https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com

「特捜」崩壊 墜ちた最強捜査機関

「特捜」崩壊 墜ちた最強捜査機関

郷原信郎名城大学教授・弁護士(元検事)推薦!――「特捜検察」の危機的な内実がここに示されている。

東京地検特捜部がおかしい。派手な逮捕劇の裏で何が起きているのか? 検察を20年追った記者が、窺い知れない組織内の異変に斬り込む!

◎身内から危機感が噴出!
「難しい捜査を組み立てて指揮管理できる人材が不足している。要するに素人だ」(元東京地検特捜部幹部)
「最初に描いた筋書きに強引に当てはめて事件を作っている。恫喝的な取り調べが度を超している」(元東京地検特捜部幹部)
「事件の処理能力自体が著しく落ちた。経験不足を露呈している」(国税当局筋)
「もはや捜査のプロ集団ではない。持ち込まれた情報の裏に何があるかを見抜ける人がおらず、裏のある情報に飛びついて安易に事件を組み立ててばかりいる」(警視庁筋)

◎本文より抜粋
ある日、取材で会った事件の関係者からこんな皮肉をぶつけられたことがあった。
「新聞は特捜部の大本営発表を伝える代弁機関ではないですか」
当時の私は即座に否定した。
確かに新聞というメディアは、1つの捜査が終わるまでの間、捜査の行方や特捜部が描いた事件の構図について報じることに力を注ぐ。番記者は特捜部の声に耳をそばだてるだけで、捜査対象にされた人たちの反論や捜査への疑問について書くことはあまりない。そうして特捜部の捜査に追い風の世論を作るアシスト役をしてきた側面がある。そして捜査が終わり、裁判が始まると、新聞は検察側と弁護側の中立的な立場に早変わりしてきた。
こんな変わり身の術が違和感なくできたのも、特捜部の捜査に対する信頼感があったからだった。
しかし、今ではこうした新聞批判を無視できなくなってきたと感じている。特捜部が捜査に着手するたび、被疑者がどんなに悪い奴なのかという情報を新聞は伝えるが、本当にこれだけですべてを伝えたと言えるのかと自問することが、このところ多くなってきた。特捜部という組織の危うい側面も世間に伝えるべきではないかと。
新聞の読者は特捜部の華々しい捜査について知ることはできるが、厚いベールに包まれた特捜部という組織の内部で何が起きているかを窺い知るのは難しい。片面のみを伝えてきた者としての自戒をこめて、この組織がどのように変質したかについて、これから語りたいと思う。ベールの向こうで、かつての「特捜検察」はすでに崩壊し、別の組織に変質してしまったと嘆く声すら聞こえるからだ。

著者について
石塚健司(いしづか・けんじ)
産経新聞社記者。昭和60年、早稲田大学政治経済学部卒業後、産経新聞社入社。司法記者クラブ詰め(検察担当)、司法クラブキャップ、国税公取・証取担当、事件遊軍班長などを経て、平成14年7月より社会部次長

民主党も小沢代表もひょっとしたら「敵」を間違えていたりして。

この本では、ここ数年の傾向として、「捜査の職人」が消え、特捜部長はじめ特捜幹部が法務省のエリート官僚出身であることに着目した分析をしています。現に、今の特捜部長も「赤れんが組」だそうです。

つまり、「特捜検察=法務官僚」といっても過言ではないわけですから、小沢代表の公設第一秘書の逮捕劇は、ひょっとしたら官僚エリートで形成する「霞が関」の意思、なんていう陰謀論めいた話にも、ひょっとして展開できそうではないですか。「敵」は検察なのではなく(検察内部には逮捕に異論もあったといいます)、「霞が関」なのかもしれません。

特捜」崩壊 墜ちた最強捜査機関

捜査手法というものを抜本的に改革することを真剣に考えないと、真の意味で摘発すべき「巨悪」は逃げてしまい、捕まるのは逃げ遅れた間抜けな雑魚とか、見込み違いの捜査による気の毒な犠牲者ばかりという、目も当てられないような悲惨な状態へと、坂道を転がり落ちるように転落しかねないでしょう。