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「二番底は杞憂でも、オバマ政権の介入主義が米経済の長期低迷を招く」〜元クリーブランド連邦準備銀行総裁 W・リー・ホスキンス氏に聞く|DOL特別レポート|ダイヤモンド・オンライン

―米国経済が景気の二番底(double-dip recession)に陥る可能性は?


 いや、不確実とはいえ、そこまでの可能性は低いだろう。ガイトナー米財務長官は景気の二番底は予想していないと強調しているが、私も基本的には同意見だ。そもそも「異例なほど不確実」と発言したバーナンキ議長も、二番底に陥るシナリオを予測したわけではない。当面、かなり緩やかな成長にとどまる可能性があると言いたかっただけだろう。米国の多くの経済学者の見方も、そうだ。私自身も、米国経済が二番底に陥る可能性は20%程度しかないと見ている。

 心配があるとすれば、今年末で期限切れを迎えるブッシュ前政権以来の減税措置の行方だ。仮に減税措置が廃止された挙げ句に増税ともなれば、経済成長はいっそう緩やかとなり、失速する可能性は増す。


 ただでさえ、FRBが打てる手はもはや限られている。マネタリーベースを倍増させたにも関わらず、貸し渋りは止まらない。かつての日本同様に、いくら信用創造の基礎となるおカネを供給しても、金融機関は信用リスクを取ろうとしないのだ。

 私はそもそも、市場に政府が介入することには反対だ。市場は、自ら調整を終えるまで放っておく方がいい。万が一にも介入するのならば、たった6ヶ月間ではなく、もっと長期的にやるべきだろう。たとえば、オバマ政権の住宅購入者向け税額控除制度は、住宅購入を短期間に集中させ、将来の住宅販売を前倒ししたに過ぎない。


 また、オバマ政権は建設事業など他にも多くの景気刺激策を連発したが、そもそも財政政策や赤字支出が経済活動に長期的に寄与したという確固たる証拠はない。


 オバマ政権は巨額の景気刺激策を議会で通して、今そのおよそ半分を費やしたところだろう。だが、その成果が証明できず難しい立場に立たされている。景気対策資金は各州政府に分配され、そこで警察官や消防士、教師がたくさん雇用されたが、早くも資金切れし、予算の均衡を保てなくなった州政府は彼らをレイオフせざるを得ない状況に追い込まれているのだ。オバマ政権は、経済回復において政府が健全な役割を担えるという信条を持っているようだが、実際には経済の自律的な回復を遅らせているだけにしか見えない。

政府が介入しなければ景気後退は一時的にはもっと深く、失業率もさらに高くなっただろうが、その一方で回復もいっそう急激なかたちで起こっていただろう。

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