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民主党政権が外交で“失策”相次ぐのは、なぜなのだろう?

 そして、開国とは即ち、不平等条約の受け入れから始まったのです。不平等条約とは、要するに、主権の自由を奪われることで、在留外人に対する自国の裁判権が認められなかったり、一方的な最恵国待遇を要求されたりすることです。


 これを跳ね返すのに、この国がどれだけ長い時間をかけ、苦労したか。それを忘れてはいけません。関税法など、その精華とも言えるものです。各種特例措置でごちゃごちゃになっている(再整理が必要と思います)とはいえ、先人の汗と涙の賜物なのです。


 しかしながら、今回の尖閣諸島問題を契機に、中国の対日政策をいろいろ考えてみると、再びこの不平等条約が再来しているように思われます。

実態はどうあれ、政府のスポークスマンがこうした発言をしたということは、日本政府は今、所管の概念が崩壊しており、そして国境線に絡む最上級の国家意思決定において、本来決定を下すべき首相や外務大臣、あるいは危機管理担当としての官房長官は機能不全である、と対外宣言したに等しいのです。

 本来は、「国内法に則って適正に処理するように指示し、これを確認したので対応方法を許可した」とでも言うべきでした。

 これは、なぜでしょうか。民主党には、首相としての最適者を選択する党内政治過程そのものに潜む問題があるのではないか、それがこの国に機能不全をもたらしているのではないか、と思ってしまいます。


 それは、こういう構造です。まず、有力な外国が2つある状態で、これらが対立していることを想定しましょう。現在、政権を持っている政党は、片方の勢力と同盟関係を結んでいます。その関係は国家を繁栄させたのですが、近年、力に陰りが出てきたようです。


 ここで、野党第一党が何を考えるか、ということです。個々の構成メンバーの信条を越えて、構造的にもう1つの勢力と結び、現政権とこれにつながる外国勢力の批判を行ない、その方向で人脈を形成し、政策セットをそちら寄りにするでしょう。


 現政権と同じ外国を称賛するような主張では、現政権との差別化ができず、有権者に「ということは、現政権を続かせればいいじゃないか」と思わせてしまいかねないからです。


 現政権の政策に行き詰まりが見えると、野党は俄然、張り切ります。うまくすると、政権交代が起こるかもしれません。


 しかしながら本来、政権交代を達成した野党には、ここで発想の転換が必要になります。なぜなら、旧政権と対立していたその外国勢力は、自国の勢力伸長の手段として、相手陣営の同盟国の離反や弱体化を企図していたわけですが、その対象は政権交代した当の政党にも向かうからです。


 しかし、これまでの経緯や人脈、心理的慣性から抜けられない場合、政策の切り替えがうまく行かず、反対陣営の衛星国化してしまうとか、反対陣営の邪険な対応に狼狽えて国益を損ねてしまいかねないのです。特に、頭のいいふうでいて実は頭が固いだけのヒトが一番危なそうです。自分の誤りを認められないですからね。


 革命政権では、しばしばそうしたヒトが恐怖政治を行ないます。弁護士であったロベスピエールなどが典型です。


 これでは、反動政治の台頭を許し、結果として政権交代当初の志が失われてしまいます。何度も揺り戻しを経験するうちに、国力が疲弊してしまうでしょう。

 転換のための第一要素は、現状を虚心坦懐に見つめ、世界の力関係を読み解いて、自国のために最適な方針を立てることができるということです。


 第二要素は、それを主導するに際して、強力なリーダーシップが求められ、また、民衆の福利厚生を最大化する志向を持つべきことです。

 さて、これは中国の資源確保ルートの模式図です。


 小さい文字で書いたところが、象徴的なボトルネックで、中国側から見ると、陸路の中東ルート以外は、すべて海で封じられています。中東ルートの途中にはアフガニスタンがあり、ここでは米軍が戦争をしています。全体的に見て、中国はアメリカによる封じ込め戦略に脆弱であり、仲良くするか、あるいは勝つしかない状態に見えます。

 日本は、似たような環境下で、武装解除を行なったことによる周辺諸国の安心感と、アメリカとの同盟関係を裏付けに、洋上封鎖の恐怖を感じることなく半世紀以上やってきました。

しかし、米中双方が外洋艦隊を保有して対立することになると、この基本構造が壊れます。この場合、組む相手を間違えると、自国の船隊が危険になります。


 このことは、もう少し意識したほうがいいと思います。日本にとってのシーレーンも、どう維持するのかを積極的に考えるべき時代になったということです。