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【正論】天皇の20年 立命館大学教授、大阪大学名誉教授 加地伸行

折口信夫は、天皇の本質を美事に掴(つか)み出している。すなわち、歴代の御製(ぎょせい)を拝読すると、中身がなにもないと言う。例えば「思ふこと今はなきかな撫子(なでしこ)の花咲くばかり成りぬと思へば」(花山天皇)。

 このような和歌は庶民には絶対に作れない。庶民は個性を出そうとするが、天皇は個性を消し去る。それは〈無〉の世界なのである(折口説の出典名を失念、読者諸氏許されよ)。

言わんとするところはこれでよいが、「中身がなにもない」のではなく感覚の世界に突入しているのであり、ここでいう「個性」は小我のことで、「個性を消し去る」のではなく私欲消尽して無我無私大我大欲(従って、「正欲」ならよい)の大人物となる。そしてそれは、「〈無〉の世界」ではなく神々の世界なのである。
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