- 作者: アラン・ソーカル,ジャン・ブリクモン,田崎晴明,大野克嗣,堀茂樹
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2000/05/24
- メディア: 単行本
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「ポストモダニズム」思想の分野では数学や物理学の概念や用語の濫用がくりかえされていることを指摘し、さらに、それらの著作に見られる自然科学の内容または自然科学の哲学に関連したある種の思考の混乱について議論する。
ポストモダン、と言われる人々の本が、いかにデタラメな科学・数学知識で埋め尽くされているかを論理的に批判した本。
要するに、ポストモダン系の著作には、難しくもないことをデタラメな科学知識を並べ立てることで、難解に見せかけているだけのものが数多くあるということだ。
そして、ソ−カルは科学への相対主義の濫用をも厳しく批判する。
数学を使わないと偉くない、と思い込んで、意味もなく数学を使い、なおかつそれを誤用している職業学者たちを馬鹿にしているのである。
反権威ぶった、トンデモポストモダンをいまだに崇拝し、まっとうな知的手続きを踏まない連中がいる以上、この本は有効である。