佐久間が特別捜査部の部長として指揮を執った「陸山会土地取引事件」に対しては、「現職議員を逮捕するからには政治資金規正法違反のような『形式犯』ではなく、贈収賄や脱税など『実質犯』を問うべき」と主張し、石川知裕を逮捕に踏み切った判断に苦言を呈している。石川を逮捕する必要性は薄かったと指摘したうえで、形式犯でも容易に逮捕できる風潮となった場合、「検察が議員の生殺与奪を握ることにならないか」と懸念を示している。さらに、佐久間らの主張が正しいとするなら、まずゼネコン側の捜査でダム関連の資金経路を明らかにし容疑を固めることが最優先のはずだと指摘し、検察が石川らに対する強制捜査後にゼネコンの家宅捜索を行うのは捜査として順序が誤っているとしている。そのうえで「捜査手法にも疑問が残った」と述べるとともに、「陸山会土地取引事件」は「実質的に特捜部側の敗北」と断じている。