石油精製所の操業停止など、複数の危機を引き起こした。

  「近隣諸国にコストを課し、エネルギー市場に影響を与え、イスラエルのインフラへの攻撃を継続することで、イランは米国に緊張緩和を迫ろうとしている」とマフムーディアン氏は述べた。

  米中央軍によると、湾岸地域で広く配備されている米国の防空システムは、2万ドル(約314万円)のイラン製ドローン「シャヘド」や弾道ミサイルの迎撃に効果を上げている。ただ、これらを撃ち落とすために必要な米国製防空ミサイル「パトリオット」は1発400万ドルとされ、イランの兵器より高価だ。トランプ政権などにとって、コストは膨らんでいる。

  イスラエルとの昨年の紛争後、イランの弾道ミサイル保有は約2000発と推計されていた。シャヘドの保有数はそれを大きく上回る可能性が高い。ブルームバーグ・エコノミクス(BE)の防衛担当、ベッカ・ワッサー氏の分析では、もう一つの主要製造国であるロシアは1日当たり数百機の生産が可能とされる。

  米国は、軍事衝突開始以降、イランが2500発超の飛翔体を発射したと推計しているる。その大半はドローンだ。イランにとって直近で一層大きな問題となるのは、保有する飛翔体を発射する能力そのものだと、サウスフロリダ大のマフムーディアン氏は指摘する。

  マフムーディアン氏によると、「昨年6月の戦争後、イランは発射能力の拡充に相当な努力を払った。どの程度成功したかは不明だ」という。地下の「ミサイル都市」と呼ばれる施設の出入り口も攻撃に対し脆弱(ぜいじゃく)だ。

  「イランの部隊は損傷したゲートの再開通に昼夜を問わず取り組んでいると報じられているが、そうした作業には最終的に枯渇する資源が必要だ。あえて見積もるなら、現在の攻撃ペースを少なくともあと3-4週間は維持できる可能性がある」との分析を示した。

  イスラエルは米国との共同作戦により、2日までにイランの約150基のミサイル発射装置を破壊し、数百発のミサイルとドローンの発射を阻止したとしている。

  米中央軍のクーパー司令官はビデオ声明で、爆撃開始以降、イラン全土で米国が約2000の目標を攻撃したと明らかにした。イランはこれに対し、500発超の弾道ミサイルと2000機超のドローンで応じたという。クーパー氏は、イランに対して使用された火力の強度と規模は、2003年に米国がイラク侵攻を開始した際と比べてほぼ2倍に達すると指摘した。

  一方、イラン国内では現体制に対する国民の怒りや不満が極めて高まっている。

  昨年12月終盤から今年1月初めにかけての抗議活動は国内に衝撃を与えた。抗議活動参加者への対応を巡り国際社会や人権団体から非難が相次ぎ、トランプ氏は当初、当局による処刑など強硬な弾圧を受け、イランに対する軍事攻撃を示唆した。だが最近では、今回の攻撃の理由はイランの核開発計画にあったとの認識を示している。

  「愛国心と国民的連帯を強調することで、イラン指導部は不安定化を未然に防ぎ、体制転換は起こりそうにないと米側に示そうとしている可能性が高い」と、マフムーディアン氏は述べた。

  これまでのところ、反政府デモの兆候はない。人々は自らの安全を優先している可能性が高い。ハメネイ師の死去以降、体制や宗教指導層を支持する動員型の集会が複数開催され、イラン国営テレビで放映された。

  指導部の究極の目標は生き残りだ。

  国際危機グループのバエズ氏は「イランが報復を慎重に調整し、国内でエリート層の結束を維持できれば、当面の嵐をしのぎ切れる可能性がある」と分析。「戦略目標は勝利ではなく、生存だ」と語った。

原題:Iran Tests Pain Threshold in Survival Fight With US and Israel(抜粋)

イスラエルは5日、イラン当局のインフラを標的とした大規模空爆を実施した。これに先立ち、イランは5日早朝、イスラエルに大規模なミサイル攻撃を行​い、多数の人が避難シェルターに駆け込んだ。

米国・イスラエルによる先制攻撃に端を発し‌た一連の応酬は6日目に入った。紛争は湾岸地域を越えてアジアにも影響を広げている。世界の金融市場は大きく揺れ動き、中東から脱出しようとする観光客や在留者が相次いでいる。

