だいぶ前になりますが、
台湾で当時の李登輝総統と会談した際、
「政治は時間の関数である」という話を伺いました。
その時には正直ピンと来ませんでしたが、
今、この言葉を実感しています。
日本は戦後60年余りの右肩上がりの時代を経て、
大きな時代の転換点にあります。
その象徴的現象として、
ついに日本の人口が減少を始めました。
人口が急増してきたこれまでの日本社会と、
逆に急減していくこれからの日本とでは、
取り組むべき課題の優先順位も、
また、行うべき政策の中身も、
180度と言っても過言でないくらい変わっています。
人口が急増するからこそ、重要と供給のバランスで、
コンクリートやアスファルトの「モノ」を
急いで作っていく必要がありましたが、
これからは全体として過剰に向かっていきます。
子育て支援は以前から重要であったと思いますが、
少子化・人口減少社会だからこそ、
産み育てたいと思いながら、様々な事情で断念している人たちの支援など、
社会全体で子育てを支援していくことで、
人口減少にブレーキをかけることの重要性は
飛躍的に高まっています。
このように政治は時間の変化に応じて変わっていくべきものであり、
かつて正しかった政治・政策が今も正しいとは限らず、
また、今、正しい政治・政策が将来にわたって絶対的に正しい訳ではありません。
まさに「政治は時間の関数」です。
過去を振り返ってみると、時間の経過、時代の変化に対応して
政治を変えること=政権交代を実現できたとき、
日本は危機を乗り切り、
次の飛躍へとつなげることができました。
逆に変化に対応できないと、
国民生活に大きな損害を与えることになります。
前者の典型例が明治維新であり、
幕府を倒したからこそ日本の近代化が可能になりました。
後者の例は、敗戦必至の状況でも、政治が対応できずに
多くの人々に甚大な損害を与えた日中・日米戦争ですが、
この時も、政治を変えて政権交代とセットでようやく泥沼から脱し、
戦後復興・高度成長へとつながりました。
今の日本は文字どおり社会の大転換期であり、
政治が変化するのは必然だと認識しています。
政治が変わらないことで、
国民生活に甚大な被害を与えつつある現状において、
政権交代は「したい」という希望ではなく、
「しなければならない」義務・責任であると確信しています。
その責任をしっかりと果たしていくために、
長く暑い夏を戦い抜く決意です。