【陸山会公判】「威迫と利益誘導あった」 調書却下詳細判明 特捜部の取り調べ批判
決定では、石川被告が逮捕前日の昨年1月14日の取り調べで検察官から「特捜部は恐ろしいところ。何でもできるところだぞ」と迫られたことで、「強い心理的圧迫」を感じたと断定。この取り調べ後、政治資金収支報告書への虚偽記載を石川被告が認める調書が作成されたが、地裁は今回の決定で任意性を否定した。
さらに石川被告が逮捕後、「小沢元代表に虚偽記載を報告して、了承を受けた」と認めた調書も、検察官から「これぐらいなら書いても小沢さんは起訴にならないから」と説得を受けた上で作成されたと指摘。「硬軟両面からの言辞で調書に署名させた」と結論づけた。石川被告の後任の事務担当だった池田被告が、小沢元代表らとの共謀を認めた調書についても「長時間に及んだ厳しい取り調べの結果」として検察側に問題があったと断定した。
また、石川被告が保釈後の任意聴取で、検察官との会話をICレコーダーでひそかに録音した点を重視。石川被告から確認を求められた検察官が、「特捜部は恐ろしいところ」などと発言した点について認める会話が録音されており、「録音がなければ、取り調べの内容について(検察側と弁護側との)水掛け論に終始した可能性がある」などと評価した。
「威迫と利益誘導あった」 調書却下詳細判明 特捜部の取り調べ批判
従来の裁判所の、特捜部の顔色を見ながら、違法・不当な取調べに踏み込もうとせず唯々諾々と供述調書を採用し、検察ストーリーに乗っかって判決を書く、という、情けない在り方が、徐々に変化しつつあり、遂に東京地裁にも、そういった変化の波が押し寄せて来たと言えるのではないかと思います。