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財部誠一 スパコンの仕分け、非難されるべきは役人の無能だ

 はっきりいえば今回の事業仕分けの評価は簡単ではないということだ。

 だからなんとしてでも自分の目で見ておきたかったが、日程調整に手間取り、26日の午後、ようやく会場となった市ヶ谷の国立印刷局に足を運ぶことができた。

 ほんの数時間で事業仕分けの全体を承知したなどというつもりはもうとうない。だが、やはり“現場”は能弁だ。メディアを通じて伝わってくる印象とは違う景色が見えてくる。

 じつは私のもっぱらの関心事は役人だった。仕分け人が振り下ろす太刀を、役人はどのように受け止め、切り返すのか。それを見てみたかった。

ノーベル賞受賞者のみなさんに言いたい。みなさんが非難すべきは仕分け人の「不見識」でなく、次世代スパコンプロジェクトに関わっている役人の「無能」である。

 26日の仕分け作業で防衛省の備品調達に関する議論があった。その晩のニュースでも仕分け作業の統括をした枝野幸夫議員が防衛官僚の整然たる受け答えに感動したというコメントがでていたが、じつは私もまったく同様の感想をいだいていた。


 制服や弾薬などはコストの低い外国製にできないのかといったコストオンリーの視点ばかりを追求する仕分け人に対して、防衛省の役人たちは見事に「国防」の哲学で応じていた。それは「嘘」ではなく、国の防衛をになう人間としての責任感だった。

 「予算は哲学で担保されるものべきものである」