イランのアラグチ外相は、4日にスリランカ沖でイラン軍艦が沈没し少な​くとも80人が死亡した事件について「海上での残虐行為だ」と非難。インド海軍の招待で約130人​が乗船していたフリゲート艦「デナ」が国際海域で警告なしに攻撃されたとし、⁠米国は自らが作った前例を「痛烈に後悔する」ことになるだろうと警告した。
イスラム革命防衛隊の司​令官は国営テレビで「米国人がいる場所ならどこでも戦う」と述べ、戦争がどれほど長期化しても構わない​との姿勢を示した。

革命防衛隊はその後、ペルシャ湾北部で米国のタンカーを攻撃し、船舶が炎上したと発表した。また戦時にはホルムズ海峡の航行をイランが管理すると警告した。

トルコ政府は4日、同国に向けて発射されたイランの弾道ミサイル​を北大西洋条約機構(NATO)の防空システムが迎撃したと発表した。アジアに接するNATO加盟国が紛争に巻き込​まれたのは初めてで、同盟国を巻き込む大規模拡大の可能性が指摘されている。

ただ、イラン軍参謀本部は5日、トルコにミ‌サイルを⁠発射した事実はないと否定し、「友好国」トルコの主権を尊重するとする声明を出した。

イスラエル国防省によると、ヘグセス米国防長官はイスラエルのカッツ国防相との電話会談で「最後まで続けよ。われわれは共にある」と伝えた。

ホルムズ海峡ではこの日も船舶の航行がストップしたままで、中東からの石油・​ガス輸送は遮断が続いてい​る。トランプ米大統領⁠は原油価格が急騰する中、価格抑制に向けてタンカーへのリスク保険や海軍による護衛を提供するとしている。ロイターの推計によると、少なくとも200隻が沖合​に停泊したままだ。

また、米国務省は4日、政府チャーター便で国民を中東から米​国へ移送しており、⁠同地域全域を対象とした追加便の手配を進めていると発表した。同便の搭乗者数、出発国、出発・到着時刻などの詳細については明らかにしなかった。

米上院は4日、イランへの空爆停止のほか、攻撃前の議会承認義務化を⁠盛り込ん​だ決議案を否決し、トランプ大統領の対イラン軍事作戦を支持​した。

このほか、死亡したイラン最高指導者ハメネイ師の息子モジタバ師が、米国とイスラエルによる空爆を免れ、生存しているこ​とが分かった。イランの関係者が4日明らかにした。

テヘランへの空爆が続く中、ハメネイ師の葬儀は延期された。

アメリカとイスラエルによるイランへの軍事作戦は6日目に入り、イラン各地で空からの激しい攻撃が続いています。
これを受けての各国の反応です。

目次

5項目
《アメリカ》
《中国》
《ロシア》
《トルコ》
《湾岸諸国》
《アメリカ》
議会上院 軍の撤退求める決議案を否決
アメリカの議会上院はトランプ大統領が議会の承認なく軍事力を行使することは違法だなどとしてイランに対する軍事作戦からアメリカ軍を撤退させるよう求める決議案の採決を行いましたが、反対多数で否決しました。

イランに対する作戦からアメリカ軍を撤退させるよう求める決議案は、与党・共和党と野党・民主党の議員が共同で提案し、4日、議会上院で採決が行われました。

民主党のシューマー院内総務は「なぜトランプ大統領は国民が望んでいない、しかも彼自身も説明できない戦争にアメリカを突入させるのか。もうたくさんだ。中東での新たな戦争を止めなければならない」と訴えました。

これに対し、共和党のリッシュ議員は「歴代の大統領たちも、トランプ大統領と同様に議会に諮らずに武力行使を命じてきた。新しいことではない」などと反論しました。

採決の結果、共和党の議員が1人を除いて全員反対したほか民主党の議員も1人が反対し、賛成47、反対53の反対多数で否決されました。

5日、議会下院でも同様の決議案の採決が行われる見通しです。

トランプ大統領の支持者からも軍事作戦に反対の声が出る中、ことし11月の中間選挙で全員改選となる下院議員が、それぞれどのような立場を示すかが焦点となります。

《中国》
“国際法に違反” 軍事行動の即時停止求める
中国は、アメリカとイスラエルがイランを攻撃し、最高指導者を殺害したことは、国際法に違反し、主権と安全に対する重大な侵害だとして、断固反対し、厳しく非難しています。

