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田原総一朗の政財界「ここだけの話」暴走した自由主義の反動? 今、「資本論」が読まれる理由

 当時日本はバブルがはじけたあとの不況で、「3つの過剰」と言われていた。設備、雇用、債務の過剰である。この3つの過剰をなくさなければ、企業は再生できないという意見が強く、政府の中でも意見が2つに割れた。

 1つは、リストラをしないで、積極財政に踏み切れという考えだ。これはリチャード・クーさん(野村総合研究所 チーフエコノミスト)や、堺屋太一さんなどの主張だ。具体的にいえば、100兆円の赤字国債を発行して景気をよくしろと言った。

 これに対して、竹中平蔵さんをはじめ小泉さんは、そんなことをすればモラルハザード(倫理の欠如)が起きるとして、リストラをして「3つの過剰」をなくすことを押し進めた。こうして製造業にまで派遣労働者が認められた。

 一方、日本とアメリカでは、“平等”に対して“自由”ということが強調される。

 平等を主張していたソ連や東欧などの共産主義が崩壊したあと、資本主義が独走して、自由が最大の価値観となった。その自由の行き過ぎがアメリカの経済の大破綻であることをみな認識している。

 共産主義が崩壊するまでは、アメリカの経営者たちも企業の社会的責任ということをさかんに言っていた。企業は社会を健全に発展させるために存在するのだと、どの経営者も言っていた。

 ところが、共産主義が崩壊してからは、企業は儲けるためにあるのだと露骨になった。その金儲け中心主義がサブプライムローンの破綻を導きだした。

 志位さんは、今の日本の資本主義を「ルールなき資本主義」と言った。私も「ルールある資本主義」が必要だと思う。

 私は以前、当時・松下電器産業(現パナソニック)の松下幸之助さんにインタビューをしたことがある。彼にリーダーとは何かとたずねたところ、「会社の全従業員にやる気を起こさせること。モチベーションを高めることだ」と言った。

 今こそ、労働とは何か、企業とは何か、働くとは何かということについて納得できる論理を打ち出す必要がある。

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20081218#1229562995(日本型経営)
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20081216#1229389724守旧派
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