反骨精神を貫いて
元最高裁判事 団藤 重光さん大阪空港訴訟以外でも片っ端から少数意見を書きました。「これは絶対に書かないといけない」という思いで筆をとりました。書かないでいいようなものまで書きましたね。判例は動いていくもの。判例通りの判決を出すことばかり考えている裁判官は駄目ですね。多数意見というのはどこか間違っている。ですから、最高裁では初めから波乱を起こすつもりでわざと乱暴な議論をしたんです。反骨の気持ちを忘れないようにしました。物事は波を起こさないと駄目。波を起こして滞っているものを突き動かす必要があるのです。
(日経新聞夕刊)