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「変革」を余儀無くされた小売業界 生き残れるのは誰だ!? | 業界別 半年先の景気を読む | ダイヤモンド・オンライン

 コンサルタントとしての経験から申し上げると、変革せざるを得ない状況(財務面が悪化して買収されてしまった、明らかにマイナスインパクトをもたらすような法改正があった、等々の外圧を受ける)まで追い込まれない限り、自主的に変革を成功した事例を探すのは難しい。

 相変わらず絶好調のユニクロだが、かつて既存店がこぞって前年割れをした年があったのを記憶している方も多いのではないだろうか。この年にユニクロを買いに行っていた消費者が感じていたのは、「買いたいと思っていた商品がない」ことだったようだ。これを大きな課題として捉えたユニクロは、仕入れや売場づくりなどの業務を店舗スタッフに大きく権限委譲しながら、本部スタッフが店のサポート部隊としてフォローしていく体制へと切り換えていった。


ユニクロ型ビジネス」といった呼び方で、低価格ビジネスの展開に向かう企業も増えている通り、価格あるいはフリースやヒートテックといったヒット商品の開発力、といった部分が注目されているユニクロだが、根底には「店に行ったときに欲しいものを買いたい」という顧客に応えようとした内部の“変革”があったことを切り離して考えてはならない。

“変革”に不可欠な要素として、鷹の目と蟻の目がある。鷹の目で正しい時流を認識した上で何を為すべきかを定め、蟻の目で現場をどんなステップで導いていくのかを考えるのである。


 日本の歴史を紐解くと、幕末に維新を引っ張っていった人材、その後の日清・日露戦争で日本を引っ張った人材には、この要素がしっかりと備わっていたことがうかがい知れる。


 例えば、日露戦争時、世界の誰もが日本が勝つことを予想しなかったのではないだろうか。しかし当時の日本は、ロシアが日本との戦争に投入できる戦力をある程度正確に予測した上で日本が持つべき戦力を準備し、日英同盟の締結を実現させ、ロシアの内部革命を促す人材・米国の世論を日本に向ける活動を促す人材を派遣する、戦争終結の出口プランを練りこんでおく等々、ありとあらゆるアクションを展開した結果、勝利までこぎつけたのである。

 世の中に起こることはすべて必要必然である。もしかすると、リーマンショックのような外圧による景気低迷も日本企業にとっては必要必然だったのではないだろうか。今を嘆いていても、すでに起こってしまったことなのだから、近い将来、「結果的には良かった」と言えるような“変革”を実行していただきたいし、コンサルタントとしても成功を具現化すべくサポートしなければならないと考えている。