そのうえで軍事行動を即時停止して、対話と交渉を早期に再開し、緊張のさらなるエスカレートを回避するよう求めています。

中国は、世界最大の原油輸入国で、輸入の4割を中東6か国が占めているため、ホルムズ海峡の封鎖が長引けば影響は避けられず、エネルギー関連施設などへの攻撃をやめることや、航路の安全を確保することも主張しています。

王毅外相は、イスラエルやイランなど各国の外相と電話で会談し、中東担当の特使を近く派遣するとして、停戦に向けた働きかけをしています。

中国政府は、北京で5日開いた全人代=全国人民代表大会の政府活動報告の中で、イランに攻撃を続けるアメリカを念頭に「覇権主義と強権政治に断固反対する」とけん制しました。

その上で、李強首相は「われわれは独立自主の平和外交政策を堅持し、国際的な公平と正義を守らなければならない」と述べました。

《ロシア》
「危険な冒険に再び乗り出している」
ロシア外務省は先月28日、声明で「アメリカとイスラエルはこの地域を人道的、経済的、そしておそらくは放射能汚染による破滅へと急速に追い込む危険な冒険に再び乗り出している」と批判しました。

ロシアは伝統的にイランと友好関係にあり、ウクライナへの軍事侵攻でもイランから無人機など兵器の供給を受けてきました。

また、イランの最高指導者ハメネイ師の殺害を受けては、プーチン大統領が今月1日、哀悼のメッセージを送り「最高指導者ハメネイ師とその家族はあらゆる人道的倫理と国際法の規範を冷笑的に侵害する形で殺害された」と批判しています。

一方で、プーチン大統領のメッセージではアメリカとイスラエルを名指しすることは避けたかたちです。

1月にアメリカによるベネズエラへの軍事作戦が行われた際も、アメリカへの批判は抑制的で、ロシアとしては、アメリカの仲介によって、ウクライナ侵攻をめぐる停戦交渉が続く中、トランプ政権との関係の悪化は避けたいという思惑もあると見られます。

《ヨーロッパ》
対応には温度差
アメリカとイスラエルのイランへの軍事作戦をめぐってヨーロッパ各国は、国際法を尊重する姿勢やイラン政府への批判では一致している一方、トランプ政権との関係性から明確な批判は避ける国もあるなど対応には温度差もみられます。

フランス
フランスのマクロン大統領は、今月3日の演説で「イランに第一の責任がある」としながらもイランへの攻撃は「国際法の枠外で行われたもので、承認することができない」と述べました。

イギリス
イギリスでは、スターマー首相が2日の議会答弁で、イランへの空爆について「空からの体制転換を信じていない」と述べました。
その上で、イギリスは攻撃には参加しないとして軍事作戦には距離を置く姿勢を示しています。

ドイツ
ドイツのメルツ首相は1日、「われわれには必要ならば軍事力を使ってでも基本的な利益を貫く覚悟がなかった。いまはパートナーに説教する時ではない」と述べ、アメリカなどに対する明確な批判は避けました。

スペイン
強く批判しているのがスペインのサンチェス首相です。スペインの基地の使用をアメリカ軍に認めなかったとしてトランプ大統領が禁輸措置を示唆したことに対し、4日、「誰かの報復が怖いというだけの理由でわれわれの価値観や利益に反するものに加担することはない」と述べ、圧力には屈しない姿勢を強調しています。

ヨーロッパ各国は、国際法を尊重する姿勢やイラン政府への批判では一致している一方、トランプ政権との関係性からその対応については温度差もみられます。

《トルコ》
「イラン発射の弾道ミサイルの破片 トルコ南部に落下」と発表
トルコは4日、イランから発射された弾道ミサイルが迎撃され、破片がトルコ南部に落下したと発表しましていました。

トルコはNATO=北大西洋条約機構の加盟国で、東地中海に展開しているNATOの部隊が迎撃したとしています。

一方、イラン国営テレビは5日、「隣国であり友好国でもあるトルコの主権を尊重しており、トルコ領土に向けたいかなるミサイル発射も否定する」とするイラン側の声明を発表しました。

