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竹中平蔵:世界同時不況の克服には何年かかるか

バーナンキは私と同じことを言いました。「日本はバンキング・クライシスだった。米国はマネーマーケット・クライシスだ」と。

銀行のバランスシートはリスクから切り離されている。それをうまく収めさえすれば、日本のような危機にならないで済むはずでした。

しかし、そうはなりませんでした。最大のポイントは昨年9月29日、下院が公的資金投入案を否決してしまった。市場の失敗に、今度は政府の失敗が重なりました。これで米国政府は事態をコントロールすることができなくなりました。マネーマーケット・クライシスはコンフィデンス・クライシス(信任の危機)に変わった。こうなると、やることは一つしかありません。政府が反省して、政府と中央銀行がなりふりかまわず、それをコントロールするしかないんです。

米国政府は一瞬躊躇しました。実は、それを強引に進めたのはイギリスなどヨーロッパの国でした。ヨーロッパの国は資本注入することを宣言して、そのうえで預金保護すると発表。そうした状況を受けて、翌週、ブッシュも公的資金注入を宣言しました。その瞬間、コンフィデンス・クライシスは半分くらい収まった。