- 作者: 二畳庵主人,加地伸行
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/10/13
- メディア: 文庫
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訓読のコツとは。助字の「語感」をどう読み取り、文章の「骨格」をいかに発見するか――。
基礎とはなにか。二畳庵先生が考える基礎ということばは、基礎医学とか、基礎物理研究所といったことばで使われているような意味なんだ。(中略)基礎というのは、初歩的知識に対して、いったいそれはいかなる意味をもっているのか、ということ。つまりその本質を反省することなのである。初歩的知識を確認したり、初歩的知識を覚える、といったことではなく、その初歩的知識を材料にして、それのもっている本質を根本的に反省するということなのだ。
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20090821#1250804094
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20101007#1286415541
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20100423#1271980790
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20100406#1270512718
本書は法学入門書だと誤解されやすい.しかし実際には,著者自身が「入門ではなく出門書である」と語るように,入門書ではない.タイトルの「基礎」という文言は,「入門」「導入」つまりintroductionではなく,「土台」「根本」つまりfoundationとかgroundworkという意味での「基礎」なのである.
著者は,刑事法学において金字塔的業績を積み上げてきた大学者であり最高裁判事にもなった.外国の学説をintroductionするだけの凡庸な学者とは一線を画す方である.
多分,法学入門にあたり,いきなりこの本を読んで挫折した人も多いだろう.大学卒業時,資格試験合格時などに,再度この本を紐解いて欲しい.きっとその時に初めて,法学の深遠を垣間見ることができると思う.私は,そこからが真の「法学入門」なのだと思うがどうだろう?
法学の精華をこの著作ですっきり紹介します。理論的には、古典も近代の發展もまさしく述べますし、解釈学的には、日本の課題を要を得た分析し、欧米の例と適切に比較します。作者は本書が入門者に少し難しいと思いますが、僕は初心者たち分からなくても詳しく読んで、学習段階に沿って反省すると勧めたい。
Amazon.co.jp: 法学の基礎 第2版: 団藤 重光
ちまたには、数人がかりで各論的な解説を表層的に並べ立てるだけの
法学本が跋扈していますが、そういった本を何冊も読むよりも、
こういった第一人者による骨太な単著を読む方がきっと得るものは多いと思います。
この本を法学を学び始める前の人が読んだら、絶対に「法律って難しいんだ・・・」と思ってしまうにちがいない。はしがきにも書いてあるとおり、「『入門』じゃなくて『出門』だという批判もあった」と著者じしんが述べているとおり、本書の難易度はかなり高い。容易には読みこなせないと思われる。なので、はしがきにある「初学者の方は第一編の第二章あたりまで読み進んだあとは、しばらく書棚に寝かしておいて、ほかの専門科目を勉強されてから、あとを読みついでいただいても結構である。」という言葉どおりにすればよいと思う。ただ、まったくの初学者は1頁目からかなり難しく感じるであろう。
そういう意味で「法学の基礎」というタイトルには注意する必要がある。決して入門書ではない。法律学の奥底の、背景にある、何かもっと大きな「何か」について考えてみたいときに本書はその「何か」をつかめるきっかけになるのではないかと考えている。