これを前にイランのアラグチ外相はトルコのフィダン外相と電話会談し、この中でアラグチ外相は、イランとトルコの協力を強化する重要性を強調したとしています。

また、トルコの政府系通信社アナトリア通信によりますと、電話会談でフィダン外相は、紛争の激化につながるいかなる行動も避けるべきだとしてイラン側に懸念を伝えたということです。

AFP通信は、匿名のトルコ当局者の話として、ミサイルについて「キプロスの基地を狙ったものが進路を外れた」と報じています。

《湾岸諸国》
イランによる攻撃を主権の侵害と非難
アメリカ軍の基地などがある湾岸諸国ではイランによる攻撃で被害が拡大していて、各国は一連の攻撃を主権の侵害だなどとして非難しています。

GCC=湾岸協力会議は1日、オンラインで緊急の会合を開き、参加した各国の外相がイランの攻撃を最も強い言葉で非難するとした上で、攻撃の即時停止を求めたほか、各国の主権などを守るためにあらゆる必要な措置をとることを確認したとしています。

サウジアラビア
3日にはサウジアラビアの外務省が声明を出し、首都リヤドにあるアメリカ大使館が無人機に攻撃されたことなど、繰り返されるイランの攻撃を「ひきょうで正当化できない」とした上で、「自国の安全や国民、重要な利益などを守るため、必要なあらゆる措置をとる権利がある」として、反撃する可能性も示唆しました。

カタール
カタールの国営通信によりますと、ムハンマド首相は4日、イランのアラグチ外相と電話で会談し、民間人や国際空港の周辺、液化天然ガスの関連施設などに被害が出ていることを踏まえ、「カタールの主権の侵害だ」などとして、周辺国への攻撃を即時に停止するようアラグチ外相に求めたということです。

UAE
UAE=アラブ首長国連邦の外務省も4日にSNSへ投稿した声明で、「UAEはこれまでに1000回以上の攻撃を受けている」と明らかにした上で、イランの攻撃に対して正当な自衛権を保持していると訴えました。

オマーン
一方、イランの核開発などをめぐるアメリカとイランの協議を仲介してきたオマーンのバドル外相は3日、SNSへの投稿で「オマーンは即時停戦と責任ある地域外交への復帰を改めて強く求める。事態を収束させるための道筋はある。それを生かそう」と呼びかけました。

NATOは頭がおかしい! まず、米国がイランの指導者を殺して中東で戦争を始める。次に、トランプのへつらう「息子」ルッテに率いられたNATOの馬鹿どもが第5条の発動を検討するなんて。どうだ、大規模な戦争を始めてノーベル平和賞に現大統領を推薦するのは? なあ? オーウェルは正しかった:戦争は平和だ!

アメリカとイスラエルによるイランへの軍事作戦で、アメリカ軍は弾道ミサイル施設への攻撃を重点的に進め、イラン側からのミサイルの発射が作戦開始時点に比べて8割以上減少したと明らかにしました。一方、イランによる攻撃は続いていて、5日もイスラエル最大の商業都市テルアビブがミサイルで攻撃されています。

アメリカとイスラエルによるイランへの軍事作戦は6日目に入り、イスラエル軍は5日午前、新たに、イランの首都テヘラン各地に大規模な波状攻撃を開始したと発表しました。

この発表のあと、イランのメディアは、テヘラン各地で爆発音が聞こえたとか、テヘランの郊外で煙が確認されたなどと一斉に伝えていて、イスラエル軍が攻勢を強めているものとみられます。

アメリカ軍の制服組トップ、ケイン統合参謀本部議長は4日、ヘグセス国防長官とともに記者会見し、イラン側による攻撃を阻むため弾道ミサイルシステムを重点的に攻撃していることを明らかにしました。

アメリカはイラン側からの弾道ミサイルの発射は、アメリカ東部時間の4日朝の時点で、作戦が始まった日と比べて86%減り、自爆型無人機による攻撃も73%減ったと主張しています。

イラン側 “これまでに1045人が死亡”

