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これまでの「今日のつまみ食い」より

 およそ国内で対立する二政党、または二分派というものは、船の中の乗客のようなもので、その中の不安定なる力の運動を整え、平衡をとるものである。ゆえにもし乗客がいっしょになって、全部が一方の側に集まってしまえば、その衝動のために船は顛覆し、あらゆるものを沈没させてしまうものである。シーザーはそれをよく知っていた。

 であるから、カトーは、ローマの全ての災いは、ポンペイウスとシーザーとの軋轢にあると言って攻撃する人に対して、うまいことを言った。「全ての罪を、この最終的原因に帰して、それを攻撃するのは間違っている。国家にたいして最初で最大の打撃を与えたものは、彼らの不和や敵意ではなくて、その和解と提携にあったのだ」と。 
 
プルターク英雄伝『ポンペイ潮文庫第五巻342頁より