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イランのアラグチ外務次官は13日、訪問先のオーストリアのウィーンで、イラン中部ナタンズにある核施設で、14日から、濃縮度を60%に引き上げてウランの製造を始めることを明らかにしました。

また、IAEA国際原子力機関もイラン側から濃縮度を60%に引き上げる作業を行うという連絡を受けたとしています。

イランはことし1月、核合意を大幅に逸脱する濃縮度20%のウランの製造を始めたほか、中部ナタンズの核施設で、合意で禁止されている高性能の遠心分離機によるウラン濃縮活動も始めています。

このナタンズの核施設では11日、爆発をともなう電気系統のトラブルが起き、イラン政府は、対立するイスラエルによる「テロ行為だ」と主張しています。

濃縮度60%は核合意を大幅に逸脱したこれまでで最も高い濃縮度で、核兵器に転用可能な90%以上の値に近づくことになります。

濃縮度の引き上げについて、アラグチ次官は「攻撃を受けての措置だ」と対抗措置との認識を示していて、イランとしては、強硬な姿勢を示すことで、アメリカに対しイランへの制裁の解除を迫る思惑もあるものとみられます。

これについてアメリホワイトハウスのサキ報道官は13日の会見で「イランの挑発的な発表を深刻に受け止めている。核合意を巡る交渉への真剣さに疑問を投げかけるものだ」と述べ、イラン側の対応を批判しました。

その上で、「今週後半にウィーンで再開する外交プロセスを通じて問題を解決しようとするわれわれの目標に変わりはない」として、現在協議が続いているイラン核合意の立て直しに向けた会合を通じて問題解決を目指す立場に変わりはないとの姿勢を強調しました。

イランでは11日、中部ナタンズの核施設で爆発を伴う電気系統のトラブルが起き、イランはイスラエルによる攻撃だったと主張していて、今回の対応はその対抗措置だとしています。

イラン情勢に詳しい慶應義塾大学の田中浩一郎教授は「イランとしては、たとえ施設を攻撃されても濃縮度を確実に60%まで上げられるし、その先もできると、イスラエルをけん制するねらいがある」という見方を示し、イランとして核開発の能力を誇示する目的があったと指摘しました。

そのうえで、濃縮度60%という値については「これまでの20%から、核兵器に転用可能な濃縮度90%以上まで引き上げる際の中間点が60%とされている。イランがこれまで複数動かしてきた遠心分離機の能力的な限界もこのあたりにあると考えられている。既存の遠心分離機の能力を最大限まで試していくということも考えられる」と述べました。

また、核合意の復活に向けて先週から断続的な間接協議を行っているアメリカに対しては「危機感、あるいは早くやったほうがいいと言う思いを抱かせるねらいがある」と述べて、協議でイラン側が求めている制裁の解除を強く促し、揺さぶりをかける思惑もあると指摘しました。

今回の事態がアメリカとイランの今後の協議にどう影響するかについては「イスラエルは前々から、核合意に反対し、アメリカが核合意に戻ることにも反対している。アメリカがあまりにも今回の事態を大ごととして捉え、イランとの協議が前に進まないような環境をみずから作ってしまえば、イスラエルの術中にはまることになる。それを当然避けたいという思いから、アメリカはわりと冷静な対応をとろうとしているのではないか」と述べて、外交を通じてイランの核開発問題の解決を図るという、バイデン政権の方針に変わりはないという見方を示しています。

中東の複数のメディアは13日、イスラエルの企業が所有する自動車運搬用の貨物船が、オマーン湾を航行中に攻撃を受けたと伝えました。

けが人はいないということですが、イスラエルの有力メディア「ハーレツ」は防衛関係者の話として、攻撃にはイランがかかわっている可能性があると報じています。

両国をめぐっては、ことし2月、イスラエルの同じ企業が所有する別の貨物船で爆発が起き、ネタニヤフ首相が「イランの仕業だ」と主張した一方、今月6日には、イランの革命防衛隊との関連が指摘されている船が爆発の被害を受け、イスラエルによる攻撃の可能性が伝えられていました。

さらに、今月11日にイランのナタンズにある核施設で起きた電気系統のトラブルもイスラエルの情報機関による攻撃の可能性があると伝えられ、イラン側はイスラエルを名指しして報復措置をとる考えを示していました。

今回、イスラエルの貨物船が攻撃を受けたことについて、イランの国営テレビは「核施設での破壊工作の数日後に起きた」と、核施設でのトラブルと関連づけて伝えていて、両国の間で一段と緊張が高まっています。

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