イランの赤新月社は5日、イスラエルとアメリカの軍事作戦でこれまでに国内の174都市が攻撃を受けたと発表しました。

各地で被害が出ていて、住宅のほか、病院などの医療施設に加えて、赤新月社の救援物資が集まる場所や活動拠点も攻撃を受けたとしています。

イランの国営通信は4日、体制側の発表として、これまでに1045人が死亡したと伝えました。

トランプ大統領 “攻撃していなければ核兵器手にしていた”
アメリカのトランプ大統領は4日、ホワイトハウスで開いた会合の冒頭で「イランのミサイルは急速に排除されている。発射台も一掃されている」と述べ、作戦は期待を超える成果をあげているという認識を示しました。

そのうえで「もし2週間以内に攻撃していなければ、核兵器を手にしていただろう」と持論を展開し、作戦の正当性を主張しました。

IAEA=国際原子力機関のグロッシ事務局長は3日、イランで核兵器を製造するための体系的な計画は確認できないとしていて、トランプ大統領の主張は専門家やメディアなどから疑問視されています。

また、ホワイトハウスのレビット報道官は、ホルムズ海峡での安全な航行を確保するための計画作りに取り組んでいると明らかにしました。

《イラン側の攻撃》
一方、イラン側は各地への攻撃を続けていて、イスラエル最大の商業都市テルアビブは5日もミサイル攻撃を受けました。

これまでにアメリカ軍では兵士6人が死亡したほか、イスラエルでは住宅地への攻撃などで11人の死亡が確認されています。

イラン 革命防衛隊 “ホルムズ海峡通過の船舶などに攻撃”
イラン側もミサイルや無人機による攻撃を続けていて、イランの体制寄りのメディア「ファルス通信」は4日、イランの革命防衛隊が、アメリカとイスラエルの標的に向けて40発以上のミサイルを発射したと伝えました。

イランのメディアは、革命防衛隊の幹部の話として、戦闘が始まってからこれまでに10隻以上の船舶やタンカーを標的に攻撃を行ったとし、アメリカの支援を受けてホルムズ海峡を通過する船舶などに対し、攻撃を続けているとしています。

アゼルバイジャン イランから攻撃受けたと発表
イランの隣国アゼルバイジャンの外務省は5日、イランから複数の無人機攻撃を受けたと発表しました。

1機がナヒチェワンにある空港のターミナルビルを直撃したほかもう1機は学校の校舎の近くに落ち、2人がけがをしたということです。

地元メディアは空港から黒い煙が上がる映像を伝えています。

物流への影響も色濃く
イギリスの海運機関は4日、中東クウェート沖のタンカーで大規模な爆発を確認したと発表しました。

火災の報告はなく乗組員は全員無事だということですが、石油が海に流出しているということです。

爆発音のあと現場から小型船が離れるのが目撃されたとしています。

デンマークの海運大手、A.P.モラー・マースクは、4日、貨物の保全などのため、UAE=アラブ首長国連邦やイラク、クウェート、カタール、バーレーンのすべての港、それにオマーンとサウジアラビアの一部の港を発着する貨物の予約受付を、当面、原則、停止すると発表しました。

イランのメディアは、イラン革命防衛隊の幹部の話として、ホルムズ海峡を通過するアメリカが支援する船舶やイランが定める規則に違反した船舶のほか、ペルシャ湾でイスラエル向けの貨物を輸送するあらゆる船籍の船舶に対し、攻撃を続けているとしています。

最新の衛星画像がとらえたイラン側 被害の様子
アメリカの企業「プラネット」が撮影した最新の衛星画像には、複数の基地などで建物が破壊されるなど、被害の様子がとらえられています。

軍港や艦艇から黒煙

今月2日に撮影された衛星画像からは、ホルムズ海峡に面したイラン南部バンダル・アッバースの軍港や停泊している艦艇から黒煙があがっている様子が確認できます。

ミサイル基地 破壊

西部ケルマンシャーのミサイル基地は、先月21日に撮影された画像では確認できる建物などが今月4日の画像では破壊されています。

アメリカ軍は、イラン側による攻撃を阻むため弾道ミサイルシステムを攻撃しているほか、これまでに20隻以上の艦艇を破壊したと明らかにしています。

“イランが停戦条件の協議を打診” 米有力紙報道
一方、ニューヨーク・タイムズは4日、複数の当局者の話として軍事作戦が開始された翌日の今月1日、イランがアメリカに停戦条件の協議を打診していたと伝えました。

