1つは「壊す改革」から「組み立てる改革」への転換ができないことだ。
もう1つは、改革の結果として「目指すべき日本の姿」について合意を得る努力を怠り、すべてを競争原理で語ろうとしたことだ。
改革への逆風が強いのは、そのすべてに競争が持ち込まれ、その大部分が敗者になり始めたからだ。共生の社会は日本の伝統の社会だが、国に依存し、保護される仕組みだとすれば持続性はなく、衰退するしかない。その自立と経営をどう実現するのかが問われているのである。
ただ、競争社会と異なるのは、それらが利益のためではなく、個人が公(おおやけ)を自ら担うために「つながる」という点である。この変化は約束されたものではなく、個人が行動することで広がるものであり、それは人間の生き方を問う変化でもある。