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【正論】筑波大学名誉教授 村上和雄 ノーベル賞と「進化」の不思議

 これらのテーマに一つの方向を示す『CosMos コスモス』という本に最近であった。著者の1人、アーヴィン・ラズロ博士はブダぺストクラブの創始者で、現在、総裁を務めている。

 ラズロ博士は2002年、日本の西園寺昌美氏と『あなたは世界を変えられる』を刊行した。この「世界を変える」という思想が、06年の前作『カオス・ポイント』で「2012年くらいまでに人類の意識が変わらない限り、人類は危ない」という警告に結びつき、それを受けて今回の作品が生まれたのである。

 『コスモス』では、宇宙に存在するすべてのもの(太陽、月、星、地球、生物、分子、原子、量子…)はお互いにつながっており、しかも宇宙には、進化するための一貫性が、あまねく存在すると説いている。

 アルベルト・アインシュタインも、宇宙を包括的な全体と見なし、宇宙の中には秩序や見事な調和があり、それを「宇宙精神」と呼んだ。それは創造的で、あまねく行きわたる性質があると説く。

 しかし一方、このような待ったなしの危機的状況を回避するため、草の根レベルで、人間の意識の変革と、それに基づく組織づくりと行動とが始まっていることを、最新のデータに基づいて論じる。そして最後に、人類と世界を、これまで達成されたことがない高いレベルまで進化させる宇宙的使命が私たちにはあると結んでいる。

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