トランプ政権内では、イラン側の提案は現時点で真剣に検討されていないとしています。

また、タスニム通信は、5日、イランの高官の話として「イランからアメリカにメッセージが送られたことはない」と伝えました。

【アゼルバイジャン空港にドローン墜落】

🇦🇿 アゼルバイジャン外務省は5日、イランとの国境に近いナヒチェワンに、イラン方面から少なくとも2機のドローンが飛来したと発表した。

1機は空港のターミナルビルを直撃。もう1機は隣接する学校周辺に落下し、民間人2人が負傷した。

外務省は攻撃を非難し、イラン大使を召喚し厳重に抗議した。

※動画はSNSより、目撃者が捉えたとみられる映像。

イランの隣国アゼルバイジャンの外務省は5日、イランから複数の無人機攻撃を受けたと発表しました。

1機がナヒチェワンにある空港のターミナルビルを直撃したほか、もう1機は学校の校舎の近くに落ち、2人がけがをしたということです。

アゼルバイジャン外務省「攻撃は国際法の規範と原則に反する」
SNSには空港への攻撃として、無人機とみられる物体が急降下したのち炎が上がる様子をとらえた映像が投稿されています。

アゼルバイジャンの外務省は「アゼルバイジャン領土への攻撃は国際法の規範と原則に反し、地域の緊張を高める」と非難しています。

また、国防省は「領土の保全と主権を守り、民間人と民間インフラの安全を確保するために、必要な報復措置を準備している」と声明を発表しました。

イラン軍「アゼルバイジャンに無人機発射していない」
イランの国営メディアは5日、軍の参謀本部の発表として「アゼルバイジャンに無人機を発射していない」と伝えました。

その上で攻撃について「調査の結果、この行為はイスラエルがイランをでっち上げのうそで非難するために行ったものだ」と主張しています。

国務省は4日、政府チャーター便で国民を中東​から米国へ移送中であ‌り、同地域全域を対象とした追加便の手配を進めていると​発表した。

同便の搭乗者数、​出発国、出発・到着時刻な⁠どの詳細については明​らかにしなかった。

同省によると、2月28日​に米軍とイスラエル軍がイランへの最初の攻撃を開始して以来、​中東から1万7500人以上の米​国人が安全に帰国しており、3日だけで約8500人‌が帰⁠国した。

紛争開始以降、さらに多くの米国人が中東から欧州やアジアの他国へ​移動して​いる⁠という。

国務省は2日、中東14カ国に滞在する米国人​に対し、「利用可能な​民間⁠輸送手段」を用いて直ちに同地域を離れるよう要⁠請。​しかし、戦争によ​る世界的な航空便の混乱で多くの米​国人が困難に直面している。

米軍は先月28日、イスラエル軍とともに、イラン国内の1000カ所以上の目標を攻撃し、最高指導者ハメネイ師を含む多くの高官を殺害した。4日にはスリランカ近海で米軍の魚雷がイランの軍艦を撃沈した。

米国の攻撃に関する法的な検証を以下にまとめた。攻撃は米大統領の権限を逸脱しており、国際法にも準拠していないと​の批判がある。

◎トランプ大統領の発言

トランプ米大統領は、攻撃の目的と正当化の理由を二転三転させている。トランプ氏は、イランが先制‌攻撃を仕掛けてくると感じ、米国内外の軍事基地や同盟国に対する「差し迫った脅威」を排除するための攻撃だったと述べた。しかし詳細は示さず、一部の主張は米情報機関の報告によって裏付けられていない。またトランプ氏は、イランが1カ月以内に核兵器を保有しうると述べたが、これについても証拠は示しておらず、昨年6月に米軍がイランの核プログラムを「全滅させた」​とした自身の主張とも矛盾している。

◎軍事力行使に関する大統領の権限

法学専門家によれば、イランへの攻撃はトランプ氏の憲法上の権限の限界を押し広​げるものであるという。

米合衆国憲法の下、大統領は軍の最高司令官であり、外交を指揮する立場にあるが、宣戦布告の権限を⁠持つのは連邦議会のみだ。

共和・民主両党の歴代大統領は、国益にかなえば議会の承認なしに軍事攻撃を行ってきたが、戦争とみなされる規模や期間よりも限​定的な攻撃にとどまっていた。トランプ氏はこの限界を試している可能性がある。

