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日本の政権交代と社会経済システムの転換

 今回の民主党の勝利は、日本における第3の道の実現と評価することができる。第3の道とは、1997年にイギリスで労働党が18年ぶりに政権を獲得した時に打ち出したスローガンである。いうまでもなく、第1の道は第2次世界大戦後、ベヴァリッジ報告に基づいて労働党が実現した福祉国家、第2の道はサッチャー政権が1980年代から90年代にかけて推進した新自由主義的な改革である。ニューレーバーは、グローバル化時代に経済的な効率と両立する新たな福祉国家として、第3の道を打ち出した。

この政策転換は、小沢一郎前代表のリーダーシップによって初めて可能となった。

2005年選挙において自民党新自由主義路線で純化されたことは、中道左派路線で民主党をまとめようと思っていた私にとっては大きなチャンスを意味していた。小沢との議論の中で、新自由主義的な路線は必ず行き詰まるから、いまから民主党はその準備をしておくべきだと主張した。とくに格差不平等問題と社会保障の崩壊という大問題について、民主党が政策を出せば必ずチャンスが来ると言うと、小沢もこの点はきわめて的確に理解した。このような認識の下に、2006年3月に代表に就任した小沢が打ち出したのが、「国民の生活が第一」というスローガンであった。以後、民主党は生活第一の下に結束して、2007年の参議院選挙で勝利し、自民党政権を追い込み、今年の総選挙で勝利した。

 小沢の力量は、社会民主主義的な勢力、実体的に言えば、労働組合と旧来の自民党支持層を結合したところに発揮された。

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