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豪中銀の声明全文

 前回の理事会以降、一部欧州諸国の信用力についての懸念が再び金融市場の焦点となり、一部ユーロ圏諸国のソブリン債スプレッドは著しく拡大し、ボラティリティーが高まった。


 同時に、最近のデータは、中国およびインドの経済が引き続き力強く成長し、食品を中心とする物価上昇圧力が中国や一部アジア諸国で強まっていることを示唆している。


 米国では緩やかな成長が続いている。

 
 オーストラリアでは、交易条件が1950年代初め以来の高水準にあり、結果として国民所得が力強く拡大している。


 最近の情報は、予想されていた通り、民間投資が高水準の商品(コモディティー)価格に呼応して上向き始めていることを示唆している。


 家計セクターはこれまでのところ引き続き支出と借り入れに幾分慎重になっており、それが貯蓄率の顕著な上昇につながっている。


 ここ数カ月の資産価値は概してほとんど変化がなく、貸し出し意欲が一部で高まっている形跡はあるものの、全体の信用の伸びは引き続きかなり抑制されている。

 
 一部の先行指標は今後の雇用の伸びが一段と緩やかになることを示唆しているものの、ここ1年の雇用の伸びは極めて力強かった。昨年大幅に低下した賃金の伸びは、予想どおり一定の上昇を見た。今後1年である程度さらに上昇する可能性が高い。

 
 高水準のコモディティ価格とオーストラリアや主要国の金融政策見通しにより、為替レートは今年かなり上昇した。これが限界的にインフレ圧力抑制に寄与するだろう。インフレ率は今後数四半期はほぼ変わらない見通しだ。ただ、経済が予想通りに成長した場合、中期的には幾分上昇する可能性がある。


 理事会による先月のキャッシュレート引き上げ決定と、これに続く金融機関の金利引き上げで、経済の現在の貸出金利は平均を若干上回っている。理事会は、現在の金融政策は経済見通しに照らして適切だと認識している。