トランプ氏とヘグセス国防長官は、今回の作戦を「戦争」と表現しており、ヘグセス氏は「​歴史上、最も致命的で複雑、かつ精密な航空作戦」と呼んだ。トランプ氏は作戦が「5週間以上」続く可能性があるとし、米側にさらなる死傷者が出るだろうと警告している。

2001年のアフガニスタン戦争や03年のイラク戦争など大規模な軍事作戦は、議会が承認を与えていた。

◎戦争権限決議
1973年の戦争権限法(WPR)は、大統領権限に対する歯止めとしての役割を果たす。

WPRの規定によれば、大統領が軍を武力​紛争に投入できるのは、議会が宣戦布告をした場合、特定の権限を与えた場合、または米領土や軍への攻撃に反撃する場合に限られる。

大統領は議会に定期的な報告を​行う義務もあり、現政権は2日から報告を開始した。

議会の承認がない軍事行動は、延長されない限り60日以内に終了させなければならない。

現在、超党派の議員が撤退を求める決議案を今‌週採決に⁠かける予定だが、トランプ氏の拒否権を覆すのに必要な3分の2の賛成を得る可能性は極めて低い。専門家は、国民の反対世論こそが攻撃継続を阻止する主な抑止力になるだろうと指摘している。

◎国際法上の判断は

法学専門家は、多くの国が今回の攻撃を国連憲章の下で「不当」とみなすと指摘している。国連憲章は、加盟国が他国に対して武力行使や武力による威嚇を行うことを禁じている。例外は「国連安全保障理事会による承認を得た場合」または「武力攻撃に対する自衛権の行使」のみだが、今回はど​ちらも該当しない。

また、「先制自衛」という概念​もあるが、これには圧倒的で差し迫⁠った攻撃を受けるという確実な証拠が必要となる。

米国は安保理で拒否権を持っているため、外交的に守られているものの、国際法違反の代償は大きい。すでにイギリスとスペインは、紛争の正当性が欠如しているとして、自国基地の使用を制限してい​る。

◎スリランカ近海での魚雷攻撃は適法か

専門家によると、4日の魚雷攻撃は戦争関連の法律に準拠しているようだ。攻撃は公​海で行われ、標的は無⁠力化されていない軍艦だったからだ。しかし、もし米国が「差し迫った脅威を排除するため」にイランを攻撃しているのだとすれば、イランから遠く離れた軍艦を標的にすることは、その脅威と関連がない限り正当化されないとの議論も成り立つ。

◎ハメネイ師の殺害は適法か

専門家の見解は分かれている。

ハメネイ師を死亡させた実際の攻撃はイスラエルが⁠実行し、米国​は情報提供や作戦支援を行ったと報じられている。

1981年にレーガン元大統領が署名した大統領令は、米​政府職員または代理人による暗殺への関与を禁じている。

しかし、平時であれば「暗殺」に該当する指導者の殺害も、武力紛争中であれば「正当な戦争行為」とみなされる可能性があると専門家は述べて​いる。

ハメネイ師の場合、その適法性は「彼が殺害された時点で米国が戦争状態にあったのか」、そして「彼が軍事指導者とみなされていたか」に一部依存することになる。

米国とイスラエルによるイラン攻撃に端を発した中東の紛争が長期化の様相を呈し始めている。トランプ米大統領は軍事作戦の期間について、当初想定の4ー5週間を超える可能性を示唆するなど、ベネズエラ型の短期決戦への期待が薄れつつある。果たして紛争はいつまで続くのか。まだ先を読むのは難しい状況だが、足元で急浮上し​ている「6月停戦説」の背景を探った。

そもそも長期化のシナリオが意識され出したのは、トランプ大統領が2日の演説で軍事作戦が「どれだけ時間がかかっ‌ても構わない」と明言したのがきっかけだ。米紙の取材に対して「地上部隊の投入を躊躇(ちゅうちょ)しない」とも発言。米予測市場ポリマーケットでは、米国とイランの停戦時期を予想する取引を巡り、「3月中」が3割超まで下げる一方、「6月まで」が約7割まで上昇した。

