ただ、「決別」を言い渡されたはずの小沢・輿石両氏は会談後、どこか余裕の表情だ。
首相にとって絶対に譲れない一線は、消費税増税関連法案の今国会会期末(21日)までの衆院通過。外交日程などを考慮すれば、15日がタイムリミットとなり、それまでに自民党との修正協議を調えておく必要がある。しかし、協議が不調に終われば、自民党は倒閣にかじを切り、内閣不信任決議案や参院での首相への問責決議案を会期末に提出するだろう。
「常に志を抱きつつ懸命に為すべきを為すならば、いかなる困難に出会うとも道は必ず開けてくる」
政界に身を投じる前、松下政経塾で毎朝唱えた「五誓」のうち、この「素(そ)志(し)貫(かん)徹(てつ)」を座右の銘とする首相だが、踏み出した道は限りなく細い。