「人が変わっただけで、株主は株主。リターンを求めてくるという当たり前のことを経営者が見失った」
経営者にとって、MBOは“甘い蜜”だ。株式を非公開化することで一般株主の意向や目先の株価に左右されず大胆な経営改革が進められる。敵対的買収が活発化するなか、非公開化は究極の防衛策となる。
MBOの資金は投資ファンドや金融機関が拠出するケースが大半で、「実態はファンドによる買収と変わらない」(市場関係者)。
ただ、MBOが事業を再構築する有効な手段であることに変わりはない。
今回の事態は、「自分の会社になる」というMBOに対する安易な考え方に警鐘を鳴らしているともいえそうだ。