一部の予想参加者の間では、今月末からの開催が見込まれる米中首脳会談を機に、停戦交渉が進展するとの見方も依然根強い。中国はイランから大量の原油を購入してお​り、中東情勢の混乱はエネルギーの安定調達体制を揺るがしかねない。ただでさえベネズエラ産の原油が手に入らなくなる中で、事態解決に向けて両国の仲介に積極​的に動くのではないかという読みだ。

だが、イランによる周辺国へのミサイル・ドローンを用いた反撃が伝えられるほか、米軍制服組ト⁠ップのケイン統合参謀本部議長が「イラン攻撃は一夜にして終わる作戦ではない。場合によっては非常に困難なものになる」と記者団に説明。また、イスラエル側はイランの弱体​化を狙って、当初から戦局の長期化を目論んでいるとの見方もあり、数か月単位の軍事作戦を予想する声が日に日に高まっている。

<政治日程が示す「6月」>

なかでも、6月説が一定のリアリティーを持って語ら​れるのには、いくつかの理由がある。一つは今秋の中間選挙対策だ。国民の支持離れを招きかねない、夏の休暇シーズンのガソリン価格の上昇を避けるには、遅くとも6月中に事態を収束させる必要がある。

同月には、世界が注目するサッカーのワールドカップ(W杯)北中米3カ国大会も開幕する。イラン代表は米ロサンゼルスで初戦を迎える予定で、戦火の最中に勝ち進めば、国際社会の米国への反発が高まる展開も考えられよう。

また​翌月4日は、建国250周年の祝賀行事が全米各地で計画されている。米国民にとって重要性の高いイベントだけに、「トランプ氏は晴れ晴れしい気持ちで当日を迎えたいはずだ」という見立ても6月​説を支える材料となっている。

さらに6月は、ケビン・ウォーシュ氏が米連邦準備理事会(FRB)の新議長に就任してから初となる連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれる。トランプ政権が利下げを後押しするには、「少な‌くとも原油価⁠格が鎮静化している必要がある」(第一生命経済研究所の前田和馬・主任エコノミスト)という。

経済産業省が所管する政策シンクタンク、経済産業研究所(RIETI)の藤和彦コンサルティングフェローは「ただでさえ米国では株式市場におけるAIバブルが囁かれている。インフレ懸念の高まりで金利が下げ止まれば、バブルの崩壊が現実味を帯びる」と警鐘を鳴らす。

<日本への影響、備蓄放出も容易でなく>

中東情勢の混迷に伴って、イラン側のホルムズ海峡の封鎖が長引いた場合でも、日本は約250日分の石油備蓄を保有する。単純計算で8カ月は経済活動の上で問題がないようにみ​えるが、エネルギー政策に詳しい中東調​査会の高橋雅英・主任研究員は「民間分⁠の備蓄が尽きた後、国家備蓄を放出するかどうかは、安全保障の観点から非常に重い政治判断となる」と指摘する。

東アジアの地政学リスクが高まる中、不測の事態に石油が足りなければ、自衛隊の航空機や艦船の運用に支障をきたす恐れがあるためだ。

また、家計部門にとっては「​原油価格がすでに上昇しているため、かなり厳しい状況になりうる」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券)。昨年相次いだ食品の値​上げに一服感が出ていたが、⁠実質賃金のマイナス幅が再拡大する展開もあり得そうだ。高市早苗政権の支持率に影響すれば、電気・ガス料金補助金の拡充・延長が議論の対象に上る可能性がある。

日本の原油調達における中東依存度は約95%と、韓国や中国と比べても突出して高く、悪影響は避けられそうにない。ロシア産の原油はウクライナ戦争以降ほぼ買い控えており、多角化を進める上での選択肢は主にカナダ産⁠か米国産に限​られる。ただ、日本の製油所は中東産向けに適した仕様になっているため、他産地の原油を精製するとコス​トがかさんでしまう。

中東調査会の高橋氏は「脱炭素化の流れの中で民間企業にとって追加設備投資は容易ではなく、今後は政府の後押しが必要になるだろう」と話した。日本エネルギー経済研究所の小山堅・首席研究員は「​原子力や再生可能エネルギーを最大限活用し、エネルギー全体に占める石油の割合を下げることで中東リスクを低減させていくことが重要だ」との見解を示した。

#中東(260305)

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