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民主党内「第2次経世会」の胎動 小沢一郎、「数の力」で政局の中心へ

 こんな状況から勝ち上がった小沢は、時の幹事長、田中の格別な寵愛を受け、政治のイロハを学ぶ。現在の政治家の中で最も全国の選挙区事情に通じ、選挙戦の表も裏も知り尽くす小沢の師匠は田中であり、恩人の鈴木なのであった。


 小沢は地方選挙の有力者の子弟たちの結婚話や、その相手の人柄といった地元民でなければ知り得ないような情報にも通じている。


 どの候補者が朝の演説会、いわゆる「朝立ち」を続けているか、はたまた手を抜いているか、ポスターをどれぐらい配っているのか、選挙スタッフたちの活動具合はどうかなど、どの議員より把握しているとされる。

 広告出稿の話もそこそこに、小沢はその大手新聞社幹部らに言うのだった。


 「1回は(全国紙の広告出稿に)付き合うけど…。1回きりだ。何と言っても選挙戦は地元紙の影響力が強い。特に今、(自民党と)競っている選挙区には惜しみなく資金を投入する。都市部なんかには1銭も使うつもりはないんだよ」

 自民党の大物議員には若い女性候補者をことごとくぶつけ、メディアが切れ目なく報道せざるを得ないようにする投入の仕方だ。そして、選挙民に徹底して求めているのが「政権交代」の是非だ。

 本当に政治日程を読み切り、官僚の本質を見抜き、他党の議員の政治的な背景を知り、適切な妥協点を見つけ出せる政治家がどれほどいるのか?

 「都議会議員選挙ほどじゃないけど、訳の分からない議員が100人くらい生まれてくる。その数があるうちに次を考えないと…」


 1993年に細川護煕首班の細川政権を誕生させてから16年。民主党内「第2次経世会」を誕生させる小沢の目は、早くも来年の参院選挙を視野に入れている。