2008-01-04 ■ 経済 政治 経済 政治 堺屋 太一 ところが、八〇年代から文明が変わり出した。・・・近代思想が疑われ出した。・・・ この二つ、物財の豊かさと満足の大きさは、まったく別物だ。前者は客観的で科学的で普遍的だが、後者は主観的で社会的で可変的である。 <中略> 地球を吹き抜けた知価革命の風は、「科学的」を標榜(ひょうぼう)した社会主義を吹き飛ばした。 <中略> 日本の官僚制度は、規格大量生産の近代社会を創る(つく)るためには有効に働いた。しかし、多様な知価創造が必要な知価社会では機能しない。 (日経新聞朝刊)